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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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開戦

私はロニエス。

 ミルガルド王国の第二王子。

でも、王位継承には興味がないんだ。

 魔法が好きだから、魔法師団は私の転職さ。


歴代でも始祖ヨシュア様に一番近い容姿と力を授かった、と言われているのさ。 

  魔法の次に好きなのは、女の子~

     ヨシュア様の肖像画はイケメンだった。

           私も当然イケメンだよ。モテモテだ。


魔力も沢山ある。強力な魔法もバンバン放てるのさ。

           大陸1の魔導士、天才魔導士なのさー

どう、凄いでしょ。


ほ~う。

 では、俺と戦ってみるか。英雄の力見せてやろう。ふふふふ


・・・・・・・すみませ~ん!

             土下座


お兄様、調子に乗ってはいけませんのよ。


妹よ、本編に登場していないのに出て来るのか。


早く出番が欲しいわ~

王宮を囲っていた兵士達が駆け付けて来た。

「クセルセス王子、ご無事で」

「カルサス。貴殿も無事で何よりだ」

 兵士は100名程いるが、全員ボロボロだ。

 死人は出ていないか心配だ。

「兵士長カルサスと申します。王子殿下をお救い頂き、ありがとう御座います」

「アリストです。こちらも、余計な兵士の侵入を防いで頂き助かりました」

 カルサス兵士長。クセルセス王子派の為、干されていたそうだが。

 意志の強そうな青年だ。

「クセルセス殿下。信じておりました。ご無事で何よりで御座います」

「カルサス。貴殿も無事で嬉しいぞ」

「ありがたきお言葉」

「味方の兵士はどのくらい居るのだ」

「ハッ、殿下。我ら100名の他、街中に兵士50名程配置して御座います」

「アリスト殿。我らの味方は150人です。いかが致そう」

 おいおい、殿下。いかが致そう、ではないだろう。

「まずは、早急に戦争を止めねばなりません。長引けば、この国が滅びます」

「うむ、その通りだ」

「たとえ念話が繋がっても、全ての軍を止めるのは難しいでしょう。将軍や貴族が魔族の場合、意味がありません」

「そうだな」

「兵士達を止めるには、国王の勅命を伝えるしかありません」

「なるほど」

「そして選択肢は2つです」

「2つとは」

「王国全土に新国王の宣言。後に書簡に王印を押し、前線に送る」

「おお、そうだな。しかし、官僚がいない。全員殺された」

 そこからか。

「ならば、王自ら戦争停戦命令書を作成して前線に届けましょう」

「うむ。早急に命令書を書こう」

「新たに殿下の官僚、軍を組織。将軍を決め、将軍に書簡を届けさせる」

 ボロボロの兵士を見る。

「そこの、カルサス殿を将軍に任命してしまいなさい」

 カルサスは、キョトンとしている。

「はぁ、将軍・・・・」

 カルサスは驚いた。 

「何を言っている、貴様は」

「兵士にとって将軍の命令は絶対だ。そう言う意味でも将軍は必要でしょう」

 アリストの言葉に、クセルセスは納得した様だ。

「よし。カルサス。貴殿を将軍に任命する。王国の為に尽力せよ」

「殿下、私の要な若輩者が・・・」

 カルサスがアリストを情けない顔で見る。

「受けろ」

 カルサスは観念した様だ・

「ハッ。謹んでお受けさせて頂きます」

 再建するにしても滅びるにしても、民を守るには形が必要だ。

「殿下。ここまではどちらを選んでも、やらなければなりません」

「どちらを選んでも、か」

「はい。兵士や民がどうなろうと敵わない、と言うなら何もしなくとも構いませんが」

「バカを言うな。私は王族だ。兵士や民の命を守る責任がある」

「どちらにしろ、早くしなければ帝国も侵攻してくるでしょう」

「帝国が。我らとは友好的関係であるのだぞ」

「今、この国は壊滅状態です。魔族やミルガルドに占領されるなら、帝国が支配に動くでしょう」

「うっ。そうですな。我が王家が愚かなばかりに」

「ここからが選択肢です。戦争を止め、軍を再編。国内の治安維持、戦争賠償、などです」

「それが一つ目なのか」

「はい」

「2つ目とはなんでしょう」

「ミルガルド王国に全面降伏。国を明け渡す」

「なんと」

「全面降伏後、貴方が退位すればこの国の支配者はいなくなります。支配体制が変わるだけです」

 クセルセスは考え込んでいる。

「王家は崩壊状態。大臣や官僚は皆、死にました。他国に支配された方が、国の統制を取るのが早いでしょう。兵士の命もより多く救えます」

「しかし、各領主や貴族の反発が起こるのではないか」

「そこは貴方の交渉次第です」

「そんな事が出来るはずが・・・・・ない事もないのだろうか」

「私は、ただの冒険者です。決めるのは殿下です」

「どちらにしても、新王の宣言は必要です。お急ぎを」


2日後、遂に戦争が始まった。


国境の砦ベラジーン。

{魔法障壁展開}

 ロニエスの念話で、10人の魔法使いが同時に、大規模な魔法障壁を城壁に展開。

 強力な魔法攻撃を防いだ。

「ロニエス、今のは」

「兄上。あれは魔族の魔法です」

「やはり魔族がいるのか」

「はい。アリスト殿の言う通りでしたね」

「敵兵の指揮系統はバラバラだ。守りに徹すれば、被害は少なくて済むのだが」

「問題は魔族と増援部隊ですね」

 考えるロニエス。

 いくら烏合の衆と言っても、数の多さは脅威だ。それに、魔族を倒すのは難しい。

 戦争と言う狂気の中、敵兵に真実を告げても聞く訳が無い。

 魔族の数は少ない。

 やはり、敵兵士を壊滅させるしかないか。

 魔族に操られ、人族同士で殺し合うなど愚かな事なのに。

{右、岩山を昇る部隊を確認}

 魔法師団の魔力感知部隊から念話が入った。

「シルニスの部隊を向かわせ、阻止しろ」

「ハッ」

 伝令が走る。

「兄上。敵は揺さぶりをかけ、我が方に疲労を蓄積させるのが目的でしょう」

「その様だな。数日中に2陣、3陣が到着すると報告があったな」

「まだ敵軍勢は1万を満たしません。魔族を倒し、一気に攻め入りましょう」

「しかし、明日にも1万の軍勢が迫る位置にいるのだぞ」

「アリスト殿のおかげで、我が方はすでに2万はおります。敵は分散している内に、各個撃破が最善かと」

「上手くいくかは、魔族を早急に倒せるかにかかっているな」

「はい。現在2体、魔族らしい者を確認しております」

「うむ。報告は受けたが、2体だけなのか。他のも魔族が潜んでいる可能性があるのだぞ」

レオニスは考えた。

「兄上。危険は承知の上。待っていては各個撃破も出来なくなります。ご決断を」

「よし、打って出よう」

「ハッ。魔族は私とセルギスで倒して見せます」


「俺の最大級の攻撃を防ぎやがった」

「おい、バリーゼ様にイスパーダ王国に向かえと言われただろう」

「なんだよ、ちょっと遊んでもいいだろう」

「お前、ふざけるな。俺も遊びたくなるじゃねぇか」

「少し遊んでから、撤退すればいいじゃねぇか」

「そうだな。しかし、擬態は解くなよ」

「ああ。正体がバレたらこいつ等、逃げ出すだろうからな」

「それじゃ、楽しむか」

 2体の魔族は笑った。


キルディア帝国。帝都ベオグラード

「ムラジャード皇帝陛下、アジミールがミルガルドに攻め込みました」

「始めおったか。あの愚か者、私の忠告を無視しおって」

「いかが致しましょう」

「うむ。一応は友好国。しばらくは様子を見るしかあるまい」

「今回の件。魔族が関与している可能性があると、影からの報告があります」

「魔族か」

「ですがそれ以降、全ての影との連絡が取れません」

「始末されたか。あの王がよく気づいたものだ」

「魔族の仕業かと思われます」

「それも魔族か。我が帝国内でも魔族が確認されていたな」

「そちらはすでに処理済みで御座います」

「魔族も狡猾になった。厄介よな」

「この侵攻が魔族によるものであれば、アジミール王国は・・・」

「王宮は混乱、王国は崩壊に向かっているか」

「すでに、国境付近に2万の兵士を送り始めています。いつでもご命令を」

「アラムージ将軍。手回しがよいな」

「ハッ。ありがたきお言葉」

「大義名分無く攻め込めば、東の王国どもが攻め込んで来るだろう」

「東の王国が連合すれば、厄介でございます」

「アジミールの内情を細かに調べろ。事はそれからだ」

「ハッ」

 アジミール王国。魔族に操られたか。

 事実であれば、ミルガルドはどう出る。

 これが魔族の仕業であれば、治安維持という形で進軍。実質支配が可能なのだが。

 大陸を支配するのは人族最古の国、我が帝国だ。

 邪魔なのは魔族と英雄の王国、ミルガルド。

 ミルガルドが疲弊すれば一気に滅ぼす事も可能か。

「時代が動くかもしれんな。フフフフッ」

皇帝ムラジャードは静かに笑った。


私はカルサス。王都警備隊の兵士長だ。

   以前は、クセルセス王太子の護衛もしていた。

       王子殿下が王国を裏切るような事はしないと、信じていた。

やはり、クセルセス王子は正しかったのだ。


しか~し、いきなり将軍になってしまった。

            何なのだ。この人事は。


剣技はそこそこ、実績もそこそこ。

        これで良いのだろうか。


まぁ、容姿だけは良いのだが。ふふ 

     女性達、私とお茶でもしないかい。


好みでは無いですわ。


私も遠慮しておきます。


私も無理だよ。まったくはずれてるね。

          鏡、歪んでいるのかな。


うん。男は仕事に打ち込む者だ。

     さぁ、仕事しよう。仕事。はははははは


何なのでしょう。変な人ですわ。ねぇタマ。


がうがう



今回は出番が無かった。

  俺達も活躍したのに。

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