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6-D メッダル団とは

 一旦ここまでです。

 今回の最終話は午前中には投稿します。

「警護?」

 旋は金貨に向いていた視線をドッルゴの目に向ける。


「ああ。お嬢の親父、メッダルの再生期限が近いんだ」

 ドッルゴがメッダルとメッダル団について語り始める。


 メッダルはほんの少し学のある孤児だった。

 なので小さいころから親のいない子供達のリーダ。

 ドッルゴはその頃からの付き合い。

 メッダルの力で子供達だけで組織が作れそれがメッダル団。

 青年になるころにはこの街の15ある広場の内3つを仕切れるようになり、昔の自分達みたいな親のない子供達の保護も始める。

 そこそこ上手くいってメッダルは結婚してテーツが生まれる。

 最近4つ目の広場を手に入れようとしたところで、仕切っていた相手が暗黒教団と手を結んだ。 

 ダンジョンで稼ごうとしていたメッダルと仲間が暗黒教団の襲撃で殺られる。

 なんとか魂炎石を持ってドッルゴが脱出。

 裏切りと暗黒教団の追撃で二つの広場を失う。

 メッダル再生後に奪回予定。

 ダンジョンで殺られた仲間は、魂炎石から順次再生したがメッダルが最後に。

 前回メッダルの再生間際でモグラ男の襲撃。


「と、いうわけだ。あんたはラットゥともめてるみたいだが、メッダル団とはもめてないだろ?」

 ドッルゴが旋に聞いてくる。


「まあ、ね」

 旋は座ったまま腕と足を組んで頷く。

 うん。この前殴りこみをかけるつもりできた事は黙っておこう。

 あと見張りを倒してるんだが、それはドッルゴに伝わっているのだろうか。


「この依頼とは別に、ラットゥにはあんたにかかわら無いように伝えとく。もちろんこの前の騒ぎであんたがやった、ンーギとコバルも納得している」

 ドッルゴが旋の前に金貨一枚を置く。


「前金で金貨一枚か銀貨百枚、上手くメッダルが復活できれば追加で同じだけ払う」

 ドッルゴがさらに硬貨のつまった革袋を机に並べる。


「う~ん」

 旋は考える。

 ドッルゴ話の通りならメッダル団に協力してもいい。

 広場やダンジョンで見た子供も助かるかもしれない。

 問題は旋をメッダル団が騙そうとしたり、暗黒教団の罠だったりした場合だが。

 前回の門番、ンーギとコバルだったか。

 二人のラットゥに対する反応を見れば大丈夫そうだ。

 騙された時はその時。

 旋は覚悟を決めた。


「条件があります」

 旋は静な口調でドッルゴに話す。

 自分はこの街にきたばかりな事。

 よそ者の自分には広場やダンジョンの子供の扱いが目に余る事。


「子供達の状況の改善に少しだけでもメッダル団が努力するなら協力します」

 旋は話を締め括る。


「もちろん、いいぞ。メッダル団の目標はガキどもが普通に大人になる街を作る事だからな」

 ドッルゴが立ち上がって旋に右手を差し出す。

 旋も立って握手に応じる。

 ドッルゴの右手は固く、棒状の物を握っった訓練でできたタコがはっきりとわかる。


「まだ名前も聞いてなかった」

 握手をした手でドッルゴが頭をかく。


「センでいい」

 旋はソファに座り直す。


「よろしくなセン」

 ドッルゴが旋の肩を叩く。


「では、まず・・・

 ドッルゴが旋に金貨を渡そうとした時。

 ドタドタと部屋に近づいてくる足音が聞こえた。


「ドッルゴの兄貴、大変だ! ドリの野郎の殴り込みだ!」

 ノックもしないで若い男が応接間に駆け込んでくる。


「何人だ! コバル!」

 ドッルゴが立ち上がる。


「ヤツ一人! 今、ンーギの兄貴が・・・」

 コバルと呼ばれた男がドッルゴに報告する。


「殴り込みじゃありませんよ」

 仕立てのいい服を着た、黒い丸眼鏡をかけた小柄な男が、開けっぱなしの応接間の扉から入ってくる。


「てめえ!ンーギの兄貴をどうした」

 コバルがナイフを抜く。


「私の部下が相手をしています」

 ソイルゴーレムが応接間に入ってくる。


「裏切り者が」

 ドッルゴもナイフを抜く。


「まあまあ、今日は良い話をしにきたんですよ」

 ドリと呼ばれた男が勝手にソファに座る。


「良い話?」

 ドッルゴがドリとソイルゴーレム、両方視界に入る位置に移動する。


「ええ、あなた方が生き残る最後の機会をあげようかと」

 ドリがテーブルの上の銀貨がつまった革袋を持ち上げる。


「私の部下になりなさい。ちょうどこのぐらい。毎週貢げば生かしといてあげます」

 ドリが小柄な体格に合わない大きな手で革袋を懐にしまう。


「考えといて下さい」

 ドリが立ち上がる。


「てめえ、メッダルの親父にさんざん世話になってたくせに!」

 コバルがナイフをつき出す。


「メッダル? ああ、そんな人もいましたね。ダンジョンで死んだんでしょ。って私が手引きしたんでした」

 ソイルゴーレムに、持った手ごとナイフを捕まれて動けないコバルに、ドリが舌を出す。

 それと同時にソイルゴーレムがコバルを殴り付ける。


「最後にテーツに挨拶していきましょう」

 ドリがドッルゴに手を振る。


「お嬢は誰にも合わない」

 ドッルゴがソイルゴーレムの腕に切りつけてコバルを救出する。

 コバルは動かないが胸は上下していた。

 

「ええ、メッダルの再生を祈ってるんでしょ。知ってますよ。今回失敗すれば本当に死ぬって事もねぇ」

 ドリが気持ち悪い笑顔を浮かべる。


「なんでそこまで落ちた? お前そんなヤツじゃなかったろ?」

 ドッルゴがソイルゴーレムを挟んでドリに問いかける。


「この世の真実を見たんですよ」

 目を伏せてドリが呟く。


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