伝説のスライム、魔王の最終形態
「お前はもう用済みだ」
「キャ―ッ」
魔王の容赦ない一撃が、ピンク色の体を直撃した。
セクシースライムの体が光の粒子となって、俺の目の前で儚く弾け飛ぶ。
自分の目的の為に利用した女さえ、躊躇なく消し去る。
それが魔王の姿だった−−
「ピンクちゃんはもう生き返らねぇ……よっ、よくもっ……きっ、貴様許さん……許さんぞっ!!!」
俺の頭の中で、何かが完全にブチ切れた。
ただのチャラ男だった俺の心に、前世でも感じた事のない激しい「怒り」の電流が走る。
スライムの体が輝きを放ちながら「変神」していく。
怒りによりスキルのリミッターが完全に解除されたのだ。
『個体名:スライム。怒りにより限界突破!ユニーク進化【伝説の雷神スライム】に変異します!』
俺の体は眩い黄金の光を放っていた。
魔王が目を見開く。
「なっ、なんだその姿は?スライムはキングスライムにしか進化しないはず!?」
「お前だけは許さない!!」
「電……撃……波―――――っ!!!」
−−バリバリバリバリバリバリっ
ドカァァァァァッッッッッ!!!
眩いばかりの電撃波が魔王を直撃した。
体から煙がたち、かなりダメージを食らってるようだ。
「もうここまでだ、あの世で後悔するんだなっ!」
魔王が口の血を拭う。
「フ……フハハハ、いいだろう……お前には我が真の姿を見せてやろう!」
「……この姿を見せるのは貴様が始めてだ、光栄に思え!!」
「!?」
その瞬間、闇のオーラが魔王を包む!!
体が膨れ上がり、皮膚は硬質な漆黒の鎧と化し、背中から巨大な暗黒の翼が生えてきた。
複数の異世界を支配した魔王の切り札『世界滅亡の最終形態』
「想定外の進化を見せたのは褒めてやる……我のこの形態は、世界を概念ごと消滅させる力がある!」
魔王が軽く拳を振るっただけで、大気が悲鳴を上げて空間が裂けた。
俺は波動だけで吹き飛ばされ、岩に叩きつけられた。
「ぐはぁ」
神々
『あのチートスキルを与えても、奴は止められんか……』
神の付き人
『大丈夫ですよ、スキルで何倍も強くなれますから』
『あの形態になれたなら、限界の10倍にも耐えれるでしょ?』
神々
『残念だったな……今使ってるのがその限界、10倍ラヴパワーなのだよ……』
暗黒の翼を羽ばたかせ、天空から見下ろす絶望の魔王の前に、俺の体は恐怖で震えだした……




