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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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混沌への導火線

王宮が戦場になってしまった。

 俺はオルオニス。冒険者ギルドマスター。

 

王国の存亡がかかる一大事。

 俺に責任が大きくのしかかる。


どう言う事だ。

 なぜ、ただのギルドマスターの俺が。


しかし、相手は魔族。冒険者の敵でもある。

             王家も役に立たない。

 

もしかして、俺が国王になるのか。

     うん、それもアリか。むふふふ


マスター、カフィです。


おう。すまんな・・・・ニガッ!

  

はい、世の中甘くないのですよ。


ロクサーナ、そんな意地悪しなくても。


器の大きさは変えられませんよ。


ごもっとも。


頭を抱え、震えるクセルセス。

「母は殺され、父は化け物に変わってしまった。弟は食われた。ロシタムは魔族なのか。私は悪夢でも見ているのか」

 無理もないか。

 ここに居るエルフは10人。残りはベイル達と一緒だ。

 ルミローネは使えそうだ。

「そこのエルフ」

「はい。私でありましょうか」

 ルミローネは姿勢を正し、アリストを見る。手、足、つま先まで一直線だ。

「クセルセス王子を守ってくれ」

「はっ。身命を賭けてお守り致します」

 ルミローネはクセルセスを謁見室の外に連れ出し、結界を張った。

「我らは全力で、この者を守るのだ」

 アリストは魔族を見る。

「上位魔族。未熟な下位魔族と出来損ないで俺を殺すつもりか」

「クックック。我が名はストラーダ。貴様如き、これで十分だ」

 アリューシュの覇気が噴き出し、周囲を圧倒する。

「貴様。黙って聞いておれば、なめた口を聞きおって」

 アリューシュ。口調がおかしな事に。

「生意気なエルフが、皆殺しだ」

 下位魔族と魔人が一斉に向かって来る。

 アリューシュの右手が天を仰ぐ。

 怒りの一撃。

「死ね。ストライク・オブ・トロン」

 雷鳴が轟き、雷神の鉄槌が王宮の屋根を破壊し落ちる。

「がぁぁぁ」

「ぎゃぁぁ」

 轟音と悲鳴が響き、下位魔族と魔人の4体が灰となった。

 天井が崩れ落ち、瓦礫が降り注いだ。

 下位魔族達の足が止まる。

 続いてアリストの魔法が放たれた。

「エクスプローション」

 爆炎が猛威を振るう。

 4体の魔族、魔人が吹き飛び燃え上がる。

 王宮が更に崩れていく。

 インフェルノの下位互換魔法。

 魔法のランクを落としたが、王宮は崩れてしまった。

 オルオニス、すまん。

 ストラーダは恐怖を覚えた。

 なんなのだ。魔法2つで、8体が一瞬で消された。

 あの2人は危険だ。

 そんな中、1体の下位魔族がアリューシュの前に立つ。

 身体の至る所に目がある、口が無い異形の魔族。

「お前、凄いな。仲間が黒焦げだ」

 口が無い。何処から声を出しているのでしょう。

「俺はロニだ。この中では俺が一番強いのだ」

「低俗の争いに興味はないですわ」

「お前を食えば上位魔族になれそうだ。食わせろ。へへへ」

「口がありませんわ、どうやって私を食べるおつもり」

 首から上が2つに割れ、大きな口が開いた。

「これの事か」

 ・・・・・キモイ。


王宮に雷撃が落ちるのが見えた。

 オルオニスは天を仰ぐ。

「始まったか。この国の運命が決まる」

 他も町のギルドマスターにも連絡は入れた。

 魔族は何処まで入り込んでいる。

 アイツ等が負けたらこの国は魔族に支配されるのか。

 考え込むオルオニスの元に、ロクサーナが報告に来た。

「マスター。神殿にいるターニアから報告です」

「動きがあったか」

「宰相ナディアが神殿を訪れました」

 王宮から逃げて来たのか。宰相がこの混乱の黒幕なのか。

「宰相が。目を離さぬ様に伝えろ」

「はい」

 なぜ、私が報告を受けているのか。

 それは、念話が苦手なのだ。直ぐに途切れてしまう。

 なので、ロクサーナに連絡をして貰っている。

 仕方なかろう。誰にでも、得手不得手があるだろう。

「マスター?誰と話しているのですか」

 ハッ。

 恥ずかしい所を見られてしまった。

「ロクサーナ、何でもないぞ」

「はぁ」

「王宮から逃げ出した者は全て捕まえろよ」

「連絡済みですよ」

「そ、そうか。誰が魔族と繋がっているか分からんからな」

「マスター連絡が。兵舎から王宮へ、多くの兵士が向かっています」

「アザードから来た兵士はどうだ」

「まだ、動きはないようです」

「やつらは魔族の手先の可能性が高い。注意させてくれ」

「了解です。兵舎を監視している者に伝えます」

「王宮の包囲は終わっているか」

「第一兵士団長カルサス殿が包囲を完了しています」

「魔族が紛れているかも知れない。気を付けてくれと伝えてくれ」

 レオトス、アザードは抑えろよ。魔族に翻弄されるな。

 

タマの雷撃が魔族を襲う。

「ぐがぁぁぁ」

「とどめだ」

 ベイルが魔族を両断した。

「ふー、終わったか。」

 ベイルは周囲を見渡す。下位魔族が4体、兵士が50人程倒れている。

 エルフにも犠牲が出た。3人が命を落とした。

「タマ、大活躍ね」

「がう」

 クルーシに撫でられ、タマは嬉しそうだ。

 だが、クルーシの顔は曇っていた。

 エルフ達が死んだ仲間に祈りを捧げている。

 仲間が死ぬって、悲しいわね。

 レイラは座り込んでいた。

「剣を向けなければ、死ぬことは無かったのに」

 倒れた兵士を見つめ、虚しさを感じていた。

「レイラ殿」

 エルフの男性がレイラの前にしゃがみ込む。

「私はアロスと申します。大丈夫ですか」

 レイラは顔を上げた。

「ああ、大丈夫さ」

「魔族に与した者、たとえそれがどんな事情だろうと、敵です」

「分かっているよ」

「洗脳,脅迫、事情がある者もいたかも知れません。ですが、戦わなければ死ぬのは自分ですよ」

「頭ではわかっているんだ。味方も死んだ。でも、悪党でも人を斬るのは気が滅入るよ」

「レイラ殿は優しいのですね」

 アロスは優しい笑顔で手を差し伸べた。

「貴方もね。アロスさん」

 レイラは差し伸べられた手を取り立ち上がる。

「レイラ、大丈夫」

 クルーシとベイルが心配そうに駆け寄って来た。

「ああ、心配ないよ。アリスト達を助けに行こう」


俺達で魔族を倒したぞ。

 

調子に乗ってはいけないよ。

 なんでも、魔族は生まれて数十年は弱いらしいよ。


そうなのか。


ええ、なんでも魔力が低いらしいわ。


なんだ、まだ未成熟って事か。

      俺達もまだまだだな。

もっと、強くなるぞー


あらあら、次回も活躍お願いしますわ。うふ

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