第42話五月女五月(さおとめさつき)
「そのタイミングはもうそこまで来ている」
「分かりました。その時まで大人しくしましょう」
「出来れば良いが」
「今は五月女五月に期待しましょう」
大王のその言葉に出てきた五月は現在一人の男と出会っていた。
「黒白院大王の部下の五月女五月か」
五月は声をかけられた事でその男を見つめ、興味無さそうに立ち去ろうとしたその時、その男は動き出す。
「待て!」
五月の進行方向にその男は立ち塞がる。
「お前は黒白院大王に繋がる女だ。俺の一族は大王の体に琰摩羅闍の能力を入れ込む為だけに殺されたんだ。大王の体に適合出来る様に」
「……うるさい」
五月は強制終了を発動させ、男の動きを停止させる。
「全く、止めねぇとなぁ」
白髪のその男は倒れたその男を庇いながら、五月と対面する。
「こいつも俺も山梨支部補欠何だが、こうして出会えたのは何かの縁だろ。あの時、山梨支部は様々な勢力によって、壊滅的な被害が出た。山梨支部の防衛局と密接な関係にあった木山家、檜山家が滅ぼされ、その後大王によって、そこに倒れる大森家、そして俺の一族である小林家が滅ぼされた。俺はたまたま静岡支部に居た為、生き残れた。分かるか?帰ったら、何もかも失ったこの喪失感を」
「知らない」
「だろうな。それにお前は琰摩羅闍によって、精神を掌握されているだけの存在何だからな。解放してやろう」
「無理だよ。私の全ては大王様のもの」
「悲しい。そんな空の言葉で語るな」
五月は強制終了を発動させ、その男の行動を無理矢理停止させる。
「つまらない。大王様の言う通り……この世界はどこか不安定なまま進み、どこかで調整されつまらない結末を迎える。私達が目指すのはここでは無い」
「では、どこを目指すのかしら?」
五月の目の前に現れたのは北海道支部の防衛局、白魔術団のリーダー長い白髪のその女性は小鳥遊小百合だった。
「……大王……どうやら、ここまでの様だ」
モニターで見ていた善一郎は席を立ち、その場を後にする。
「ご覧にならないのですか?」
「結果は分かっている。お前もここに留まる理由はあるまい」
「敗北は見えていますが、彼女の役目を最後まで見届けます」
「お前はワシの知らない所で動いているのは理解している。これもお前の計算通りか?」
「隠し事は出来ませんね。彼女には最後まで働いて貰います」
「……良かろう」
善一郎は再び席に戻り、五月の敗北が確定したその戦いを見守る事にした。
「誰も私には勝てない。絶対に私は勝たなければならない」




