王族の末路
エルフ達を助け出し、王宮を進むアリスト達。
王宮の奥、待ち受ける魔族の影。
クセルセスの運命は。
俺達にこの国の運命は握られている。
責任重大だな。
私達は、ただの冒険者なのにね。
いいえ、私達は英雄の仲間になったのよ。
そうですわ。私達はもう、英雄ですわ。
魔族め、俺の青春を返せ~
クセルセスの案内で、王宮内を駈ける。
エルフ達は敵から奪った武器を手に、強力な力を発揮した。
行く手を阻む敵兵を、エルフ達が制圧していく。
「なぁ、アリューシュ。エルフって皆、あんなに強いのか」
「なんですか、ベイル。エルフは元々狩人ですわ。あのくらいは、普通の事ですわ」
エルフって、もしかして恐ろしい種族なのか。
「ベイル、そんな怖くないですわエルフは。優しい者達ですわよ」
「そ、そうか」
アリューシュ、心を読めたのか。
「嫌ですわ、ベイル。そんな顔していたら分かりますわ」
「顔に出てた?」
「それに、今は、あなた達の方が強いですわよ」
3人が驚く。
「本当か、俺達、強くなったのか」
「ええ、自身を持って下さいまし」
「レイラ、クルーシ、聞いたか」
「なんか、実感ないね。あはは」
「私は、すっごい魔法を使える様になったわ」
あらあら、私の仲間は可愛いですわ。
微笑むアリューシュ。
アリューシュ様、人族などと仲良くするなんて。
むくれるルミローネであった。
そんな中、魔族が現れた。
魔族が兵士を引き連れている。魔族に付いた兵士達。
相当数の兵士が魔族に操られている様だ。
「俺達に任せな」
ベイル達が飛び出した。タマが続く。
何故か3人共、嬉しそうだ。
まだ若い魔族だな。タマとエルフ達が居れば余裕か。
「ベイル、任せたぞ」
「おう、余裕だぜ」
その調子に乗る所が心配なのだよ。いい所でもあるのだが。
レイラとクルーシが親指を立て、こちらも見る。
任せたぞ、2人共。
タマは中指を立て、ウインクして来た。
「がう」
指が違うぞ、タマ。
王の間、扉の前に下位魔族がいる。
周囲には、血だまりが出来ていた。
クセルセスは恐怖を断ち切る様に、毅然と言う。
「魔族、そこをどけ」
「ん~第一王子様か。遅いじゃねえか。腹へって、兵士を食っちまった」
巨大な口を持つ、岩の様な下位魔族。
「兵士を食ったのか」
クセルセスは怒りに震えている。
アリストが前に出る。
「魔族、国王は扉の向こうか」
「ああ、いるけどな。もう魂はないぞ」
「なに、魂が・・・国王は死んでいるのか」
苦悶の表情を浮かべるクセルセス。
「肉体はあるけどな。げへへ、ただの肉隗だ」
「肉隗・・・父上・・・弟は、弟は無事なのか」
「弟、俺は知らねぇよ。それより、お前達を食っていいと言われているのだ」
アリストの表情が変わる。
「俺達を食うだと。経験の浅い魔族が、面白い事を言う」
「下等種族が、生意気に・・・」
魔族が動くより早く、アリストの剣が唸る。
「がぁぁ。見えなかった・・・」
下位魔族は、両断され絶命した。
大きな扉の向こう、魔族の魔力を感じる。
6つ。一つは大きい。上位魔族か。
「行くぞ」
全員が息を飲み、身構える。
扉を開けた。
広い空間。謁見室か。
玉座に国王が鎮座し、横に立つ貴族。
魂の抜けた国王は人形の様だ。
「父上・・・」
「ようやく来ましたか。お待ちしていました」
玉座の横に立つ、貴族が一礼する。
「ロシタム公爵、貴様が父を・・・」
クセルセス王子は怒り、叫んだ。
アイツは魔族だな。周りにも魔族が潜んでいる。
ロシタムが口を開く。
「悲しむことは無い、クセルセル王子よ。貴方も死ぬのですから」
「私を殺すつもりか。宰相の命令か、ヤツは何処にいる」
「クククッ。あの方はもう次に移られた。後始末は我らの仕事なのでねぇ」
逃げたか。
「ロシタム公爵、弟は何処だ。生きているのか」
ロシタムは嘲笑う。
「弟ですか。あれはバカな男でしたねぇ。私達を利用しようとするなんて」
「なんだと」
「貴方の弟が、我ら魔族と手を組んだのですよ」
「バカな・・・嘘だ。アイツがそんな事を」
「我らを利用し、人族を支配する。愚かな事ですねぇ。利用されたのは自分だとも知らずに」
ロシタムは両手を広げ、天を仰ぐ。
「あの愚か者のおかげだ、苦も無く王国の支配が出来ましたよ。ハハハハッ」
ロシタムは高笑いを辞め、アリストを睨む。
「ですが、貴方のせいで計画は中止となってしまった」
周囲から、大臣を連れた下位魔族が5体現れた。
大臣達の表情がない。
「大臣を・・・殺したのか」
クセルセスは絶望に崩れ落ちる。
生きてはいる。だが、精神を破壊されたのだろう。
「まさか、去年亡くなった母上も貴様が殺したのか」
「あれは、勘のいい女でしてね。邪魔なので排除したまで」
「母上まで。何と言う事だ」
クセルセスは涙を流し、嘆いた。
「うおぉぉぉ。私が、早く気づいていれば・・・・」
「うるさい王子だ。貴方もあの女の元に送ってあげますよ」
ロシタムはアリストを再び睨む。
「貴方を殺し、計画を元に戻しましょう」
「よく喋るゴミだ」
「ククッ。その口、塞いであげますよ」
ロシタムが小さな黒い球を取り出した。
「我らの技術の結晶です。楽しんで下さい」
ロシタムは黒い球を国王の口に入れた。
下位魔族達も黒い球を大臣に飲み込ませる。
国王と大臣達の身体が変貌していく。
「何なのだ、これは」
驚愕するクセルセス。
「王族が、そんなに取り乱してはいけないなぁ。あ、弟の事を忘れたいました」
ロシタムの姿が魔族へと変わっていく。
「扉の前にいた者が、食べました」
人族の貴族も、なかなか良い物ね。
この葡萄酒も美味しいし。
食べ物も、全然違うわ。
バリーゼ様。食べ過ぎでは。
なあに、貴方も食べたいのかしら。
デザートを持ってきてちょうだい。
いいえ。バリーゼ様の体重が・・・・
( ゜д゜)ハッ!
ぷるぷるぷる。
私、ちょっと走って来ます。おほほほほほ




