★絶望を生み出す悪魔★
暗く冷たい夜が去り、朝がやってきた。「ああ、よく寝た。」ゆかは一番先に目覚めた。「みんな寝てるのか。じゃあ、バーベキューの用意しておこっと。」少しして、ルナも起きてきた。「う~ん、よく寝た。あれ?ゆか?」「うん。バーベキューの用意だよ。」「じゃあ、私も手伝うよ。」いつもと変わらない。普通の一日。「なんか、気配を感じない?」ルナは小声でゆかに話しかける。「なんの?」「なんというか、悪い気配。」「気のせいじゃないかな?」「だったらいいけど・・。」
2人の準備が終わったころ、みらいが起きてきた。「ふぁぁ。よく寝た!」元気に立ち上がるが、ゆかをみて不思議な様子。「みらい、おはよう今、ゆかとバーベキューの用意をしてたんだよ。一緒に食べない?」ルナはみらいをさそいだす。「うん。ゆかさんですか?はじめまして。」みらいの不思議な言葉に、ゆかはかんかんだ。「みらい!ふざけないでよね!はやく肉もらいにいくよ!」ゆかが引っ張るが、「え?私、ふざけてないよ。・・どこかであったっけ?」「ああ、もう!いいから。ルナ、いこ!」「待って!」ゆかがルナの手を引っ張るが、ルナは止めた。「さえ!起きて!」ルナが起こすと、さえはゆっくり起き上がった。「何?ルナ。」「ゆかって・・・・。知ってる?」「え?だれ?その子?ルナの新しい友達?」さえの瞳はまったく嘘をついている目ではなかった。「みみ、ささ、なな!起きて!」ルナは必死に起こす。「ゆか、のこと、わかるよね?」「え?だれ?」「聞いたことないけど。」「ごめん。わからないよ。」3姉妹はいっせいにそう答えた。「まさか・・・。」ルナの察した気配は当たっていた。その様子をゆかは静かに見ていた。「ねえ、さえの・・。親友って?」ルナはおそるおそるさえに聞く。「えっと、ルナとみらいかな!」「ゆかは?」「会ったこともないのにわからないわ。」ゆかはショックでたまらない。「ねえ!さえ、私のことわからないの!?」ゆかが涙目で聞くが、「あなたがゆかちゃん?はじめまして!」「うそ・・。」ゆかはこれ以上声が出なかった。「みんなゆかの記憶だけ失ってる。それだけじゃない。みらいとも親友にいつのまにかなってる。昨日あったばかりなのに。これは確実に悪魔法。でも、なんで私だけ。」「ルナは私のことわかるよね?」「もちろん。でも、一体、どうすれば。」
「みらい。今日はなにする?」「んじゃ!散歩しよ!」「いいわね。」さえとみらいは手をつないで散歩へでかける。「待って!さえ!みらい!」どうして?こんなに胸が痛くなることなんてなかったのに。「ゆか!解除魔法を!」ルナにいわれてやっと気がついた。これは悪魔法の影響だと。このまま自分がみんなに忘れ去られたままいきていけない。解除魔法をかけようとするが・・。
「う・・・。痛っ!」魔力を感じない。「どうして?私、魔力なんてキャンプ来てから一度も使ってないはず。」わからない。原因が。
『これでゆかさん、あなたもおしまいね。』
「また妙な声」ルナは感じるが目に見えない少女の声に違和感をもった。「まさか、悪魔!?」
『あら?私の声が聞こえるなんて・・・。ええ、そうよ。私はデビル。近いうちにあなたたちを苦しめてあげる。今日はそのお試し。ふふふ。』
「どこにいるの!?」
『えぇ?悪魔は目に見えないのよ。知らなかった?』
「じゃあ、どうやって悪魔法を・・・。」
『そんなこと、あなたが一番わかるでしょ。言っておくけど。私はあなたにとりついた悪魔よ。あのときは少し気を抜いてたわ。私の魔力はどんどん強まっていく。『私はあなたたちを必ず倒すわ。』
「私にとりついた悪魔・・・。強まっていくってどういうこと?また誰かにとりついて・・・。」
「さえ!みらい!私のこと思い出して!」ふと気がつくと、ゆかが2人の手をつないだてを捕まえ、必死で声を出していた。「うるさいのよ!離して!」「あなたのことはしらないわ。ごめんなさい。」2人に手をはらわれ、ゆかは絶望に満ちていた。
まるで、あの誰とでもなかよくなれるみらいじゃないみたい。
まるで、あのいつもやさしいさえじゃないみたい。
『絶望は悪魔の源・・よ。』
そういって、デビルは去っていった、気がした。
姿は見えないが、どこかで必ず戦うことになる。ルナはそう確信した。今は目の前のことをなんとかしないと。




