★闇の光と星の光★
「それにしても・・・変ね。」ささがそうつぶやいたときには、もう夕方になっていた。「ルナ、本当にデビルの気配、しなかった?」ゆかはルナに確かめるように聞いた。「うん。デビルも、私が声が聞こえるってわかっていれば、何か言うはずだし。それに、デビルが来ると見えない黒い霧のようなものを感じるから。」「だったら、まだ力の弱い悪魔がパソコンにとりついたとかかしら?」さえはじっとパソコンを見つめていたが自分の言葉に恐怖を感じて、目をそらした。「ささ、今日はとりあえずパソコンをやるのをやめよう。」「え?みみ、何言ってるの?私にとってコンピューターは命っていったでしょ。」「でも、ささが危ない目にあったらいけない。」「ななまで・・・。」ささはパソコンをリュックに悲しげにしまった。
『これでよし。ありがとう。私の子悪魔たち。これで彼女の心は悲しみに包まれていく。』
「デビル!?」ルナは一瞬、デビルの気配を感じたが、すぐに気配は消えてしまった。「やっぱり、デビルが関わっていたみたいね。」さえはルナに真剣なまなざしで話した。
「さっきからささ、あのちょうしだけど大丈夫?」ルナは少し心配だった。ささがテントから一歩も出ずにずっと寝込んでいた。そして、なにやらつぶやいている。「パソコン、パソコン・・パソコン・・・パソコンパソコン・・・・パソコン・・・」「ちょっと、あれ、異常じゃない?」ゆかも心配そうに見ていた。「コンピューター依存症ね・・。大丈夫かしら?」さえも顔がひきつっていた。
辺りを見回すと、すっかり夜になっていた。「もう10時ね。そろそろ準備よ!」さえは小さな声で言った。「さ、ささは?」ルナはずっと同じ言葉を繰り返し言っているささにすこしひいたが、「このままにしておきましょう。ささはもう寝ているわ。起こさないようにしておきましょう。」まさか、繰り返し言っていたことが、寝言だとは思っていなかった。
デビルがとりついている子の正体を知るため、ルナたちは、キャンプ場のまわりをまわることにした。「みんな、準備はいい?」ルナのささやき声に全員がうなずいた。ささは寝ているが。時刻は午前2時。「いくよ。」ルナは誰も起こさないように静かに歩いた。今のところデビルの気配はしない。キャンプ場は静まりかえっていた。ささの声が聞こえる以外は・・・。
『ようやくきたみたいね。まだ私のとりついている者は教えられないわ。ようやく魔力の強い子と出会えたのだもの。まだあなたたちには眠っていてもらわないと。フフ。』
「デビル!一体だれにとりつくつもりなの!?」ルナは誰も起こさないように声を出した。「いるんだね?」「姿を現しなさい!」ゆかもさえも夜空を見上げてデビルに話しかけるように言った。
『悪魔に姿なんてないわ。だから人間の力が必要なのよ。普通に考えてわかるでしょう?』
ルナはデビルの言ったことを二人に伝えた後、月に向かっていった。姿が見えないので。「今日も何かするつもりなの?言っておくけど、私たち、教えてくれるまで寝ないから!」
『わかってないのね。私には悪魔法があるの。人間の力をかりれば悪魔法なんて簡単よ。今寝ているあの子の体を今日はかりようかしら。魔力はあの子よりは弱いけれど・・・。』
「大変!ささにとりつこうとしている!?」ルナは急いでささの寝ているテントに駆け寄った。「私たちも追うよ!」ゆかが続いて走った。全員走り始める頃にはもう、遅かった。
「やっぱり、この体では動きづらいわね。まあ、魔法はぎりぎりつかえるわね。」デビルが体をかりたささは、全くの別人だった。声はささそのものなのに、瞳の色は真っ黒にそまり、髪の色は赤くなっていた。
「さ、催眠魔法をかけてあげるわ。」デビルはすでに真っ黒な魔方陣を空中にかいていた。「あれはデビルスターよ!」その魔方陣はゆかのスター魔法である五芒星ではなく、逆五芒星でかかれた魔法陣だった。「そうはさせない。」ゆかもスター魔法の準備として金色の魔方陣をかきはじめた。。
【バリア、バリア、バリア、バリア、バリア、私たちを守って!】
【光よ!闇よ!この者らにやすらかな眠りを与えよ!】
闇色の光と金色の光が、テントの前で光り出す。「うう・・む・・り・。もうだめ・・・。」ゆかの力がよわくなり始めた。
「あなたには闇を打ち消す光などないでしょう。私にはわかるわ。そんな力では私を倒すことなどできない。私に勝つのは不可能よ!」
一気に闇の光がルナたちに覆いかぶさる。「何・・。この眠気・・。」ルナは、目覚めることができなくなるのではないかと思った。眠気がルナたちを襲った。
「まだ私の力は完全ではないと言ったはずでしょう。まだ戦いたくはないのよ。もうすぐで強力な力が手に入る。もう、だれも止められないわ。フフフ・・。」




