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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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魔族の陰謀

私はルミローネ。エルフの戦士。

 アリューシュ様の侍女兼護衛だった。

  戦士たちの中でも上位の強さを誇る。


しかし、アリューシュ様は世界を見たいと100年前にエルフの国を飛び出してしまった。

 私はおいていかれたしまった。

 なーんでよ。連れて行ってよー。 

ゴホン。


それから20年、女王様の許しを得て、国を出た。

 しかーし、人族の国はおもしろい。食事も美味しい。

  冒険者生活も悪くない。

   つい、楽しんでしまった。


楽しみながら・・・・必死に毎日を生き永らえ、アリューシュ様を探す日々。


そして、捕まった。捕まってしまった。強いのに。

 しかも、アリューシュ様に助けられた。

  人族の酒が悪いのだ。あんな旨い物を・・・

   卑劣な人族め。私は悪くない・・・よね。


合わせる顔がない・・・様な気がする。

 

ルミローネ。


はい。


腕が落ちていますわよ。


ガーン・・・・酒は控えましょう。

王都イザール神殿。

「バリーゼ様。今の咆哮は」

 貴族風の男が、グラスに葡萄酒を注ぐ。

「フン。あのおバカさん、使いましたね」

 葡萄酒の香りを楽しみ、一口飲む。

「美味しいわね」

「アレを使ったのでしょうか」

「アレはまだ、未完成なのに。どうなる事かしら」

「我らはどう致しましょう」

「ミルガルドに侵攻開始。その後、魔族は撤退させなさい」

「宜しいので」

「始まってしまえば、簡単には止まらない。後は人族同士殺し合ってもらいましょう」

「教会の方は、いかが致しましょう」

「教会は、司教に任せればよい。我らの痕跡は残さない様」

「ハッ。承知致しました」

「イスパーダ王国へ移動します」

「ハッ」

「この王国から、混乱は広がるでしょう。フフッ」


オルオニスは慌て、表に飛び出した。

「なんだ、今の咆哮は・・・・王宮からか」

 王都全体が騒めきだした。

 人々は怯え、イザース教徒は祈りを捧げる。

 禍々しい咆哮だった。アイツ等は生きているのか。

 オルオニスは王宮の方角を見つめる。

「マスター、町中で怪しい者達が動きだしました」

「なに」

 何が起きている。この国で、何が・・・

「神殿は、アザードから来た兵士は」

 ロクサーナは各方面に念話を送った。

「マスター、神殿のターニアと念話が通じません」

 殺された?神殿に魔族が居たのか。

「アザードの兵士、ルキオスが逃亡しました」

「兵士は当てにならん。我らで、怪しいものは全て捕まえろ」

「しかし、我らは冒険者です。勝手な事をしては」

「王家から許可は取ってある」

 嘘、だけどな。

「報酬も出す。魔族が居るかもしれん。その時は逃げろと」

「了解しました」

「カルサスにも状況を連絡してくれ」

 お前は無事か、カルサス。

 

 王宮を囲んだ兵士達は、怯え腰を抜かす者も出ていた。

 王宮に駈けつけた兵士を達も、同様だ。

「なんだ、今のは。魔族なのか」

 カルサスは王宮を見上げる。

 巨大な落雷に爆炎。そして、禍々しい咆哮。

 本当に人が戦っているのか。

 兵士の中から逃げ出す者が出る。

「逃げた者を捕まえろ。魔族と繋がっている可能性がある」

 怯えていた兵士達が、逃げた兵士を捕まえに行く。

 念話が入った。

{ロクサーナか。ああ、兵士に魔族はいない様だ}

{マスターが心配なさっています}

{オルオニスに伝えてくれ。将軍は魔族と繋がっていた様だ。もう死んだが}

{将軍が}

 ロクサーナの驚きが伝わってくる。

{俺は大丈夫だ。アイツに無理はするなと}

{はい}

 念話は切れた。

 王宮から逃げて来た兵士は、皆怯えている。

 王宮内に入るなとオルオニスは言った。

 中では魔族を倒せる者が戦っていると。

 確かに、この兵力では魔族とは戦えない。

 だが、俺は見ているしか出来ないのか。この国で何が起きている。

 カルサスは、悔しさを滲ませ王宮を見つめた。


「何ですの、あのバケモノは」

 アリューシュは目を疑った。

 あんなモノは見た事がありませんわ。

 禍々しい魔力の波動。危険ですわね。

「よそ見か。女」

 ロニの魔力光線が乱射される。

 品の無い攻撃ですわ。

 アリューシュの反撃。

「ライジング・ジャベリン」

 魔法が交差し、無数の爆発が起きる。

 爆煙の中から、アリューシュが迫る。

 ロニが高速で迫る大鎌を避け、魔法を放つ。

「ヘル・フレア」

 アリューシュは黒い炎に包まれた。

「俺の目に死角はないぞ。焼け死ね」

「クローズ・イン・ライジング」

 アリューシュの魔力雷を纏い、黒い炎を掻き消した。

「キモイ、私は不遇ですわ」

「俺の炎が。クソ、キル・ランス」

 ロニの頭上、6つの魔法陣から実体化した黒い槍が現れ、放たれる。

「死ね」

 アリューシュの纏った雷が黒い槍を砕く。

「そんな物では、私は倒せません。消えなさい」

 アリューシュは両手を広げた。

「ライジング・ショット」

 纏っている雷がロニを襲う。

 数十の雷撃を防ぎきれず、直撃。

 身体の半身が弾け飛んでいる。

「ぐぅぅ」

「しつこい男はキライですわ」

「死の魔眼」

 ロニの全ての目が大きく開き、赤く光った。

「クッ。これは」

 アリューシュの動きが止まる。

「俺の命が危機に陥ると、発動する奥の手。魔眼だ」

 アリューシュの首が締まり、手や足がねじれていく。

「うぅぅぅ」

 アリューシュの口から血が流れる。

「げへへ、一撃で殺せなかったお前の負けだ」

「私が・・下等‥魔族ごと・・き・・に・・」

 アリューシュの魔力が膨れ上がる。

 ロニの目が一つ弾け、潰れた。

「ぎゃぁぁぁ」

 目が次々に弾け、潰れていく。

「うおぉぉぉぉぉぉ」

 アリューシュの魔力が一気に噴き出す。雷を纏い、天を突く。

 ロニの目が全て弾け潰れた。

「ぐぎゃぁぁぁぁぁ」

 アリューシュは崩れ落ち、血を吐いた。

「ガハァ」

「ぐうぅ。お前を食えば、復活できるのだ~」

 ロニは大きな口を拡げ、這いずり近寄って来る。

 呼吸が・・・苦しい。

 アリューシュは動けない。

「食わせろ~」

 ロニが最後の力を振り絞り、飛びかかった。

「真空波」

 アリューシュに食いつく寸前、ロニの首を真空波が斬り落とした。

「アリスト・・様」

 アリストはバケモノと激しい戦闘を展開している。

 足を引っ張ってしまいましたわ。情けない。

「アリューシュ様」 

 ルミローネが泣きながら駆け寄って来た。

「ご無事でよかったです~」

「ルミローネ、痛いわ。足の骨が砕けていますのよ」

「ひぃ~」

 ルミローネの顔は青ざめる。

「ハイ・ヒール!」


私はルミローネ。エルフの戦士。

 アリューシュ様の侍女兼護衛だった。

  戦士たちの中でも上位の強さを誇る。


アリューシュ様は人族と仲が良い。

    人族を嫌っていたハズなのに。


しかーし、ここに居る人族は聞いていた者と違う気がする。


黒髪の人族。

 かの有名な英雄の銅像にそっくりだ。

   私は280才。

    エルフを救った英雄は見ていない。


あの人物は何者であろうか。

 て、言うか私は役に立っていないではないか。


人族に助けられてしまった。

 イヤよー!なんで私より強い人族がいるのよー。

・・・・・ゴホン


私は美しく強い、エルフの戦士。

  ですよね。そうでしょ。そうだと言って!


ルミローネ、遊んでいる場合ではないですよ。


はいぃぃぃ




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