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4-C 灯る小さな火

 トップページに二行乗るか実験です。

「もうやっちまったんすか?早かったっすね?」

 騎士達と一緒にダンジョン管理処に入ると、テーブルを拭いていたカールがおかしな事を旋に言ってきた。

「やっちまったってなんですか?」

 猫被りモードでカールに聞いてみる。

「あれ?別人すか?」

 カールが旋の胸元を見る。

「やっぱり姉御じゃないすか。何やって捕まったんすか?」

 カールが軽快にギルティポイントのカウントを増やしてしていく。


「お知り合いですか?我々は先に行って受付を済ませますね」

 ドイル達が先にカウンターに行く。旋の安全装置が四つ外れた。

 

 ガッ!旋はカールの顔面を鷲掴みにする。

「だ~れ~が~つ~か~まったってぇ~?」

 前にいるドイル達に聞こえないように低い声でカールを問い詰める。

 カールは答えられない。旋の手はカールの口を抑えている。

「さっきドコみて私って確認したぁ~?」

 カールは息も出来ない。旋の手はカールの鼻も抑えている。

「センさんも書類書いて下さい」

 ドイルの声がカールには救いの言葉に聞こえた。

「はい。すぐいきます」

 旋はパッとカールの顔から手を離す。

 助かったとカールの表情が物語る。

「今度、ゆっくり話しましょうね」

 にこやかに旋がカールに地獄行きを告げる。

 カウンターで手続きする五人の後ろで、カールは地獄に垂らされた救いの糸を探し続ける。


「女性には女性の準備がありますね。ダンジョン入り口でお待ちします」

 ドイルがホムヅを連れて先に行った。

 どこまでスマートじゃん。ちょっと格好いいと旋はドイルの背中を見送る。


「おい、ちょっと。ぽっと出。勘違いすんなよ?あいつは女には大体あんな感じだぞ?」

 クリスが旋を牽制する。

「でも、素敵です」

 テーイもドイルに好意があるようだ。

「私が。わ・た・し・が・狙ってんだから手を出すなよ?」

「おばさんは余裕がないですね?」

 クリスとテーイが火花を散らす。


「それは置いといて女子がダンジョンに入る前に何か注意ありますか?」

 ドイルって罪作り。疲れた声で旋はいがみ合う二人に聞いてみた。

「トイレを済ましとけ」

「トイレは大事ですよ」

 二人が同時に言ってくる。

「後はアレの時期じゃないかだな」

「女の子の月一のアレです」

 また二人で言ってくる。

「血の匂いを振り撒いていたらあっというまに魔物がよってくるぞ」

「その通り。恥ずかしくてもちゃんと言わなきゃ死にますよ」

 この二人実は仲良いじゃん?と考えながら旋は頷く。

「言わなくても察してくださるからドイルさんは素敵です」

「だから勘違いすんなって・・・」

 女の戦いが再開された。付き合いきれないじゃん。旋はトイレに行って、ついでに水筒の水を入れ換えた。


「では、出発します」

 ダンジョン入り口でドイルとホムヅに合流してダンジョンに入る。

「ついてきて下さい」

 ドイル達はダンジョン出入り口の魔方陣から半径50メートルあたりを、ぐるっと一周してから地下一階へ行くそうだ。


 途中、スライムや角兎が出ると旋に戦闘を任せてくれる。魔石とドロップ品は基本仕留めた人のものだそうだ。

「センさん、角兎を仕留めるのに何でナイフを使わないんですか?」

 ホムヅが角兎の角と肉を鞄にしまっている旋に、少し引きながら聞いてくる。

「慣れてないからです。血がピューって怖いじゃないですか」

 手を切りそうだし。旋は料理中に包丁が滑った時の恐怖を思い出して震える。

「ウサギに語りかけながら首を絞めるのも怖いですよ」

 ホムヅはさっき見た戦闘を思い出して震える。

「わかりました。今度は首をへし折ります」

 旋はホムヅに配慮することにした。なぜかホムヅの震えは止まらない。


「ほら、サボんなちゃんと探せ」

 旋の前に嫌な光景が広がっていた。

 若い男が木の棒を持って、何か探している子供達を後ろから眺めている。


「アレは捕まえないんですか?」

 先を歩く騎士二人に聞いてみる。

「アレは違法ではないんです。身寄りの無い、ダンジョンに入れるギリギリの子供達を集めて薬草探しをさせているんです。子供が集めた薬草は男がほとんど持っていきますが、子供が生きていける分は残ります」

 ホムヅが仕方なさそうに旋に答える。

「そう言う約束だと言われてしまえば、我々は手が出せません。あの男も少し前まで子供側でした。負の連鎖ですね」

 ドイルもつらそうに答える。

「中途半端に手は出せない。あそこのグループを追い出されたら、もうほとんど子供の出来る仕事がない。野垂れ死ぬ」

「そうですね。うちの教団も施しはしますが、それだけでは生きていけません」

 クリスとテーイが男二人に聞こえないように旋にささやく。二人ともこの件について何回も考えたようだ。


 私は仕方無いとは思わない。拳を握りしめた旋の何かに火がついた。


「では、これから階段をおります。草原と違って地下一階は危険です。具体的に言うと魔物が群れで襲ってきます。センさんには一匹ずつ戦えるようにします。勝てないようなら下がって下さい」

 ドイルが階段前で丁寧に説明してくれた。群れでくるのか。そりゃ独りで行ったら死ぬじゃん。旋は皆が止めた理由が分かった。

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