魔族の脅威
魔族達の攻撃開始。
迎え撃つ騎士団、兵士達。
奮戦する冒険者。
戦いの行方は。タマの活躍は。
アジミール侵攻軍に戦力を裂かれた人族の運命は。
冒険者の不意打ち魔法攻撃が功を奏し、瀕死の魔族が多数出た。
「タマ。やりますわよ.ライジング・メテオ」
「がおーーん」
アリューシュとタマの同時魔法。
暗雲が立ち込め、雷撃が降り注ぐ。
瀕死の下位魔族にとどめを刺して行く。
「やられた。私は森のゴミを始末してくる。貴様等も付いてこい」
アドラーズは30体の下位魔族を連れ、森へ向かう。
「小賢しい人族が、皆殺しにしてあげるよ」
レザリアの攻撃魔法。
「ダーク・デイストラクション」
城壁に向け、巨大な魔法陣から暗黒破壊光が放たれる。
3重に張った魔法陣が砕けていく。
最後の魔法障壁が破られた瞬間、4枚目の魔法障壁が展開。
アリストの魔法障壁が暗黒破壊光を防いだ。
「防がれたの」
レザリアは驚く。
私の最大魔法を防ぐ魔法障壁。
あんな物を人族が行使出来るなんて。
「クッ。アンタ達、行け」
生き残った下位魔族達が城砦に向かって魔法を放ち、向かって来る。
迎え撃つ魔法師団。
指揮官の声が飛ぶ。
「魔法障壁展開。攻撃開始」
城壁の上に構える魔法部隊からの一斉魔法攻撃。
飛び交う魔力弾。空中で衝突し、爆炎が空を埋め尽くす。
魔法障壁が破られ城壁が爆発、削られていく。
被弾する下位魔族。
アリストは城壁の上から戦況を眺めた。
「初撃で、だいぶ減らせたな」
横に立つアリューシュが頷く。
「はい。100体近くは減らせましたですわ」
「魔族が数体、クルーシ達の方向に動いたな」
「ベイル達もいますが、少し数が多いですわ」
「上位魔族もいる様だ。アリューシュ、もう一体の上位魔族は頼んだぞ」
「はい」
一部の魔族が上空に舞い上がる。
上空と地上から城壁に迫る魔族達。
魔法師団の攻撃が上空に集中する。
地上の魔族が城門に攻撃を集中させて来た。
「エーテリア、城門が危ない。私が行く。魔法師団を一隊連れて行くぞ」
「ユリウス、頼む」
ユリウスは素早く命令を下し、城壁を駆け下りて行った。
上空の魔族が近づいて来た。
「魔装弓隊、放て」
魔法を付与した、千の矢が放たれる。
刺さった矢が爆発。魔族の足や腕が吹き飛んだ。
魔族は風魔法で突風を操る。
巻き上げられる無数の矢。
「くそ、対応が早い」
アリューシュが魔法を放つ。
「ヘルエリア・ライジング」
雷撃が魔族を打ち落としていく。
さすがに全てを打ち落とせませんわね。
魔法攻撃をかわした魔族達が城壁を越えて来た。
「エーテリアさん、来ますわ」
エーテリアの号令が飛ぶ。
「騎士団、魔族を打て」
襲い掛かる魔族達。迎え撃つ騎士団。
アリューシュは後方に目を向ける。
「エーテリアさん、タマ。ここは任せましたよ」
アリューシュは、後方に控える上位魔族に向かい城壁を蹴った。
魔族達が冒険者に魔法を放ち向かって行く。
反撃の魔法攻撃が魔族を襲う。
「小賢しい。吹き飛ばしてやる」
アドラーズが魔法を放とうとした瞬間、眼前で巨大な火柱が上がった。
「うお」
たまらず、後方に避けるアドラーズ。
炎に包まれ消滅していく下位魔族。
「クソ。何だ、この強力な魔法は」
10数体に減った下位魔族に冒険者達が接近戦を挑む。
「チィ、人族が」
上空に大きな魔力を感知し、アドラーズは頭上を見上げた。
「流石に避けたか。上位魔族」
「貴様か」
アドラーズは漆黒の翼を広げ飛び立つ。
剣と剣が激しく撃ち合い、飛び散る火花。
両者は距離を取った。
「黒髪か。貴様がサルザード様の言っていた者だな」
「サルザードの手先か」
「フフッ。私はアドラーズ。サルザード様の腹心だ」
アドラーズが翼を広げ、扇ぐ。
2つの風刃が円を描くように、背後に回り迫って来る。
続けて魔力弾を放ち、アドラーズが斬りかかって来た。
アリストのブレイク・ショットが魔力弾を相殺。
真空波を魔法障壁で防ぎ、アドラーズを迎え撃つ。
爆炎の中、剣が交差する。
アドラーズの剣が雷を帯び、振り下ろされた。
「雷爆刃」
撃ち合った剣に雷撃が走り爆発。
アリストは吹き飛んだ。
「行くぞ、お前ら」
グライムの号令で、魔族に向かう冒険者達。
「援護しろ」
フェルナンドが叫び、魔法使い達が魔法を放つ。
「ベイル、レイラ。一番槍は俺が貰うぜ」
「ゼオギース、魔族は手ごわいぞ」
「はははっ。氷の刃、ゼオギース様が魔族なんて恐れるかよ」
剣に冷気を流し、手負いの魔族に斬りかかる。
「私が一番槍よ」
ゼオギースの頭上を飛び越えて、エリゼリーエが魔族を斬り倒した。
「エリゼリーエ、そりゃないぜ」
「白亜の剣が名を上げるのよ。悪いわね、ゼオ」
「また、お前は。名を縮めて呼ぶな」
「あら、いいじゃない。長い付き合いだし」
じゃれ合いをしている2人を見て、あきれるベイル。
「おい、全部俺達で倒しちまうぞ~」
「ベイル、前見て。来たよ」
レイラが構え、魔族と対峙した。
「顔がしわくちゃだよ。腕、4本あるし」
ベイルはげんなりした顔で言った。
「あの腕、剣が生えているぜ」
後ろから、ゼオギースが不快な声が聞こえた。
「おい、あれは魔族なのか」
「なあに、ゼオギース。魔族見た事無いの」
「レイラ。腕4本とか、あんなの見た事がない」
「まだ、まともな方ね。エリエリーゼの相手はもっと変よ」
ゼオギースは一目見て、顔が引きつった。
エリエリーゼの相手は、背中に触手が生え、キノコの様な体型だ。
しかも身体全体から、ゼリー状液体が垂れている。
「なに、あれ」
レイラは平然と言った。
「下位魔族」
ゼオギースは周りを見る。他の魔族達も、異形な容姿だった。
爬虫類の様な者。顔が無く、胸と腹に目や口がある者など。
「うげぇ。まじか」
「ゼオギース。魔族は見た目で判断するなよ。死ぬぜ」
「ああ、ベイル。了解だ」
その時、上空で爆発が起きた。
「アリストー」
ベイルは叫んだ。




