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仙人、異世界で無双する  作者: サマト
第三章 ラクレール村事件
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仙人、結界破りに挑戦する、『氣』を学ぶべきか悩む

将人たちはダドリーの屋敷を離れ、泊まっていた宿屋に戻り、まだ痛んでない食糧で食事を作り、食べながら情報交換を行う。


「結界は依然として発生中、思いつく限りの魔法をぶつけてみたけどビクともしない」


マサリアとアベルドが溜め息を付きながら食事をパクつく。


「結界は術者が死んだとしても効果が継続する事があるから厄介何だよね。マサト君の『氣』で破る事は出来ないかな」


ファテマが将人をスプーンで指しながら聞いてくる。


「俺の『氣』はそこまで万能じゃないんですがやる価値はあるかも。早くこの村から出ないとヤバい事になるかもしれませんしね」


「ヤバい事って?」


「俺、見たんです。ユニスが人の魂を食らうところを。今はダドリーとハイゼンの魂を食らって満腹状態ですが空腹になったら間違いなく俺たちを襲ってきます。俺ならまだ対抗出来ますが、みんなを守りながらというのは少しツラいです」


ファテマ達が将人の顔をじっと見る。あまりに凝視され自然と額に脂汗がにじみ出る。


「………何ですか?」


「マサト君本当に大丈夫か? 言っといて何だけど無理ならすることはないんだよ」


「だいぶ回復してますから大丈夫です。本当ですから」


「………分かったよ。じゃあご飯食べたらやってみようか」


それから30分後、将人はラクレール村唯一の出入り口である門の前にいた。村から逃げ出そうとしたのは昨日の事の筈なのに何日も前の事のように思える。それだけ壮絶な一日だったという事だろう。


「じゃあ、マサト君やってみて無理そうだったらすぐにやめるんだよ。無理は禁物だからね」


「お兄ちゃん、ファイト!!」


「マサト殿、ファイト!!」


「マサト、気張りなさい!!」


エミリアは何故かサムズアップしている。将人は「なんでやねん!!」と突っ込みたいのを我慢して『丹田』に『氣』を集中する。『氣』を全身に循環させ余剰の『氣』を生成するが生成速度が遅かった。体が復調していない為そちらの回復に『氣』を取られてるせいだった。更に時間をかけ結界を破れるくらいの『氣』を生成する。『氣』を意識で両掌に集める。両掌を合わせてから数センチ離す。間の空間に『氣』が集まり2、3センチの白色の玉となる。『小薬』の完成だった。野球のオーバースローで『小薬』を結界に投げつける。『小薬』と結界が反応し火花が飛び散る。『小薬』を中心に2、30センチぐらいの穴が開いたがそこまでが限界だった。『小薬』が消滅し結界が塞がってしまう。

必要以上に『氣』が消費され体に影響が出る。膝に力が入らずその場に手をつく。全身に氷を詰め込まれたかのように冷え込み、気が遠くなる。


「マサト君、大丈夫かい? だから言ったろ、無理はするなって!!」


「お兄ちゃん、死なないで!!」


「マサト、今治癒魔法かけるから」


「リアお嬢さま、私も………」


「ムァ~サァ~トォ~ドォ~ノォ~!!」


全員の声が着付けになって気を失わずに済んだ。


「パウラちゃん不吉な事言わない、アベルト、ウッサイ」


将人は二人に空手チョップを食らわせる。涙目になっている二人を尻目にファテマに結果を説明する。


「『氣』で結界を破る事は出来るんですが総量の差で負けてしまうみたいです」


「総量の差って?」


「結界を構成する魔力が膨大過ぎて俺の『氣』じゃ一瞬、結界に穴を開ける事が精一杯です」


「一瞬だけでも結界に穴をあける事が出来るんだから凄い。魔法じゃどうしようもなかったのに………私たちも『氣』について学ぶべきかもね」


「魔法が使えなくなるから学ぶなら覚悟が必要ですよ」


魔法が使えなくなる生活を考え全員が唸り声を上げる。魔法は戦闘だけではなく生活でも役に立つことが多い。特に火と水は生活必需魔法と言えるだろう。それを捨てるという事は生活能力の低下にも繋がってしまう。便利さを捨てるのは多大な覚悟が必要だった。


「『氣』を学ぶ事については後で考える事にしてこれからどうします?」


「それなんだけど………」


マサリアが不安げに言う。


「………ダドリーの屋敷を調べてみない」



























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