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6-E 世界の真実?

 お待たせしました。

 六放送目最終話です。

『ラパン パーンチ!』

「なんで叫ぶの!」


 旋の奇襲はおへその上の神器のせいで失敗した。

 

 反撃を気にしないで放った右フックが空を切る。


「お前、神器持ち!」

 余裕を持ってパンチをかわしたドリが、ポケットからモグラを出して握り潰す。


「ごごで会えるどば。じんぎを寄越よごぜ」

 モグラ男に変身しながら聞き取りにくい声で旋に望みを告げる。


「まあ、不意討ちって正義の味方っぽくないじゃん」

 旋は気をとり直す。


 モグラ男と入れ違いで部屋を出て変身して戻り、タイミング良く放ったパンチを思わぬ伏兵のせいで避けられたのは気にしない事にする。


 決まってたら終わってたのにとか。

 ベストタイミングだったのにとか。

 この神器音声オフにならんのとか。


 全く考えていないのだ。


 フゥとため息をついてモグラ男に向き直る。

 モグラ男は相変わらずカウンター狙いのようだ。

 大きな爪の両手を体の前に構えて待ちの構え。

 前回の一撃を警戒しているのか、この前より爪が体から遠い。


 旋は視界にドッルゴが入るように位置を少しずつずらす。

 ドッルゴも旋の意図がわかったようで、旋の視界に入るようにしてくれる。

 モグラ男を中心にぐるりと半周回った所でドッルゴがうなずいた。


『ラパンキーック! キクキクキクキーック!』

「あ~もう! 本当にうるさい!」

 旋の蹴りでモグラ男がメッダル団本部の壁を突き破っていく。

 ドッルゴの判断は正しかったようで、テーツのいのっている部屋にも、メッダル団団員にもぶつからずモグラ男を外へと蹴り出す。


「外へ出してくれたのですか。御礼を言いますよ!」

 最後の壁を破って転がったモグラ男が土に触れた瞬間に掘り潜る。


〈風の固まり!〉

 不思議な発音でモグラ男が叫ぶとそれを最後に、旋の周りから音が去っていった。


 まずいじゃん!

 叫ぶ旋の声も当然聞こえない。

 

 モグラの感覚器は確か聴覚と臭覚と触覚がいいはず。

 角兎由来のホーンラパンは聴覚特化だ。

 音が消えると地中の敵を捕らえられない。

 モグラ男が旋の神器に固執してくれればいいが。

 祈っているテーツの方に行くなと思いながら、旋はとりあえずゆっくりとその場で回ってみる。


 一回転目。

 何も起こらない。メッダル団団員も出てこない。

 たぶんドッルゴの指示でテーツの護衛をしているのだろう。

 二回転目。

 近くに大きめの石が二つあるのに気づく。

 三回転目。

 少し離れた場所にある建物の屋根に白い狼女が現れる。

 四回転目。

 たぶん狼女が決め台詞を言ってる。

 モグラ男の魔法のせいで全く聞こえない。

 五回転目。

 後ろでモグラ男が爪を振りかぶっていた。

 バク転してかわす。

 立ち上がって構えた時にはもういなかった。


 旋はため息をついて目をつけていた石を二つ拾う。


 モグラ男がテーツの方に行ってなかったのは良い。


 後はどう仕留めるかだ。


 回ったりぴょんぴょん跳んでいれば、不意討ちは食らわないだろうが、モグラ男がテーツの方に行く可能性が出てくる。


 フンフン、ピトピト。


 ホーンラパンの耳を地面につければ、もしかしたらモグラ男の位置がわかるかもしれない。


 ちょんちょん。


 しかし、モグラ男が真下に居たらアウトだ。


 ペシペシ。


 あの大きな爪の一撃が頭に決まれば、ホーンラパンに変身している旋でも、意識を無くすだろう。


 仕方がない。

 さっきから声が聞こえないのに濡れた鼻をつけたり、つついてきたり、叩いてきたりしてうるさい、この狼女と協力するしかないようだ。


 どうもこの人? 苦手じゃんと旋は初対面の時に、荷物の下敷きにされた事を思い出す。


 モグラ男が地面の下にいるのは旋が襲われたのを見て知っているだろう。

 地面から飛び出した者に石をぶつけるジェスチャーをして、旋は狼女と背中合わせになった。

 

 旋の背中から狼女の感触が消える。

 あ~もう。

 やっぱりかとしゃがんだ旋の上をモグラ男の爪が通過する。

 後ろを見ないで腕立て伏せの姿勢をとるように思いっきり両足を伸ばす。


 ラパンダブルキーック!

 神器が叫ぶ声が微かに旋の耳に届く。

 骨伝導かなと思いながら、確かな足応えを感じて振り向いた旋の横に、狼女の投げた石が刺さる。


 即席のコンビネーションなんてこんなもん。

 こっちに当たらなかっただけラッキーじゃん。

 旋もモグラ男に石を投げる。

 

 土に潜ろうとしていたモグラ男の尻に当たる。

 同時に魔法の効果も切れたようで旋の耳に音が帰ってきた。

 

「お前達は知らないんだ。私達がなんで苦労しているのかも。この世界が間違った理由も。誰かが正さなきゃいけないんだよ。誰かが! 私が! 間違って無い! 私は!」

 地面に潜れなかったモグラ男が、支離滅裂な事を叫びながら旋に突進してくる。

 

 もしかしたらアレ?

 戦いの神のうっかり?

 うん、うん。

 旋もこの世界に産まれていて、いきなり知らされればショックだろう。

 でも、それと強盗殺人や誘拐は別の話だ。

 

『ラパン クラッシュ!』

 モグラ男の大振りの爪をかわし、腹にカウンターの蹴りが決まった瞬間、神器が戦闘終了を告げる。


 旋の蹴りで吹っ飛んだモグラ男がドン! と大きな音をたてて闇を吹き出した。

 モグラ男が倒れていた場所にはドリと呼ばれていた男が残る。


「良くやってくれた!」

 ドッルゴを先頭にメッダル団団員が縄を手に駆け寄って行く。


 白い狼女はいつの間にかいなくなっている。


 旋は頭の中のメモ帳に闇と夜の神に聞きたいことを書き込んだ。

 また来週も、上手く書けましたらヒーロータイムの後にお会いします。

 では!


 あと、モグラを調べたのですが、今一つどの五感が良いかわかりません。

 聴覚と臭覚と触覚が良いらしいぐらいで書いております。

 正確な知識が欲しい人は自分で調べるようお願い申し上げます。

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