魔族侵攻
戦争も始まっちまったな。
魔族まで来るのかよ。
戦争には関わらないけどさ、魔族はほっておけないよね。
そうね。魔物と魔族は冒険者の仕事の内よね。
そうだよな。アリスト、行こうぜ。
よし、魔族退治に行くか。
タマ、頑張りますわよ。
がう~
アジミール王宮崩壊後、町の負分子は冒険者達が全て捕らえた。
魔族はいなかった様だが、数名の冒険者が殺されてしまった。
各町の冒険者ギルドも町の治安維持に力を尽くした。
翌日、イザール教会の司教が変わっていた。
前司教と宰相ナディアの行方は不明だそうだ。
クセルセス国王樹立の準備は、エルフ達とオルオニスに任せる事にした。
幸いエルフの中に博識な者がいた為、早急に手筈が整うだろう。
そうなればオルオニスが冒険者ギルドを使い、王国内に布告すればいい。
軍の撤退、ミルガルドとの交渉。戦争は止められる。
不毛地帯の影響で転移を数回使用する事になるが、俺達はドランに向かった。
そして今、俺達はミルガルド王国南の城砦都市ドランにいる。
城壁は東西に長く続いている。
その中心にあるのがドランの町だ。
城壁の先は東西共、大森林と雄大な山々に行き当たる。
「アリスト殿。魔族は山を越えず、本当にここ来るのか」
「ええ、来るでしょう」
城壁の上で魔族領を見つめるアリストとマクレース公爵。
この町は対魔族の要。幾度となく魔族の侵攻を防いでいるらしい。
魔族は戦争を起こした。
手薄になったドランを、陥落させるつもりだろう。
アジミールを支配し、ドランを落とす。
そして、西の要のミルガルドを滅ぼす計画か。
だが、兵力は十分だ。
ドランの兵力は、騎士3千と兵士5千、魔法部隊2千の1万人。
上位冒険者達も100人以上集まってきている。
長い城壁の東西には、魔法師団500と騎士500、兵士1500名を配置してある。
その中には銀翼の大剣、氷の刃、白亜の剣もいた。
冒険者を統率するのはフェルナンドとグライム。
人族同士の戦争では、冒険者は動かない。だが、今回は対魔族。
ギルドも動いた。
遥か上空にタマいる。
少しは離れた所に立っていたアリューシュの元にタマが降りて来た。
タマはアリューシュに何かを告げている。
「アリスト様。魔族が300体程近づいている様ですわ」
「魔族が300体!」
マクレースの顔から血の気が引いていく。
「城壁の東西にも、10体の魔族が迫っていますわ」
アリストの予想通り、この町に戦力を集中してきた。
東西の魔族、下位魔族ならば問題無い。
上位魔族はいないだろう。面倒な事は部下にやらせることが多いからな。
しかし、だ。タマは会話が出来るのではないか。
アリューシュが特別なのか。
答えろ。タマ。
タマはだらしない顔でアリューシュに甘えている。
ぐぬぬっ。
いつか締めてやらねばなるまい。
マクレースは傍に控えていた女性騎士に命令を下す。
「エーテリア騎士団長、臨戦態勢を。東西の部隊にも連絡。魔族を撃退する」
「ハッ」
エーテリアは、急ぎ隊に戻って行った。
「アリスト殿、我々は魔族300体と戦った経験がないのだよ」
マクレースは震えている。
「そうですね。通常、魔族は単独行動です。集団でも5~6体です」
「今回は異例と言う事か」
「はい。強力な統率者が現れたのでしょう」
「まさか、新たな魔王が誕生したのか」
「いいえ。ですが、それに近い者がいるのでしょう」
「そうか。先刻、貴方の戦いを近くで見た。そして、心から思う。あんなバケモノに人族が勝てる訳が無い!」
マクレースはアリストを見る。
「私は臆病なのだよ。怖いのだ。息子が副騎士団長だ。死なせたくない」
魔族300体に対し、5千人か。上位魔族がいなければ十分な兵力だが。
「すまん。私もただの父親でしかない」
「この国の騎士や兵士は優秀です。私達もいます」
「そうだな。私はこの町の領主だ。兵士達にも家族がいる。皆、同じであった」
貴族が皆、公爵の様であれば良い国が出来るであろうが。
アリューシュが叫んだ。
「アリスト様。魔力感知内に捕らえましたわ。数、326体。来ます」
{上空に魔法障壁}
アリューシュは魔法部隊に念話を送り、魔法障壁を展開。
城砦の上空に、大規模魔法障壁が張られる。
直後に、無数の魔力弾が降り注ぐ。
城砦の兵士達は上空を見上げ、その光景に冷や汗を流した。
魔力弾で次々に砕ける魔法障壁。
魔法部隊が続けて魔法障壁を展開する。
アリューシュも上空を見上げ、魔法障壁を展開させた。
「アリスト様、この攻撃は」
「上位魔族だな。大きい反応は2つだ」
横でマクレースは腰を抜かしている。
「公爵。後方にお下がりください」
「しかし、アリスト殿。私は・・・」
「公爵が死んでしまっては、兵士の士気が落ちてしまいます」
「そうか」
「バーラダさん。頼みましたよ」
「はい。公爵は私がお連れ致します。アリスト様、アリューシュ様。ご武運を」
マクレース公爵とバーラダは後方に下がって行った。
「全て防いだわね。それなりの魔法使いが居る様ね」
「レザリア、予定外だ。人族が集まっている。この国の王は賢い様だ」
女魔族のレザリアは呆れた様に言った。
「アドラーズ。ゴミが集まった所でゴミでしょ。下位魔族の餌には少し多いけれどね」
「レザリア、お前は油断しすぎだ。この国の戦力は厄介だ」
「魔法使いが多いだけでしょ。一人の力など、魔族の足元にも及ばない。過去の英雄でもあるまいし」
「人族の英雄か。しかし、ヴァルザイムを瀕死に追いやった者がいるかもしれない」
「サルザード様の言っていた、過去の英雄ね。そんな者が本当に居るのかしら」
「分からん。300年前の人族が生きているとは思えんが」
「どうせ、あのバカが油断したのよ。脅威なのはエルフのあの女だけよ」
「エルフの英雄か。人族と友好的では無い様だが」
「あの女が居る訳が無い。この町を落とせばいいのでしょ。一気にいくわよ」
「ああ。人族の半数は奴隷として持ち帰ろう」
しばらく睨み合っていた魔族軍が動き出した。
「動いたか。アリューシュ、クルーシ達はどうだ」
「はい。全員首飾りを付けて、配置に付いていますわ」
「よし、フェルナンドに合図を」
「はい」
アリューシュが上空に向けて、ライトニング・ボールを打ち上げた。
城砦の左、森の中に潜んでいる冒険者達。
全員が魔力感知妨害の首飾りを付けている。
ロニエスが解析し、生産していた者だ。
フェルナンドが合図を確認した。
「合図が上がった。魔法、放て」
魔法使い達が、一斉に魔法を放つ。
クルーシとアニス、他2人の複合魔法。
「フレイム・スラッシュ・ツイスター」
巨大な火柱が上がり、渦を巻く。2本の荒れ狂う炎の竜巻が魔族を襲う。
氷の刃セシリアと、銀翼の大剣ディーナの合体魔法。
「ギルティング・ハリケーン」
暴風が吹き荒れ、大きな風の刃が荒れ狂う。
他の魔法使い達も、操れる最大の魔法を次々に放った。
不意を突かれた魔族軍は混乱に陥った。
「アドラーズ、何処から放たれたの」
「右の森だ。直前まで、魔力感知に反応しなかったぞ」
下位魔族達が切り刻まれ、燃え上がった。
今回も出番がなかった。
早く暴れたいぜ。
私も腕がなまっちゃうよ。
私は、少しあったわよ。むふふ
私なんか、すっごい久しぶり何だから。
忘れられちゃうわよ。
アニス、アンタは その他 なんだからいいのよ。
はぁ、私の様にちっちゃくて可愛いキャラはいのいのよ。
もっと出番があってもいいハズだわ。
お子様体型の、勘違い女だろ。
ムキ~!
アンタはチチでかガサツ牛女じゃない。
やっぱり、死にたい様ね。
燃やしてあげるわ。
おいおい、またかよ。やめろ・・・・
うるさい。
ひぃ~タマーーーー
ちビタマ登場。
みにゃ~がうがう
かわいいわ~
スリスリ
タマ、やりおる。




