★元気がとりえ みらい★
「あの・・・。婚約の件なのですが・・・。私は、その、お姫様なんて無理なんです。自分らしさを忘れたくないんです。だから、だから・・・。」
ききらはさえのお母さんに小さな声で話していた。自分はお嬢様のようなキャラじゃないと・・・。
「いいのよ。婚約者なんてあの子には早かったかもしれないわ。でも、なにもお姫様になれなんて私はいってないわ。気にしなくていいのよ。」
「はい。ありがとうございます。私は、ゆっくりと自分の相手を探します。」
「みんなも、いつでも遊びに来てね。」
ルナたちはさえの車にのって大きな城のような家にさらばし、少しはしったところでききらにもお別れをした。
「じゃあ、私はこれで・・・。」
「また会おうね!」
ききらはさえの大きな声に元気をもらって、去っていくのだった。
「あ~あ。最近キャンプ来てから変だよね・・。」
「やっぱり、ゆかもそう思う?私も思うの。ルナは?」
「もちろん、みんな同じ気持ち。」
ルナたちは、車の中で考えていた。最近、キャンプに来てから私たちの周りの子がみんな、悪魔法にかかっている。いったい、どうしてだろう。
車から降りて少し遊園地あたりに来た。
「ここって遊園地もあったの!?」
「もちろん、私が遊園地に行きたいって行ったら。親がすぐつくっちゃって・・・。観覧車からのながめが最高!私はタダだから、みんなも私と一緒ならタダだと思うよ。」
「わあ!やったーー!」
「みみ、張り切りすぎ・・。」
ルナは口をぽかんとあけながらみみにあきれていた・・。
観覧車の前についたルナたちは、ふと、ささの足が止まっているのに気がついた。「き、き、こここ、私、高所恐怖症・・。なの。それじゃ・・バイバイ!!」
さっさとそのへんのベンチに向かったささ。
「高いところが怖いって、私だったらありえないな。」
普通にバンジージャンプが出来るようなゆかには、観覧車は楽しくてしょうがない。
「さ、乗りま―。」
さえが言いかけたとき、
「まってまって!さえさまー!」
いきなりお団子ヘアの子が走ってきた・・・。
「え?えっと・・あなたは?」
「私の名はみらい!よろしく!ついでにゆっとくけど、私、それの双子の妹だから!」
みらいはゆかに指を指した。
「それとは何よ!!」
「え?ゆかって妹いたの?」
「あれ?言ってなかったっけ?」
さえの驚き顔に驚くゆかに、さえはまたまた驚く。
「そんなの聞いたこともないよ!」
「ま、私は観覧車に乗りたいな~って思ったんだよね。すると、そこに『これ』とさえ様がいたってわけ。」
やけにゆかをこれ、と強調するが。
「私はよく様とか呼ばれるけど、実際、たいしたことないただの一般人よ。呼び捨てでいいわ。」
お城のような家、というかお城に住んでいるさえは、よく『さえ様』と言われることが多い。
「じゃあ・・。さえ!よろしっくー!」
かなり切り替えが早い。
「それでお願いがあるんだけどさ!その、観覧車に一緒に乗せてもらえない?」
「いいよ~。さえ、こんなの乗せなく・・。」
「いいわ。さっそく乗りましょう!」
ゆかの話なんかまったく聞こうとしない。
「あの、私の存在感、あるのかな・・。」
この物語の主人公のはずのルナが・・。まったく話にはいっていけない。
「え?乗せてくれるの!?ありがと!」
「じゃあ、さっそく乗りましょう。」
観覧車の中から見る景色はそれはそれは美しいこと。
「すごい!公園の全部が見渡せる!」
ゆかが観覧車の中で響くような声を張り上げた。その声に、ルナの体はピクッと・・。
「この観覧車はとびっきり大きくしてもらったのよ。」
「すごい!さえってホンットお金持ちだね!!」
みらいの声にまたまたルナの体はピクッと動いた。
「そんなことないわ。世界のお金持ちと比べれば、貧乏な方よ。」
「世界のお金持ちと比べられるぐらいお金持ちなんでしょ・・。」
ルナはようやく話に入ることが出来た。




