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くまさん  作者: きーぼー
3/6

学生時代 その1

 その後、愛子ちゃんは、それなりに勉強を頑張り(一番になるのはもう諦めていました)、地元の進学校に、入学しました。

高校生になった愛子ちゃんは、その学校で、のちに彼女の人生に大きく関わる、二人の人物に出会いました。

一人は1年生の時、同じクラスで親友になった、優ちゃんです。

優ちゃんは、物凄く頭のいい女の子でした。

例えば、本を一冊読むと、その内容を一字一句覚えていて、絶対に忘れないのです。

愛子ちゃんが、テスト前に、一生懸命、丸暗記しても、すぐに忘れてしまうのとは、えらい違いです。

当然、優ちゃんはテストでは、いつも満点でした。

おまけに、少し小柄でしたが、美人で性格が良く、愛子ちゃんは、優ちゃんに憧れながらも、どうして、こんなに差があるのかと思い、ちょっと落ち込みました。

もう一人は、同じくクラスメイトだった男子で、良夫くんといいました。

なんと良夫くんは、愛子ちゃんの事を好きになり、2年生の時に、彼女に告白して来たのです。

しかし、愛子ちゃんの態度は、非常に冷淡でした。

良夫くんは、いわゆるダサい男の子で、全然カッコよくありませんでした。

少し小太りで、なんだか、子グマにちょっと似ています。

そこは、ちょっぴりいいなと思ったのですが、愛子ちゃんには、彼は、自分にとても釣り合う相手とは、思えなかったのでした。

良夫くんが、自分のことを好きなのがわかると、愛子ちゃんは、何故か、すごく腹を立てました。

愛子ちゃんは、何でこんなに腹が立つのか、分からなかったので、親友の優ちゃんに聞いてみました。

優ちゃんは、少し首を捻ってから、愛子ちゃんに言いました。


「まぁ、女の子は、自分が興味が無い相手にアピールされても、気持ち悪いだけよね。自分の心の、一番柔らかな部分に、土足で踏み込まれる感じというかー。きっと、相手が、無神経で、自分勝手に思えるのよね。でも愛子、人が人を好きになるのは自由だし、全然、悪いことじゃないよ。それを、受け入れるかどうかは、あんた次第だけど。だから、そんなに怒ること、ないんじゃない」


しかし、プライドを傷つけられた愛子ちゃんは、良夫くんの告白を、強い言葉で断り、差し出されたプレゼントも突っ返してしまいました。

良夫くんは、これ以上ないほどしょんぼりして、愛子ちゃんの前から、去っていきました。

その後、愛子ちゃんはクラスで一番頭のいい男子と、交際を始めたのですが、その交際も、長くは続きませんでした。

今度は、愛子ちゃんの方が、相手を束縛し過ぎてしまったのです。

相手の浮気を心配して、勝手に彼の携帯電話をチェックしたり、一日何十回とメールをして、すぐに返事が来ないと怒りました。

彼の名前は、智也くんといったのですが、彼はすっかり疲れてしまい、受験の時期に差し掛かっていた事もあり、結局愛子ちゃんに別れを告げました。

智也くんの、その言葉を聞いた愛子ちゃんは、悔しくてうつむきながら、唇をかみました。

だけど、どうしょうもありません。

愛子ちゃんが、良夫くんを振ったように、人と人との交際は、お互いの同意があって、初めて成り立つものだからです。

一方的な、気持ちの押し付けは、迷惑でしかありません。

愛子ちゃんは、深いため息をつきました。

そして、幸せになるのは、中々、難しいものだと思いました。


[続く]


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