仙人、混沌とした状況に悩む、一休み
「二人とも大丈夫か? どこか痛い所はないか?」
治療を終えたマサリアとパウラに将人は聞くがそっぽを向かれてしまう。何故そっぽを向かれたのか分からず困った様にエミリアとパウラを見る。エミリアは相変わらずの無表情、それに対しファテマはニヤニヤとエロ親父のように笑っていた。
「………何ですか、ファテマさん?」
「マサト君、本当にわかってない?」
「何がですか?」
ファテマが将人の顔をマジマジと見つめため息をつく。
「マサト君、鈍感すぎ。君さ、パウラとマサリアちゃんを助けた時、胸触ったでしょう」
言われて思い出す。二人に埋め込まれた『滅び』の石を破砕する際、確かに二人の胸を触っていた。その感触を思い出すと顔が赤くなる。
「マサトッ!!」
「お兄ちゃん………」
マサリアには怒鳴られるがパウラは何故か俯いていた。二人の態度の違いに疑問が浮かぶがマサリアが詰め寄ってきたため、疑問はひとまず置いておく。
「助けてくれたのは感謝するけど、そのためとは言え胸を触るのはどういう事よ。スケベ、ヘンタイ!!」
「人聞きの悪いこと言わないでくれ!! あれは言うなれば医療行為だよ!! あの状況で性欲が入る余地はなかったから!!」
「私の胸には何も感じないっって事! そうでしょうとも、触るならパウラの様なおっきいオッパイがいいでしょうよ。ヘンタイ、ヘンタイ、ヘンタァーイ!!」
パウラが恥ずかし気に将人に近づくと服の裾を掴む。
「………お兄ちゃん、私お兄ちゃんになら………触られてもいいけど、さすがに心の準備がいるんだよ」
(イヤ、君何回も抱き着いてるだろ。その度に胸を押し付けてくるくせして触られるとどうしてそんな反応になるの?)
自分の許容範囲を超えた二人の反応に困り果てた将人はまたも助けを求めて周りを見る。冷静沈着にみているエミリアに助けを求める。
「リアお嬢様まだ成長期です。今は少し残念ですがあと数年もすればパウラ様に匹敵するバストサイズになりますから………」
「エミ、何言ってんの、バカー!!」
マサリアがエミリアに駆け寄り口をふさぐ。エミリアが更に何かを言っているが口を押さえられている為よく分からない。ファテマが将人に近寄り首に手を回す。
「マサト君、こう言っちゃなんだけどパウラはかなりの優良物件よ。出るとこ出て引っ込むところは引っ込んででスタイルいいし。触って気持ちよかったでしょう。マサト君がパウラの恋人になったらもっといい事が出来るんだよ………」
「もっといい事………」
将人は思わず生唾を飲み込み両手をワキワキする。ハッとしてファテマから離れる。
「パウラちゃんのお姉さんとしてはいいんですか、そういう事言って?」
「パウラが満更でもなさそうだしね」
「お兄ちゃんが恋人………」
パウラはファテマが言った事を想像して顔がニヤケていた。
(アカン………誰かこの混沌とした状況何とかしてくれよ)
そんな事を考えているとアベルトが将人の右手を掴み、胸に手を持って行く。
「………アベルドさん、何やってんの?」
「マサト殿に胸を触られると恋人になれるようなので私もと思いまして」
将人は手を払いのけ後じさる。背筋に寒気が走り、鳥肌が立つ。
「わ、悪いけど俺そっちの趣味はないから………」
それを見ていた女性陣は冷ややかな表情でアベルドを見ていた。
「ウーン、冗談としては面白くないなあ………アベルド君」
ファテマは熱が冷めたかのように言う。
「アベルド、頭大丈夫?」
「アベルド君、男同士は恋人に慣れないんだよ」
「アベルド様、マサト様はリアお嬢さまのものです。手を出されては困ります!」
「俺は俺のものです………」
ひどい言われようだったがそのおかげて混沌とした状況が収まってくれた。気色が悪かったがこの状況を収めてくれたアベルドに感謝した。
(アベルド、グッジョブ!!)
将人は心の中でサムズアップし、アベルドから速足で離れる。近くにいるとアベルドの呟きが聞こえてしまうから………
「私の気持ちは冗談ではないのですが………」




