暗黒結界
ユリウス、よく来てくれた。
エーテリア、ダルーシの騎士1000人連れて来たぞ。
お前が心配だったのだ。
俺が守ってやる。
・・心の声・・
女性を守るのは騎士として当然の事。
彼女は騎士だが、私の矜持は変わらん。
騎士の誇り。
・・心の声・・
心配?私を心配してくれるのか。
私は最前線の騎士団長。心配はしても、される事など無かった。
しかし、何か良い物だな。心配されるって。
( ゜д゜)ハッ!
私を守りたい。つまり、恋心か。
そうなのか、そうなんだな。そうに違いない。
ユリウス、顔も実力も申し分ない。
イイ。いいかもしれない。
マズい、まともに顔が見れないぞ。
どうしましょ・・・・・
どうしたエーテリア。
ひゃぁ~
一部の魔族が上空に舞い上がった。
上空から城壁を越えようとする魔族。
魔法師団の攻撃が上空に集中する。
地上の魔族が城門に攻撃を集中させて来た。
「エーテリア、城門が危ない。私が行く。魔法師団を一隊連れて行くぞ」
「ユリウス、頼む」
ユリウスは素早く命令を下し、城壁を駆け下りて行った。
上空の魔族が近づいて来た。
「魔装弓隊、放て」
魔法を付与した、千の矢が放たれる。
刺さった矢が爆発。魔族の足や腕が吹き飛んだ。
魔族は風魔法で突風を操る。
巻き上げられる無数の矢。
「くそ、対応が早い」
アリューシュが魔法を放った。
「ヘルエリア・ライジング」
雷撃が魔族を打ち落としていく。
さすがに全てを打ち落とせませんわ。
魔法攻撃をかわした魔族達が城壁を越えて来た。
「エーテリアさん、来ますわ」
エーテリアの号令が飛ぶ。
「騎士団、魔族を打て」
魔族が城壁を越えて侵入してくる。
騎士達が迎え撃つ。
アリューシュは後方に目を向ける。
「エーテリアさん、タマ。ここは任せましたよ」
アリューシュは、後方に控える上位魔族に向かい飛んだ。
大鎌を間一髪で防いだレザリア。
「くっ、エルフか。なぜエルフがいる」
「気まぐれなエルフもいますわ」
レザリアは距離を取った。
「人族に肩入れするつもりか。邪魔なエルフだ」
「貴方が邪魔ですわ。魔族のお嬢さん」
「なめた口を聞くな、エルフ」
レザリアが魔力弾を放つ。
全てをかわし、斬りかかるアリューシュ。
「くっ、早い」
剣で大鎌を受け、打ち合う。
大鎌の柄が素肌の腹を突いた。
「グッ」
後方に飛ばされたレザリアの腹は無傷だ。
「あら、上位魔族は頑丈ですわ」
「貧弱な人族とは違うのさ」
「では、どれほどなのか、試してみましょう」
大鎌と槍の攻防戦。
一瞬の隙を突き、アリューシュがウインド・スラッシュを放つ。
レザリアは後方に回転して避け、ダーク・ソニックを放った。
アリューシュは大鎌で暗黒刃を粉砕する。
レザリアの頬から血が流れ落ちる。
「私の顔を・・・」
「少しは見られる顔になりましたわね」
「貴様・・・」
その時、左の上空で大きな爆発が起こった。
アリストが、黒煙と共に吹き飛ばされた。
レザリアは嘲笑する。
「ははははっ。あの男、吹き飛んだよ。死んだかしら、ねぇ」
アリューシュの表情が変わる。
「バカな事を言う魔族ですわ。アリスト様があの程度でやられる訳がない」
アリューシュから覇気が吹き上がった。
吹き飛んだアリストが踏みとどまる。
口はしから血が流れる。
「その剣は、サルザードの魔剣か」
「ククククッ。そうだ、サルザード様に貸しされた魔剣だよ」
「そうか」
アリストの剣が炎を帯びた。
「目障りな黒髪、死ね」
振り下ろされた魔剣から雷撃が放たれる。
アリストが振り降りした剣から巨大な炎が放たれた。
巨大な炎と雷撃がぶつかり、乱気流となり吹き荒れる。
周囲の魔族が巻き込まれ、雷撃に打たれ炎に焼かれた。
「ダーク・ブラスター」
アドラーズの魔力弾。続けて魔法を放った。
「シャドウ・ビースト」
10の影が浮かび、獣の姿に変化し襲って来る。
アリストが剣を振る。
「ファイア・ストーム」
炎の渦が剣から放たれた。
巨大な炎の渦が魔力弾を飲み込んでいく。
シャドウ・ビースト達も蒸発し、消された。
巨大な炎はアドラーズをも飲み込んでいく。
「う、うおぉぉぉ」
アドラーズは魔剣で、炎を斬り裂いた。
アリストがアドラーズに迫る。
激しく撃ち合う。
「雷爆刃」
「火炎烈波」
炎と雷が衝突し、大気が激しく荒れ狂う。
「そんな駄剣で魔剣と互角とは。伝説通りの力か」
「貴様には過ぎた魔剣だ。力の半分も出ていない」
「ふざけた事を。私の力はこんな物ではない!」
アドラーズの魔力が膨れ上がる。
「ブラック・アウト」
アリストの視界が暗闇に飲まれていく。
{ふぁはっはっはっ。我が暗黒結界。貴様は何も見えず、何も聞こえん}
アドラーズの言葉がアリストの脳内に響く。
ほう。視界、聴覚の両方を封じる結界か。
アリストは魔力を周囲に放出する。
{無駄だよ。この暗闇は暗黒魔力以外、魔力を霧散させるのだ}
身体から離れるほど、魔力が霧散する。
魔力を通常の3倍で放出し続ければ、何とか纏えるが。
纏えるのはせいぜい、剣の長さくらいか。
{面白い、貴様の魔力が何処まで持つのか、楽しみだ}
殺気が迫る。
直観で体を捻った。
雷を纏った魔剣が左腕をかすめた。
衝撃が走り、血が流れる。
連続して殺気が迫った。
かわすアリストをかすめていく。
肩や足から血が流れ落ちる。
{どうだ、何処から来るか分からない恐怖。切り刻まれる恐怖は}
「無駄口が多いヤツだ。勝ったつもりか」
{クククッ。挑発か、随分魔力を消費しているだろう。ゆっくり殺してやる}
暗黒魔力の波動が魔力に触れた。
「そこか、真空烈波」
向かって来る魔力弾を切り裂き、アドラーズの腹部から血が噴き出す。
{グハッ}
魔力弾の一つがアリストの右肩に被弾した。
「クッ」
防ぎきれなかった、右手が上がらない。
{偶然か、運の強いヤツだ}
「コロウドゥ・イン・フレイム」
アリストは魔力に炎を乗せ、纏う。
殺気と共に雷が襲う。
魔剣の雷を炎が飲み込んでいく。
{フン。そんな大量に魔力を放出しては、自殺行為だ}
アリストは左腕だけで上段に構えた。
アドラーズの攻撃は全て炎に阻まれる。
{クソ、厄介な炎だ。だが、貴様の魔力が減っていくのが手に取る様に分かるぞ}
「ここから出さしてもらうぞ」
気を剣に集中させる。
「次元断絶刃」
アリストの剣が漆黒の闇を斬った。
暗黒結界が2つに割れ、光が差し込む。
暗闇が徐々に光に飲み込まれていく。
「バ、バカな・・・私の結界が破られるとは」
暗黒結界は消滅した。
私の暗黒結界を味わうがよい。
あーちょっと待ってくれ。
なんだ、怖いのか。
みんな~
はーい。今お布団敷きますね。
悪いなクルーシ。
はい、全員分敷きましたよ。
安眠できそうだな。
そうだね。最近重労働だったしね。
私も寝不足なのよ。お肌に悪いわ。
お布団フカフカですわ。
よし、準備出来たぞ。やってくれ。
では、味わうが良い。
ブラック・アウト
おやすみ~
・・・・・・俺の魔法は、安眠どうぐじゃねぇぞ~




