7/24
第7話 千尋の独白
今日も、かわいかったな。
私のあとをつけてきて、バレないように必死になって。
……まあ、バレバレなんだけどね。
そんなところもかわいいな。
揶揄った時の反応も、本当によかった。
視線を彷徨わせたり、俯いたりして全然こっちを見れないところ。
声が震えて、言葉を詰まらせて、一生懸命喋ってるところ。
誤解だって知った時の、呆気にとられた表情。
その後、理解して感情が溢れ出た顔。
怒りで体を震わせてたり、悔しさでムキになってたり。
──本当にかわいかった。
でも……。
振られちゃったな。
幼馴染としか見れない、か。
そうか……。
誤魔化したことは、バレてなさそうだ。
断るための方便って信じてくれた。
信じてくれて、本当によかった。
問い詰められなくて、よかった……。
もし返事が違ったら。
今も隣にいてくれるのだろうか。
部屋で。
隣に。
…………。
やめておこう。
こんなこと考えても、意味はない。
現実を見ろ。
もうすぐ、一学期が終わる。
夏休みが目前に迫る。
学校がなくなり、暇な時間が増える。
攻めるには絶好のタイミングだ。
幼馴染としか見れない、なんて。
いつまで、そう言っていられるかな。




