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番外編 13:手に負えない馬車

街道。天気は良好。


問題なし のはずだった。


「順調だな」


ノアが手綱を軽く引く。


馬の足取りも安定。


ロゼリアは窓の外を見る。


セリアは資料を開いている。


フラムは静かに座っている。


マイケルは


「退屈だな」


(言うと思った)


その直後。


馬が、びくっと跳ねた。


「……ん?」


ノアが反応する。


次の瞬間。


ガタンッ!


馬車が大きく揺れる。


「何?」


ロゼリアが体勢を崩しかける。


「待て、これ」


ノアが手綱を引く。


でも。


反応が違う。


馬が加速する。


「止まれ!」


止まらない。


「え、ちょっと」


セリアが窓を掴む。


揺れが強くなる。


ガタガタガタガタ。


明らかに速度が上がっている。


「暴走してるな」


マイケルが楽しそうに言う。


「楽しそうに言わないで」


ロゼリアが睨む。


ノアが必死に手綱を引く。


「効かない!」


「原因は?」


セリアが聞く。


「分からん!」


フラムが静かに口を開く。


「馬の恐怖反応です」


「見れば分かる!」


木が迫る。


「右!」


ロゼリアが叫ぶ。


ノアが強引に引く。


ギリギリで回避。


車体が大きく傾く。


「落ちる!」


セリアが叫ぶ。


フラムが即座に支える。


「安定維持」


(頼れる)


でも。


次の障害物。


石。


大きい。


「今度は無理だぞ!」


ノアが叫ぶ。


ロゼリアが立ち上がる。


揺れの中で。


バランスを取る。


「ロゼリア様、危険です」


「知ってる」


短く返す。


前を見る。


速度。


距離。


タイミング。


(止めるしかない)


「開けて」


「何をする気だ」


「止める」


「無理だ!」


「やる」


即答。


マイケルが笑う。


「いいね、それ」


「止めなさい」


セリアが言う。


でも。


もう遅い。


ロゼリアは扉を開ける。


風が一気に入る。


「……はあ」


一呼吸。


そして。


飛ぶ。


「おい!?」


ノアの声。


ロゼリアは地面に着地。


転がる。


衝撃を流す。


すぐに立つ。


そのまま走る。


馬車の横へ。


(速い)


でも追いつく。


馬の横に並ぶ。


手を伸ばす。


「止まりなさい」


届かない。


もう一歩。


踏み込む。


手綱を掴む。


強く引く。


馬がさらに暴れる。


「っ……!」


そのまま引きずられる。


でも離さない。


足で踏ん張る。


地面が削れる。


「ロゼリア様!」


フラムの声。


ノアも手綱を引いている。


内と外。


同時。


馬が混乱する。


「今!」


ロゼリアが叫ぶ。


ノアが全力で引く。


フラムが馬車のバランスを固定。


セリアが内部を支える。


マイケルは


「おお、すげえな」


(後で殴る)


数秒。


長い数秒。


そして


馬の動きが、鈍る。


速度が落ちる。


さらに。


止まる。


完全に。


静止。


沈黙。


風の音だけが戻る。


ロゼリアは手を離す。


その場に軽く息を吐く。


「……止まった」


ノアがゆっくり降りる。


「お前な……」


呆れた顔。


でも少し安心している。


セリアが外に出る。


「ご無事で」


「問題ない」


フラムも降りる。


「損傷確認します」


馬車を見る。


側面、傷。


車輪、少し歪み。


「軽度の損傷です」


「軽度か?」


ノアが突っ込む。


マイケルが降りてくる。


「いやー、楽しかったな」


全員が思う。


(こいつ)


ロゼリアは軽く服を払う。


少し汚れている。


でも気にしない。


馬を見る。


もう落ち着いている。


「……原因は?」


セリアが聞く。


フラムが答える。


「外部刺激の可能性が高いです」


マイケルが視線を逸らす。


(怪しい)


ロゼリアは何も言わない。


ただ一言。


「止まったわね」


ノアが即返す。


「壊れたけどな」


ロゼリアは肩をすくめる。


「問題ないでしょ」


全員が沈黙する。


問題はある。


かなりある。


でも。


とりあえず。


生きている。


それだけで、十分だった。


「上伊那ぼたん、酔へる姿は百合の花」と「スノーボールアース」はどちらも楽しいアニメで、単純に「上伊那ぼたん」が 10 点中 7.3、「スノーボールアース」が 10 点中 7.4 です。



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