進軍
私は王都冒険者ギルドマスターオルオニス。
アジミール王国での支部長だ。
冒険者達に対して責任があるのだ。
王都に魔族が居たらどうする。
Sランクの冒険者は1人しかいないのだ。
どうする。どうするのだー
まぁまぁマスター、カフィでも飲んで落ち着いて下さい。
ロクサーナ、すまんな。
・・・・・ニガッ!
苦いぞ、苦すぎる。
お強そうな方々が来ているではないですか。
お任せしましょう。
おお、そうか。
じゃ、もう安心だな。麦酒で飲むか。はははは
何故か、イラっとしますわ。
タマ、やっておしまいなさい。
がう
ひやぁぁぁぁぁ
アリストはオルオニスに念話を送り、状況を話した。
正確にはロクサーナに、だが。
「アリスト、どううだった」
ベイルが心配そうに聞いて来た。
「神殿の監視が殺され、一部の兵士が動いた」
「兵士が動いたか、宰相はどうした」
「神殿に入るまでは確認した様だが、その後は不明だ」
「くそ、逃げたのか」
ベイルは悔しがり、拳を叩き付けた。
「アリスト殿、兵士が動いたと」
クセルセスが飛び起きて来た。
「目を覚まされましたか」
「それより、兵士達が動いたのですか」
「その様です」
「王宮には誰もいない。皆殺された。念話も使えない」
王宮の念話使いは全て始末したか。
「アザードのギルドマスターに町の状況を聞いてみましょう」
{レオトスさん。聞こえますか}
{アリスト、無事だったか}
{はい}
{国王はどうなったのだ。魔族は}
{王宮は魔族に支配されていましたが、全て排除しました}
{魔族に・・・国王は}
{国王は亡くなりましたが、クセルセス王子がご無事です}
{亡くなってしまったか。助かったのは逆賊の王子殿下とは}
{逆賊なのですか}
{国王に逆らい、王国を転覆させようとし反逆者だと知れているぞ}
クセルセスは反逆者か。これはマズいな。
{それも魔族の仕業です。国王が魔族に操られたいたのです}
{そうだったのか。しかし、今更民衆の見方を変えるのは難しいぞ}
{そうですか。ところで、町はどうですか}
{町は静かだ。魔族の影はないな}
{軍の動きはどうですか}
{先ほど、大軍が町を出たと報告があった}
{大軍が町をでましたか。まずいですね}
{軍は王都に向かったのではないのか}
{いいえ、ミルガルドでしょう}
{侵攻か。おい、戦争が始まるのか}
{おそらく}
{なんてことだ・・・全て魔族の仕業か}
{はい。暴動や混乱を招く者が居るかも知れません。気を付けて下さい}
{そうだな、了解した。しかし、戦争は止められないのか}
{国王も軍務大臣も将軍もいません。逆賊の王子では、今の所手だてがありません}
{そうか。民に被害が出ない様、ギルドも善処しよう}
{戦争を早く止められる様に、考えてみます}
{頼んだぞ}
念話は切れた。
「殿下。アザードの軍が町を出ました」
「それは侵攻を始めたと言う事なのか」
「そうでしょう。どうされますか、国王」
「国王・・・そうだ、私が国王なのだ。止めなければ」
「はい。おそらく、国境の軍も進軍を開始するでしょう」
「まずい。無駄な戦いで、多くの命が」
クセルセスは動揺している。
この分では、軍部に念話は繋がらないだろう。
たとえ念話が使えても、逆賊と知れているクセルセスでは意味がない。
そもそも、将軍や兵士長の大半は魔族側だろうが。
「私を軍の前まで連れて行ってくれないか」
「国王。貴方を、ですか」
「そうだ。私が行けば・・・」
「行っても止まりません」
「なぜ・・・」
「気付きましたか。貴方は前国王に背いた逆賊。侵攻軍には魔族に先導されているのでしょう。逆賊として捕まるか、処分されるだけです」
国境砦。国王軍。
「全部隊。進軍」
将軍の号令で、6千の兵士がミルガルドに侵攻を開始した。
「モハンド将軍、こんな夜に、侵攻開始とはおかしいのでは」
「ダレオス部隊長。国王の命令である。意見があるのか」
「確証はあるのでしょうか」
「貴様、私が虚偽を申しておると言うのか」
「いいえ。承服致しました」
ダレオスは部隊へと戻って行った。
アイツは邪魔になりそうだ。戦場で殺しておくか。
開戦までは導いてやる。せいぜい殺し合うが良い。
モハンドは口元に笑みを浮かべる。
アザード近郊、駐留軍。
7千の兵士と3千の魔法師団が,第二陣として進軍を開始し。
「おい、何かおかしくないか」
「お前も、そう思うか」
「師団長が見当たらない。指揮を執っているのは副師団長だぜ」
「おかしいよな。こんな大きな戦いで、師団長がいないなんて」
「そこ、私語は慎め」
この夜アザード近郊の駐留軍、中心人物20数名の姿が消えた。
兵士達は不安の中ミルガルドへ向け、進軍。
アザードの町からも6千の兵士が出陣している。
計、2万2千の大軍がミルガルド王国に向け侵攻。
各町や王都からも5千前後の兵士が出陣した。
後軍と合わせ、5万以上の軍勢がミルガルドに向う。
先陣が開戦するまで、最短で2日である。
{ロニエス。聞こえるか}
{・・・・・}
{ロニエス!}
{わー。なんだ、だれだ}
{ロニエス寝ていたのか}
{アリスト殿。こんな夜更けに、緊急ですか}
{緊急だ。アジミール王国が侵攻を開始した}
{え!そんなバカな。交渉は5日後です。それを無視して}
{魔族だ。アジミールは魔族に踊らされている}
{魔族に。アジミールの国王はどうなったのですか}
{殺された。助かったのは、クセルセス王子だけだ}
{マズいですよ。クセルセス王子は国家反逆罪で幽閉されていたハズです}
{それも、魔族の仕業だ}
{魔族が王家まで操っていたとは。交渉席で、我が国王の暗殺を計画していたのかも知れないですね}
{内情はある程度承知しているな。ならば、分かるだろう。クセルセスでは兵は止まらない}
{そうですね。戦争は回避出来ないでしょう。直ちに厳戒態勢を取ります}
{侵攻軍の指揮官は、魔族か魔族側の人族の可能性が高い}
{侵攻軍の中に魔族が居るのですね。承知致しました。魔族を想定した軍備を整えます}
{推測だが、先陣は2万ほどだ。増援も各町から進軍しているだろう}
{アジミールのほぼ全軍での侵攻ですね}
{北からの魔族進行も考えられるぞ}
{魔族が絡んでいるとなると、あるかもしれませんね}
{それと今、王権を復旧させ戦争を止める為の体制を整えている}
{そうなれば、テーブルは用意致します。ただ、攻め入る軍勢は排除しなければなりません}
{当然だ。ミルガルドにとっては、侵攻して来た敵国だ}
{攻め入って、アジミールを占領する。そう言う選択肢もありますが}
{ミルガルドの方針に口は挟まない。理由はどうあれ、戦争とはそういうものだろう}
{はい。悲しいものですが}
{イザール教団には気を付けろ。魔族とかかわりがある}
{宗教にまで、魔族が・・・了解です。警戒致します}
{上手く頼のんだぞ}
{承知致しました}
念話は切れた。
アジミール王国は破滅への進軍を開始した。
戦争が始まっちまうぜ。
どうするんだ、王子さまはよ。
なんか、頼りなさそうな感じだよね、あの王子様。
そうね、男は強くないといけないわ。
あらあら、王子様は大丈夫かしら。
私は、この国の王子だぞ。
・・・どうしよう。
もう、ベイルが王様になったらいいんじゃない。
いいわね、レイラ。さんせーい。
俺が王様か。ムフフ
王様になったら、あんな事や、こんな事も出来るな。でへへ
鼻の下が伸びているのは、何故かしら。
( ゜д゜)ハッ!
お部屋に行きたいのかしら。
ひやぁぁぁぁ




