第38話神の光炎(ウリエル)
「これで善一郎様からの任務である玄竜の身柄の確保は完了。後は、二人の一族を壊滅させれば、終われますね」
大王は暗躍し、密かに進めてきた任務だったが、優秀な玄竜や五月等を琰摩羅闍によって、精神掌握させ、手駒に出来た時点で、大王は一気に攻めいる事を決めた手始めに、玄竜が率いれていた十五人を襲う。
出現させていた神の光炎によって、全員を燃やし、行動を不能にすると、琰摩羅闍でゆっくりと確実に燃えている者を順番に掴んでいく。
「あっけ無い。これで終わりとは」
予想していたよりもあっさりと片付いた事に思わずため息を溢すと、琰摩羅闍を消し去る。
「一気に任務を終わらせましょう」
大王は出現させていた神の光炎を自身の体へと入れ込むと、大王の体からは美しい翼が出現し、中性的な顔立ちへと変化し、その見た目は今まで大王の背後に出現していた神の光炎が乗り移った様だった。
大王は美しいその翼をはためかせ、五月女家の屋敷を飛び出すと、早乙女家を目指し飛行を開始する。
その最中、青白い光の剣が大王の目の前にまで接近していた。
大王のその反射神経だけなら、顔面を貫かれていただろうが、その体内には神の光炎が宿っており、大王は神の光炎そのものとなっている事もあり、青白い光の剣が顔面に直撃しても、無傷で済んでいた。
「……敵の懐に居る以上、ある程度予想していましたが、これ程早く動くとは思いませんでした」
青白い光の剣を顔面で受けた大王の目の前に両足から青白い光を放つ佐代子と、両足から真紅の光の放つ佑子が立ち塞がる。
「ここまでの事をされるとは、私の失態ね」
「五月女家が私の侵入口ですからね。佑子様に非はありませんよ。洗脳は一流な人間を使いましたから」
「……ここは私が責任を」
佑子のその言葉に佐代子は引かなかった。
「もう私達は早乙女家の人間よ。皆で協力し、皆で共に生きていく。一人ではやらせない。それにこの男から嫌な感じがする」
「……本能的に私の力について気がつきますか?」
「ええ、貴方の能力は琰摩羅闍でしょ?その翼を見たら一目瞭然でしょ?」
「確かに隠しようが無いですね。これは神の光炎の能力を使い飛行してますので」
「神の光炎相手なら、手加減はなしよ」
天使属性のその力は異常な回復力、生命力や状態異常にもならない等特殊な体の構造からして、長期戦になれば、不利なのは確実な為、佐代子は即座に大王へ攻撃を開始する。
佐代子は右手から青白い光のを纏わせると、剣の形へと変化させる。




