★ロボットの世界★
「さてと、やっぱりこの体じゃ長くいられそうもないわね。」そういってささのからだから赤い髪と黒い瞳はきえ、ささは何事もなかったかのようにパソコンパソコンとつぶやきながら寝ていた。いつの間にか誰かの体に乗り換えていたデビルは寝ているささの前に立った。「やっぱりこの体はもう私の体と言ってもいいぐらいなじんでいる。もっと闇の力が高まれば、この体は私の者になる。さて、今日も始めましょうか。」そういってデビルは一歩ずつ、ささに近づきながら、魔方陣を空中にかいていった。「さささん、あなたはロボットをつくりたいのよね。自分のプログラムで。私が手伝ってあげるわ。」そうするとデビルは悪魔法をかけ始めた。
【光よ!闇よ!才能あふれるこのものに、悪の力をあたえよ!】
「幸せと絶望力を思い知るがいいわ。」
朝がやってきた。ささ以外全員テントの手前の芝生の上で寝ていた。そして、朝日がのぼるころ、ルナたちはゆっくりまぶたを開けた。
「うう、・・・・・?」一番先におきたゆかは、信じられない光景に目をうたがった。「これは、今までとはわけがちがうわね。」さえもいつの間にかおきていた。「一体どうなっているの?」ルナは深呼吸をしながら言った。気付くと、全員起きていた。
ルナたちがみたものとは、信じられない世界だった。鳥や動物、そして人間までもが、ロボット姿になっていた。地面も空も、すべてがロボットの世界になったみたいに。人々は、自分がロボットで当然だと思うように動いていた。「うそ・・・。」ルナは震えが止まらなかった。自分の姿も、ゆかたちの姿もロボットになっていることの恐怖で。「もしかして、ささに悪魔法を!」みみとななは同時に鉄テントの中に突っ走る。「ミミ、ナな!ナンてかワいいスガたなノ!」ロボットささはうれしそうにほほえむ。ロボットささはぎこちなく動いてこう言った。「ワタシはロボットのセカイをツクるの。」「まってよ!ささ、こんなのまちがってるよ!」「そうだわ!ささはそんなこと望んでないんじゃないの?」「あレれ、コワれたロボットガイるミタイね。シュウりしてアゲル。」みみとななの足は、床にしっかり固定されてしまったようで、全く動かない。「何するつもりなの?」みみはささをにらみつけるように言った。「プログラムシナオスノヨ。」「プログラムって・・・。」ナナは泣きそうだった。でも、ロボット姿なので泣けない。
ささは、みみたちの胸のところにあるコンセントをパソコンにつなぎ、キボードを打ち始めた。「ヤメテ!」「ワタシタチ、ドウナル・・・ノ?」みみとななの口調はロボットのような棒読みの話し方になっていた。「シンユウデショ。ダッタラワタシノネガイヲカナエテ。」ささは、打ち終わった後、コンセントをぬいて、固まった足を解放させた。「ワタシノネガイヲカナエテクレル?」みみとななは今までの表情はなく、なにも考えていないようにささに同時に答えた。「ハイ・・・。」「アリガトウ。フタリトモ、ルナタチヲ、ツレテキテ。」そうささが言うと、みみとななは動き出した。
「みみ、なな!どうだった?」ルナは慎重に聞くが、「ササノタメニミンナロボット・・・。ミンナカンジョウヲワスレテ。」「みみ、なな!」ゆかはさけぶが、みみたちはゆかを持ち上げると、テントの中へ・・・。そしてさえも、ルナも、テントの中にいれられた。「ささ・・。」ルナはどうしていいのかわからなかった。「ミンナ、コワレテル。イマスグシュウリシナイトダメネ。」ささは、足が固定されて動かなくなったルナたちのコンセントをつないだ。そして、パソコンを打ち始めた。「まって!」ルナはささに今までにないほど大声で言った。「ナニ?」「ささは、ロボットの世界なんて望んでないでしょ!」続いてゆかも言った。「ささの夢は何?」そしてさえが強く言った。「人とふれあうやさしいロボットを自分の力で作るんじゃなかったの!?」「ソレハチガウ。ワタシノノゾミハセカイヲロボットニスルコト。」ささは再び打ち始めた。「シンユウがジブんのイイナりニなっテササはウレしいの?」ルナはささに思いが届くように強く言った。「コンナノささじゃナイ。ワタシノシンユウはどこイッタノ・・・。」ゆかは泣きたかった。でも、涙すらでなかった。「オモイダして。ささ、シンユウってジブンノオモイドオリニなればシンユウナの?」さえは半分ロボットの心になりながらも、話した。すると、ささの手がとまった。「シンユウ、ワタシノキモチッテ?」ささはとまどうように親友という言葉を繰り返し言っていた。「ワタシタチがカンぜんにロボットにナラナカッタノハ、ささがワタシタチノことを、親友ダッテオモッタからなんじゃない?」ルナは、ささをみて、力一杯話した。「ワタシ、マチガッテタ。ロボットってコンなことのタメに使いたくなかった。なのに、私、みんなにひどいことを・・・。」ささは一粒、涙を流した。するとだんだん人間姿に戻っていくのだった。さえとゆかは、目を閉じ、再びあけた。同時に空中に魔方陣をかきながら、呪文をとなえた。
【解除、解除、解除、解除、解除、世界をもとに戻せ!】
金色の光が世界を包むように降りかかる。すると、人々が元の姿に戻った。ルナたちも、みみたちも。
「みんな、ごめんなさい。私、大切なことを忘れていた。親友って大切なんだってこと。自分のためにロボットを作ってもだれも楽しくないこと。すべて。これからは、パソコンばっかりじゃなくて、みんなとおしゃべりもしたいな。」ささは今までに無いほどの笑顔を見せた。ささの上から、きれいな空色のクリスタルがゆっくり降りてきた。それはささ自らがとった。「それはスカイブルークリスタル。」ルナは自然に名前がうかびあがるのを気にもせず。ただ、ささがにっこり笑ってクリスタルをみているのがうれしかった。「これは、私が大切にしておく。何かあったら大変だから。」ささはうれしそうにリュックにクリスタルを入れた。
『私のちからもここまでになるとは・・・ね。今日はほんとに楽しかったわ・・フフフ。』
「デビル!」ルナは心配でたまらなかった。これからどんなことが起きるのか・・・




