第135話 『星』となりしもの
果てしなき宇宙───
星々のひしめく、とある一点。
『太陽』と呼ばれることになる星の庇護のもとに、
『月』と呼ばれるものと共に
その限られた空隙をめぐる『地球』という星。
一つの結論として、
この表面に集うものたちは、
自ら二つの世界に分かれていったのです。
この表面を美しく、楽しく、和やかに飾ってくれそうな世界と、
どんな飾り方をしてくれるのか、予測もつかなさそうな世界に。
この表面のあちこちに、いくつかの違った世界が生まれ始めたときから、
それぞれがどうなっていくのかを見守っていました。
ある一方はある一方に取り込まれ、
ある一方は自ら滅んだ・・・
そして、それらを繰り返すうち、いつしか、思いもかけぬことに、
『月』が自身の表面に集い、飾るものたちを、
思うがままにしたいがために、
この表面を利用し始めたのです。
『地の星』は、それをも見守りながら、
平和なものたちを、できる限り、
庇護してきました。
棲むものたちに、わからないように。
しかし───
ここにどんな世界を築くかは、選択したものたち次第なのです。
庇護が間に合わなくなることもあるかも知れません。
彼らに何かを伝えるとすれば、
本当に、自然環境を動かすこと、ぐらいしかないのです。
それで、理解してもらえるのかどうかは・・・
それも、彼ら次第なのです。
『地の星』は、見守り続けました。
幾星霜も太陽周回を重ねる間、地上のものたちに汚され、傷めつけられながらも・・・。
やはり、彼らは『戦い、奪い合うこと』を望んだのです。
自然の中に送り続けたメッセージを読み解こうとすることもなく、
それらを抑え込み、超えてきた・・・
同じ地上に住むものたちでありながら、強いものは弱いものを駆逐し続ける・・・
平和なものたちはどこへ行ったのか・・・
今、彼らは、ほんの一握りのものたちながら、『地の星の体』を持ったまま、
『地の星』を飛び立とうとしています。
数多くの失敗を繰り返してまでも。
それでも、自ら選択した『星』を出て行こうとしているのです。
自ら建造した『船』に乗って。
一体、彼らは何を目指しているのか・・・?
しかし、『地の星の人』そのままで暮らせる星など、彼らの船で行ける所にはないのです。
他の星で生きるには、この地の星の環境を持ち込むしかない。
たとえ、そこで暮らしたとしても、持ち込んだ環境の下でしか生きられない以上、
その星で生きているなどとはとても言えない。
持ち込まれた星にとっては、
他の星のものはその星の環境を汚染し、変質させるものでしかない。
その星が、そうありたくて創った環境なのだから。
どうして、よその、地の星の住人にそんなことをされねばならないのか・・・
どうして、地の星の暮らしだけで満足できないのか・・・
どうして、魂たちは、『体』を持つと、そうなってしまうのか・・・
私は、そんな世界を見るために、
星となってこの地上を彼らに提供したのではない・・・
私は・・・
この地上だけでは飽き足らず、
到底その『体』では生きられない宇宙にまで侵略して行こうとするこの地上の魂たちに、
どんな『罰』を与えなければならないのだろうか・・・?
与えた方がいいのだろうか・・・?
宇宙は、魂たちの領域。
星を選択し、そこで『生命』を得たものたちとは無関係の領域。
まさに、領域を侵すことに他ならない。
今は、もう何も言わなくなってしまった『月』の思いが、
今になって地核に響く。
結局、『月』と同じようなことをしようとしているのだ。
『月』には、この地上があった。
しかし、私には、何もない。
彼らに、逃げ道はない・・・
・・・・ 星の戯れ 竹取物語変化 完 ・・・・
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