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叫喚地獄(1)

 気が付くと、背中がフカフカとしていた。

 これは――布団だ。俺は布団の上に寝転がっているのか。


 薄暗い部屋。カーテンの向こうは暗く、街灯の灯りがほんのりと室内を照らしている。


 しかし――猫が居ない。

「風呂に入って布団って…耐えられるわけが…な…」

 俺は這うように布団へ潜り込むと、目を閉じた。

意識が吸い込まれるように落ち――


どふっ


「う゛っ」

何かが鳩尾に落ちてきた。それはぷにっとした四つ足で俺の腹の上に着地すると『苦しゅうない』と言わんばかりにスタスタと歩き去っていった。

「やっぱりここでもか…」

猫ちゃんは大好きだがさすがに寝る時だけは勘弁してほしい……

仰向けは危険だ。俺は横を向き、もう一度眠りに――


ドドドドドドドッドドドド


どふっ


「おぅぐっ」

俺を踏み台にした?……脇腹は反則……


まだ鳩尾を踏まれた方がマシと判断し、俺は布団の中で仰向けになった。

…何も来ない…今度こそようやく――


のしっ のしっ


そろりそろりと胸を踏んでくるプニっとした感触。このくらいなら問題ない。

そして猫ちゃんは俺の胸の上でこちらにおケツを向け座ってくつろぎ始めた

これはむしろ幸せに眠れそうだ――


そう思っていたのだが、胸の傾斜と猫ちゃんの重さで、布団ごと猫ちゃんのおケツがずるりずるりとこちらに下がってくる。

ヤバい。このままでは――


もふっ


「ぐぅえっ…ちょ…喉…喉は勘弁…」

猫のおケツが俺の喉に乗っかった。そして地味におケツが臭い。

「しかもト、トイレ帰りか……」

死後の世界でまた死ぬのは勘弁願いたい。布団から両手を出し、そっと猫ちゃんのお尻を持ち上げる。

理解してくれたのか猫ちゃんはスッと立ち上がると、そのまま真っ直ぐ腹の上を通り――

「うぐっ!…」

股間を踏ん付けると布団から降りてくれた。


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