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5-C 異世界にきたセンのバン

「なんだお前!俺らをメッダル団だって知ってて逆らうのか!」

 鼠みたいな小男が唾を飛ばしながら旋を威嚇してくる。

「知らない。メッダル団って何?」

 旋は素直に聞いてみた。

「メッダル団がこの広場を仕切ってるんだよ!逆らったらどこまでも追いかけて酷いめに遭わせてやらあ!」

 ああ、チンピラの類いかと旋は理解した。

 異世界に来て早々旋は暗黒教団とやらに狙われている。今更、襲ってくるチンピラグループ増えても困らない。 


 旋が黙っているので鼠みたいな小男が調子にのる。

「いい格好してないでおとなしくしてりゃいいんだよ。おい、やるぞ」

 男に吊り上げられている少年に向き直る。

 なんで私に背を向けるじゃんと旋は小男を蹴りやすい場所に移動する。

「高い。もっと低く」

 旋に気づかない小男が人相の悪い男に少年を下ろせと命令している。

 小男の背では吊り上げられている少年の頬にナイフが届かない。

 人相の悪い男が少年を下ろす。

「エイ!」

 少年が小男の股間を蹴りあげる。

「!」

 小男がナイフを落として身悶える。

 なんだ、出る幕じゃなかったじゃんと旋は人相の悪い男の手首にチョップを入れた。

 人相の悪い男から逃げ出した少年が弟と一緒に逃げる。。

 振り向かずに一生懸命走っていく。

 うん、見事な逃げ足じゃんと旋は兄弟を見送った。

 

「お前、覚えたからな!夜道の一人歩きに気を付けろ!」

 なぜか痛みから立ち直った小男が旋を指差して捨てゼリフを言う。

 いや、逃げられたのは小男がやられたからじゃん。逆恨み?

 旋は人相の悪い男にチョップしたのを棚にあげた。


 それにしても、日本と同じようなセリフ。

 異世界も地球もチンピラは一緒じゃんと考えながら、大物ぶってゆっくり歩いて行く小男の襟首を捕まえる。

「どこ行くの?まだ何も始まってないよ?」

 にっこり笑って旋は小男に話しかけた。




「は~い。次はもっと早くなります」

 旋の言葉に野次馬がどよめく。

 錆びたナイフを抜いた小男に二回目の痛みを与えた旋は、広場のすみに捨てられていた椅子に小男を縛った。

 椅子と一緒拾った半端な板で作った即席のテーブルに小男の右手を固定して、日本でやっていた指の間をペンで順番に刺していく遊びをやっている。

 人相の悪い男はオロオロしているだけで何もしない。顔が怖いだけで本当は小心者のようだ。


「アジトには何人ぐらいいますか?」

 トトトトッと小男の広げた指の間を旋のナイフが順番に刺していく。

 旋はこの遊びが得意だ。

 自分の左手を何回も刺しながら練習した。

「さっきもいっただろ!本部には20人ぐらいだ」

 同じ事を何回も聞くのは尋問の基本だ。

「本部ということは支部もありますか?」

 トトトトッ。

「一回ごとにナイフ刺すなよ!昔は支部もあったんだよ!今はねぇよ!」

「ボスは誰ですか?」

 トトトトッ。

「だからやめろって!テーツだよ!」

 小男が叫ぶ。

「腕っぷしの強い人は誰ですか?」

 トトトトッ。

「ドッルゴ、ンーギ、ウゥド!」

 ウゥドのところで見ていた人相の悪い男が自分を指差す。

「あなたの名前は?」

 トトトトッ。

「何回聞くんだよ!頭悪いのか!」

 バン!

 旋は親指と人指し指の一番広い隙間にナイフを叩きつけた。

 野次馬とウゥドがビクッとなる。

「あなたの名前は?」

 旋はにこやかに血の気が引いた小男に聞く。

「ラットゥだよ!ラットゥ!ラットゥ!」

「テーツさんにはラットゥからの紹介ですって自己紹介しますね」

 ラットゥが黙る。

「はい。じゃあ行きましょう」

 旋は自分のナイフを腰にしまう。

 聞きたい事は聞いた。ラットゥの右手を椅子に縛り直して準備完了だ。

 どこに行くんだと野次馬もラットゥもウゥドも不思議そうな顔をする。


「ウゥド。ラットゥを担いでメッダル団の本部に案内して」

 どよめく野次馬からウゥドが出てきて、ラットゥを縛った椅子ごと担いで歩き出す。

「馬鹿かウゥド!なんであんなやつの命令に従ってるんだ!」

 肩の上でラットゥが叫ぶがウゥドは黙って歩く。

 旋とラットゥ。どちらがヤバイかちゃんと理解しているようだ。


「お前、本部行って何する気だ?」

 どんどん寂れていく景色の中でラットゥが旋に聞いてくる。

「仲間になるつもりなら自己紹介しなくていい。俺が紹介してやる」

 あんまり人通りの無いとこにいくと暗黒教団が出てきそうだと考えながら旋はラットゥを無視する。

 旋が黙っているとラットゥが調子に乗っていく。

「やっぱビビってるのか。今なら赦してやるぞ。すぐこの縄をほどけ!」

 アレニエってしつこそうじゃんと考えながら旋はラットゥを無視する。

 旋が襲われる前にメッダル団本部に強襲を仕掛けようとしている事にラットゥは気づかない。

「あ、あそこ。ほ、本部」

 ウゥドが初めて口を開いた。

 どもってしまうようだ。

「ありがとう。ウゥド」

 旋がお礼を言うとウゥドがなぜか驚く。

 驚いた顔は幼い。

 見かけよりも若いのかなと旋は感じた。

 メッダル団の本部はポツンと付近の寂れた建物から孤立している。

 まあ、チンピラの溜まり場には近づかないじゃんと思いながら、旋は本部前の地面を確認する。

 足をとられそうな物は無い。

 後はどうやって囲まれ無いかじゃん。

 漫画で読んだ走りながら、追い付いてきたヤツからヤルってのを試してみるじゃんと旋の覚悟が決まりかかる。


 本部の前にたっていた若い男二人が旋達に気づいた。

「またですかラットゥさん」

「あんまりテーツさんに迷惑かけないで下さい」

 ラットゥはメッダル団の中でもそんなに信用がないようだ。

 これなら話すだけですむじゃんと旋は思った。

 

 旋の様子を後ろで見ていたラットゥが叫んだ。

「殴り込みだ!テーツを殺しにきたぞ!」


 テーツを殺しにきたのところで若い男二人の顔色が変わりナイフを抜いた。

 本部の中もバタバタと騒がしい。


 ラットゥを黙らせとけばよかった。

 後悔先に立たず。

 旋はラットゥが叫んだ原因を棚にあげた。

 さっきウゥドにチョップしたのをあげた隣だ。


 やっぱり闘うじゃんと渋々旋は覚悟を決めた。

 金貨珍しいですよね?

 少なくとも私は触った事無いです。


 キャラクターの名前のかぶりはどこまで許されるのか。

 いつも悩みます。

 ちなみにホーンラパンは使っているスマホでググると、この作品しか引っ掛かりません。

 私の密かな楽しみです。

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