第18話閃光きらめく時(フラッシュ・タイム)
正一が引き金を引くと、銃弾は地面へと直撃する。
正一が外した訳では無く、さっきまで居た筈の男が一瞬で居なくなっていたからだ。
「……転移魔法にしては、魔法陣が見えなかったな。恐らく、転移系統の能力、異能か」
正一の背後へと一瞬で移動を終えた金髪のその男は長野支部の防衛局特殊対策班の副リーダーを務め、チーム[閃光]のリーダーを務める冴木俊介である。
「新潟支部の黒き弾丸と呼ばれるお前だが、俺からしたらお前はまだまだと言えるな。ハンデをやる若造、俺の異能は閃光煌めく時は俺と俺の視界にある物の速度を加速させる異能だ」
「……それで、弾丸を避けたのか」
「そうだ。顔面に直撃した弾丸は、俺の速度を加速させ、自ら倒れ込んだんだ。お前の弾丸のスピードよりも、俺の異能による加速が上と証明された。無駄な事はするな」
俊介のその言葉等、聞くつもりも無い正一は引き金を引く。
「話を聞かない奴だ」
余裕な笑みを浮かべる俊介は顔を少し、避けるだけで弾丸をギリギリでかわす。
「理解出来たか?」
「何が?」
「俺の体感スピードが異能によって、強化され、早く動く事も、周りの景色はスローモーションに見える。そして、俺の視界に移る物の時間を加速する事も出来る」
「年齢は無理みたいだがな」
「……成る程、確かに老化させれば楽だな。最初にそれをしなかっただけで、見抜く事は大したものだ」
「簡単な事だ」
「だが、年齢が無理なだけで、それ以外は可能だ。覚えておけ」
正一は手にしていた拳銃以外にもう一つの拳銃を取り出す。
正一は何の躊躇いも無く、引き金を引く。
その拳銃からは実弾ではなく、どす黒い魔力が放出される。
「新潟支部の黒き弾丸の由縁となった弾丸か」
俊介は閃光煌めく時を利用して、自身の速度を極限まで高め、高速で移動すると、簡単に正一が放った一撃を軽々とかわした。
「どんな攻撃も当たらないと意味をなさないぞ」
「足元」
「……足元?」
正一の言葉の意味が理解出来ない俊介は正一の言葉の意味を考えるのを放棄して、高速で移動しようとしたその時、俊介の足元に激痛が走る。
「何だ?」
「言った筈だ。足元と」
正一は間髪入れずに、実弾が入っている弾丸を乱射する。
狙いを定める事なく、適当に撃つ正一に俊介は閃光煌めく時を発動させ、即座に移動する。
正一が撃った弾丸をかわした俊介は冷静で無駄の無い行動をしていた正一の行動を気にかけていた。
そんな時だった。俊介の両足に実弾が直撃する。




