第19話冴木俊介(さえきしゅんすけ)
両足に実弾を受けた俊介は地面へと倒れ込む
「……早く動くその異能も足が使えなければ、意味を成さない」
「とんでもない。魔力量を持っている様だな」
「……」
「その実弾を撃つ拳銃はリロードの必要が無いんだろ?転移魔法で即座に用意している。変わった拳銃だ。そして、お前はとんでもない念動力の使い手だ」
「それが分かった所で意味は無い。お前は勝てない」
正一は手に左手に持つ拳銃に大量に魔力を溜め込んでいく。
「終わりだ」
正一は引き金を引くと、どす黒い魔力が大量に放出される。
俊介は異能を併用して、這いつくばりながら、回避を成功させる。
「哀れだ。これが長野支部防衛局の副局長の力か?」
「返す言葉も無い。俺なんぞの力で守れて来れたこの平和こそ、唯一の自慢だ」
「怠惰な思想だな。強き者が来て、それでは何も守れないな」
正一の周りには木の破片や小石等、様々なものが浮遊していた。
「念動力……どす黒い魔力で接触したものを浮遊させるのか」
「だったら、何だ?」
正一は自身の周りに浮遊させていた物を俊介へとぶつける。
俊介は異能を併用して、這いつくばりながら回避する。
そんな俊介の行動を予測していた正一は拳銃を構えていた。そんな構えていた場所に俊介は移動してしまった。
「終わりだ!」
正一は引き金を引く。そこからどす黒い魔力が大量に放たれる。回避に遅れた俊介はどす黒い魔力に直撃し、吹き飛ばされてしまう。
後方へと吹き飛ばされてしまった俊介は空中に浮遊して、停止していた。
「……念動力か」
俊介が何故、自身が浮遊しているのか理解したその時、俊介は何かに引き寄せられる様にして、正一の所まで向かっていた。俊介の異能は閃光煌めく時は俊介が目にした物、俊介自身の時間を加速させ、俊介自身の移動スピードを加速させる事も可能であるが、宙に浮いている状態で自身を加速しても、意味はなく、足が付く状態で高速移動出来る状態でのみ、有効であり現在の俊介に出来ることは、自身に対する異能の発動を止め、周りや正一の時間を加速させる事でこの状況を打破するしか無い。
正一の年齢を加速する事は出来ないので、正一が動いた時、急激に加速させ、足を縺れさせる方法しか今の俊介には思い浮かばなかった。しかし、正一が動く事はなかった。
正一は拳銃を俊介に向けると、引き金を引く。
そこからどす黒い魔力が大量に放出され、宙に浮いている俊介に直撃する。宙に浮いている俊介に回避する事出来る訳も無い。




