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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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解放

俺はベイル。


俺はだいぶ強くなったと、思う。今日この頃。

 そろそろ、俺のファンにもいい所を見せなくてはいけない。


今回はチャンスだ。 

 俺のカッコイイ所を見せて、ファンを増やす。ふふふ


ベイル、何しているの。早くいくわよ。


はい。


クッ。彼女には何故か弱い。

 もしかして、彼女は神か魔王なのか。


過去を振り返る。

      うん。魔王だな。


お部屋いきますよ~ベイル。


がるぅぅ

(恐ろしい)



古びた倉庫にたどり着く。

 警備兵が5人。

「真ん中の兵士、あれは魔族だな」

「魔族!人族に擬態しているのか」

 クセルセスは愕然とする。

「やはり父は魔族に操られていたのか。父上・・・」

 クセルセス悔しさを滲ませる。

「あの魔族、王宮内だからか、まるで警戒していない。未熟者だ」

「アリスト、どうする。他の兵は人族なんだろう」

「ベイル、ここはタマの出番だ」

 タマが俺の目を見る。

「分かっているか」

「がう」

「行け、タマ」

 タマが疾走する。

 死角から飛び掛かった。

「がぁるぅぅぅ」

 牙が喉元に食い込む。

「がぁ」

「魔物だー」

 周りの兵士達は、タマの姿に慌てふためいている。

 タマの超高圧放電。

「ぎゃぁぁぁぁ」

 タマは、黒焦げになった魔族の首を噛み切った。

 周囲の兵士達は放電の影響で気絶している。

「流石だ、タマ」

「がうがう」


薄暗い倉庫の中。

 アリューシュの目の前に、将軍キュロスが立っている。

「迎えに来たぞ。女。名は何と申す」

「言ったハズですわ。私は面食いなのだと」

「気の強い女だ。忘れているのか、首輪の事を」

 キュロスの顔が歪む。

「女、名を言え」

 アリューシュが拒むと、全身に激痛が走った。

「くあっ」

 他のエルフが助けに入ろうとする。

「動くな!エルフども」

 キュロスの命令で誰一人動かない。

 アリューシュ様。

 ルミローネが逆らい、アリューシュの元に駆け寄ろうとした。

「ぐわぁぁぁ」

 ルミローネの全身に激痛が走る。

「くっ」

「バカなエルフだ。耐えられまい。大人しく見ていろ」

 動けないルミローネ。

 眼の前で苦しむアリューシュ。

 キュロスは楽しんでいる様だ。

「痛いか、苦しいか。素直になれ。名を言え」

 苦痛に耐えるアリューシュ。

「ぐうぅぅ。ぶ・・不細工は・・きら・・い・・です・・わ」

「強情な女だ。だが、そういう女を服従させるのが好きなんだよ。グフフフ」

 キュロスは歪んだ笑みを浮かべ笑う。

 ア・・リス・・ト・・さま・・

 その時、アリューシュの耳に雷撃の音が響いた。

 今の雷鳴は・・・

 エルフ達もざわつき始める。

 慌てるキュロス。

「何だ、今の音は」

 扉が開いた

 ライトの魔法が辺りを照らす。

「アリューシュ、無事か」

 アリューシュが隷属の首輪の呪詛で、苦しんでいるのが目に飛び込んで来た。

 横にいる、偉そうな男。

 隷属の首輪から出ている魔力波動と同じだ。

「おまえか~!」

 キュロスが身構えるより早く、アリストの剣がキュロスを斬り裂いた。

「があぁぁぁ」

 鮮血を噴き上げ、倒れるキュロス。

 王国一の強者と言われたキュロスの、あっけない最後だった。

 アリューシュの首輪が外れ、苦痛から解放された。

「アリスト様」

 アリューシュはアリストに抱き着いた。


「エリアル・ディ・スペル」

 一度に8人の首輪が外れた。

 エルフ達の歓声が上がる。

この解呪の魔法は、複雑で多くの魔力を使う。

 広範囲で使用するのは10人が限界だ。

「アリスト様。流石ですわ」

「ああ、これで終わりだな」

「はい。全員解放されましたわ」

 隷属の首輪は、支配者が死ねば呪詛は解除される。

 一人は将軍キュロス。

 しかし、エルフの半数は2重支配の呪詛がかかっていた。

 こんな高度の呪詛をかけたのは、もう一人の支配者。

 もう一人は誰だ。


外を見張っていたベイルが叫ぶ。

「アリスト、兵士に囲まれたぞ」

 来たか。

「クセルセス殿下。兵士の大半は敵です。容赦は出来ません」

「殺してしまうのか」

「なるべく、殺さない様には致します。ですが」

「・・・・そうだな。甘い事を言っている状況では無い様だ」

「はい」

「行こう」

「では、殿下。先を行って下さい」

「私が、か」

「殿下を見て、向かって来る者は敵です。無駄な戦闘は避けたいのです」

「なるほど。よし、私が先をいこう。無駄な戦闘を避けたいのは、私も同じだ」

「大丈夫です。必ず守ります」

「頼みましたよ」

 クセルセスが先頭に出た。

「私は第一王子クセルセスだ。国王を逆賊からお助けする。道を開けよ」

 動揺する兵士達。

 指揮官が叫ぶ。

「お前達、クセルセス王子こそ反逆者だ。捕らえろ」

 戸惑っていた兵士の半数が向かって来た。

 来るか。仕方がない。

 そう思った時、エルフ達が躍り出た。

「向かって来る者は打ちのめしなさい。アリスト様の道を作るのですわ」

 アリューシュがエルフ達を指揮している。

 魔法の一斉攻撃。あっという間に、兵士を制圧。

 ベイル達も、王子も唖然だ。

 戸惑っている兵士の前に立つアリューシュ。

「あなた達はどう致しますの。迷いがあるのなら、ここで大人しくしているのですわ」

 兵士達は素直に従い、倉庫に入って行く。

 倒した兵士も含め、60人程だ。王宮の兵士をだいぶ減らしたな。

 外の兵士が来る前に、終わらせなければ。

「アリスト様。エルフの民も、お手伝いさせて頂きますわ」

 全員が傅いている。

「アリューシュ。なんなんだ、これは」

 アリューシュが困っていると、一人の女性が立ち上がった。

「ルミローネと申します。王女様の命の恩人様を、お助けするのは民の使命で御座います。お気遣い無きよう、お願い致します」

「なに、あれ」

 アリューシュは顔を赤らめる。

「お恥ずかしいですわ。以前、私の侍女兼護衛でしたの」

「そうか。なんか、ごめん」


大詰めも近いぞ。

 国王を救えるのか。

魔族の動向は。

 この国の運命は、どうなるのか。


ベイル、誰と話しているの。


独り言。


もう少し、面白そうに話しなさいよ。


ダメだしか。クルーシは厳しいな。


あなたが、へたくそなのよ。

 私達の活躍を楽しみにして下さいね。



 

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