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第18話 唯恋の独白
言えなかった。
好きじゃないって。
答えを出したはずなのに、どうしても口から出てこなかった。
なんでこんなことになったんだろう……。
考えさせてほしいって言った後の、千尋の顔。
瞳を揺らして、顔を伏せて。
顔を上げたら、軽く笑って。
言葉を受け止めてくれた、あの表情。
言いたいことはあるはずなのに、それを飲み込んで、取り繕った顔。
笑顔がぎこちなかったり、言葉に覇気がなかったり。
──本当に申し訳ない。
なんで……。
揺れたのかな。
千尋と付き合う、とか。
そんなの……。
ぐちゃぐちゃな気持ちは、バレてないといいな。
あの場で答えを出せなかった。
出させられなくて、本当によかった。
問い詰められなくて、よかった……。
もし返事をしていたら。
あの後、どうなっていたんだろうか。
泣くのか。
取り繕うのか。
…………。
やめておこう。
できなかったことを考えても、意味はない。
先のことを考えなくちゃ。
もうすぐ、夏休みが終わる。
二学期は目前だ。
学校が始まって、千尋と顔を合わせる時間が増える。
逃げることはできないんだ。
私のことが好き、って
いつから、そう思ってたのかな。




