#番外編14:フラムがハーレムに加わる
午後。ラウンジ。
特に目的のない会話が続いている。
「最近、落ち着いてるな」
ノアが言う。
「問題がないのは良いことです」
セリアが静かに返す。
ロゼリアは紅茶を飲んでいる。
フラムはその横で待機。
マイケルがふと笑う。
「……ていうかさ」
全員が少しだけ視線を向ける。
「完全にハーレムだよな、これ」
沈黙。
「違う」
ノアが即答。
「否定します」
セリアも続く。
ロゼリアはカップを置く。
「何が?」
「この状況だよ」
マイケルが周囲を指す。
「中心にロゼリアがいて、その周りに俺ら」
「分類としてはそう見えるだろ?」
「見えない」
ノアが切る。
「見えます」
フラムが言う。
全員が一瞬止まる。
「……そうか?」
マイケルが笑う。
「構造的には一致しています」
フラムは淡々と続ける。
「中心人物と複数の関係者による集団」
「それをハーレムと定義する場合、該当します」
「しない」
ノアがもう一度言う。
「それは俗的な意味が強いので 」
セリアが説明を始める。
「感情的関係や恋愛的要素が 」
「必要条件ではありません」
フラムが被せる。
(強い)
ロゼリアは静かに聞いている。
「で」
短く言う。
「結局、何なの」
マイケルが肩をすくめる。
「まあ、雑に言えば」
「ロゼリア中心の集まりってことだな」
「それでいいじゃない」
あっさり。
全員が少し止まる。
「いいのか?」
ノアが聞く。
「事実でしょ」
「……否定はできないが」
セリアが小さく息を吐く。
「呼称としては不適切です」
「でも分かりやすい」
マイケルが笑う。
「ハーレム」
フラムが繰り返す。
「確認します」
「所属条件は何ですか?」
(来た)
ロゼリアは少し考える。
数秒。
そして。
「ここにいること」
シンプル。
フラムは即答。
「条件を満たしています」
(早い)
「いや待て」
ノアが手を上げる。
「そういう話じゃない」
「違うの?」
ロゼリアが首をかしげる。
「違う」
「定義上は成立します」
フラムは一歩も引かない。
「現時点で私はこの集団に継続的に所属しています」
「つまり」
小さく頷く。
「該当します」
マイケルが吹き出す。
「決まりだな」
「決まってない」
ノアが即否定。
セリアがこめかみを押さえる。
「論理的には破綻していませんが……」
(止められない)
ロゼリアはフラムを見る。
少しだけ観察して。
そして。
「じゃあ」
軽く言う。
「フラム、所属を認める」
沈黙。
ノアが固まる。
セリアも言葉を失う。
マイケルは笑いを堪えている。
フラムは迷わない。
「了解しました」
一礼。
それだけ。
(受け入れた)
数秒後。
ノアが口を開く。
「……おかしいだろ」
「どこが?」
ロゼリアは普通に聞き返す。
「全部だ」
「でも成立してる」
「してない」
「しています」
フラムが補強する。
(強すぎる)
セリアは小さく息を吐く。
「……呼称はともかく」
「構成員としての役割は既に確立しています」
(諦めた)
マイケルが楽しそうに言う。
「メンバー追加だな」
「だから違うって言ってるだろ」
でも。
誰も本気で止めない。
ロゼリアは紅茶を飲む。
いつも通り。
何も変わらないみたいに。
「問題ないでしょ」
その一言で。
全部がそのまま流れる。
フラムは静かに立っている。
いつもと同じ位置。
でも。
ほんのわずかに。
(所属、確認済み)
そんな認識だけが、内部で更新されていた。
誰も訂正しない。
だから。
それはもう、確定だった。
友人の勧めで、近いうちに「ソードアート・オンライン 」を見始めたいと思っています。私は彼に「ヘルシング アルティメット」を勧めました。




