第41話黒白院善一郎
「ですが、私は何も」
「ワシは十分と言っておろう」
「……はい」
「下がりなさい」
大王は一度頭を下げると、善一郎に背を見せる事なく、後退りしながら、その場から後にする。
「見事ね。貴方相手に背後を見せず、この場から立ち去るなんて」
善一郎の背後に居るその人物は黒白院家と並ぶ御三家の神宮寺家の神宮寺朱音だった。
「お前も消えるが良い」
「そんな事を言われても、玄竜を渡してくれないと……帰れないわ」
「こちらの条件を果たしたらな」
「これが竜宮寺家の五人よ」
「ほう。極上な竜種の五人がここに……大阪支部の田中家とは比べ物にならないだろうな?」
「それは神宮寺家の分家として、私達よりも劣るでしょうけど、優秀な存在よ」
「では、連れていくが良い!」
善一郎の周りに白と黒が入り乱れ、空間が裂けると、そこから玄竜が床へと落ちていく。
「これが玄竜ですか。では、頂いていきますね」
「残念だったな」
「……なんの事でしょう?」
朱音は笑顔のまま大王と同じ様に退出すると、その笑顔は一変する。
「クソジジイ!」
神宮寺家から玄竜の引き渡しと善一郎の異能の詳細についての任務も任された朱音は苛立っていた。
それを知っているかの様に朱音に見せつたにも関わらず、異能についてなんの情報も得られなかった事にそれで数十回も目の前で善一郎の異能を見てきた朱音だったが、見抜く事が出来ず、今日も苛立ちながら黒白院家を後にする。
一人残っていた善一郎は不適な笑い声で笑い続けていた。
「全く、あの小娘は何年も変わらない。いずれ、壊してやろう!」
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時は流れ、現在神奈川支部の補欠として、五月女五月が本部決定戦に参加していた。
「善一郎様」
「大王か?」
「はい。私は神奈川支部の代表として参加しなくても良かったのでしょうか?」
「必要ない。本部の座などに興味は無い。参加したい理由があったか?」
「山梨支部の檜山エンマとは一戦やりたかったですね」
「……エンマの息子がエンマの名を襲名していたな」
「はい。彼の能力は閻魔大王私の琰摩羅闍とどちらが上が確かめたいと思いまして」
「必要ない。勝ても負けても、お前には神の光炎があるその時点でお前の勝ちとなる」
「確かにそうでしょうけど」
「不満か?」
「いえ」
「今は動く事は許さん!黒白院家は御三家から脱する。神宮寺家を潰す。神に選ばれ、神を宿すのは日本で我々黒白院家だけで良い」
「では、神能力者、神異能力者を狩るのですか?」




