番外編15:永遠混乱
午前。特に問題なし。
静か。
平和。
のはずだった。
「……ん?」
ノアが天井を見る。
きし、と音。
「今の何?」
ロゼリアが顔を上げる。
その瞬間。
パキッ。
小さなひび。
「待って、それ....」
セリアが言いかける。
バキン。
木材が一部落ちる。
「危なっ」
ノアが避ける。
同時。
キッチンから煙。
「火が強すぎます!」
セリアが振り向く。
「え、そんなはず」
鍋が焦げている。
「誰だ火を上げたのは!」
「俺じゃない」
マイケルが即答。
(絶対こいつ)
さらに。
パリン。
窓の外で何か割れる音。
フラムが即座に反応。
「外部異常を検知」
「多すぎるでしょ」
ロゼリアが呟く。
まだ終わらない。
ガタンッ!
別の部屋で物音。
「何今!?」
セリアが叫ぶ。
「確認する」
ノアが走る。
同時に。
「ちょっとこれ止まらないんだけど!」
マイケルの声。
振り向くと。
床の上で何かが高速回転している。
小さな魔道具。
暴走。
「なんでそれ動いてるの」
「知らない」
「止めなさい」
「無理だって!」
フラムが近づく。
「解析開始」
触れる。
バチッ!
「……」
一瞬だけ止まる。
「問題ありません」
(ある)
次の瞬間。
再加速。
「問題あるでしょ!」
ロゼリアが突っ込む。
外からノアの声。
「こっちもだ!」
「何が!」
「分からんが動いてる!」
(何が)
セリアが鍋を止める。
「火は抑えました!」
でも煙は残る。
目が痛い。
マイケルがまだ格闘している。
「これ速くなってる!」
フラムが冷静に言う。
「回転数、上昇しています」
「見れば分かる!」
ロゼリアは一歩引く。
全体を見る。
・天井一部破損
・キッチン煙
・魔道具暴走
・外でも異常
(……何これ)
その時。
ドンッ!!
外から衝撃音。
ノアが戻ってくる。
「樽が転がってきた!」
「なんで?!」
「知らん!」
さらに。
ガラガラガラ。
本棚が揺れる。
「ちょっと待って全部同時に来ないで」
セリアが限界に近い。
マイケルが叫ぶ。
「もう無理だこれ!」
フラムが言う。
「優先順位を決定します」
「全部だよ!」
ロゼリアは動かない。
ただ見る。
全部。
同時に。
完璧に。
バラバラ。
(……カオスね)
次の瞬間。
魔道具が跳ねる。
マイケルに当たる。
「痛っ!」
その反動で止まる。
静止。
同時に。
煙が落ち着く。
天井の破片もそれ以上落ちない。
外の音も止む。
本棚も止まる。
沈黙。
完全な。
数秒。
誰も動かない。
「……」
ノアがゆっくり周囲を見る。
セリアが息を整える。
マイケルは床に座っている。
フラムは直立。
ロゼリアはそのまま。
静か。
「……終わった?」
ロゼリアが言う。
ノアが答える。
「多分な」
マイケルが苦笑する。
「なんだったんだ今の」
フラムが即答。
「複数要因による同時異常です」
「雑だな説明」
セリアが小さくため息をつく。
「被害は軽微です」
ノアが周囲を見る。
「軽微か?」
ロゼリアは肩をすくめる。
「全部止まったし」
確かに。
それ以上は何も起きない。
静か。
さっきまでが嘘みたいに。
少しだけ間があって。
ロゼリアがぽつりと言う。
「……もう一回は嫌ね」
全員、無言で同意した。
次の章にはメッセージが込められています。それは何か新しいことに関する警告です…。
ええと、「ウマ娘 プリティーダービー」は良いですよ。第3シーズンまでほぼ見終わりました(風邪をひいていたので、見るのを怠けていましたが、はは!)。




