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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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囚われの英雄

牢屋は気が滅入るな。


そうね、イヤよね。


私は魔力操作の修業をするわ。

 もっとたくさんの魔力を操って、町ぐらいは吹き飛ばせる様になります。


何処を目指しているのだ。クルーシ。

 ベイルもレイれも、良いぞ、みたいな顔をしているが。

  魔王級になるのか。いや、魔王になるのだな。そうなのだな。

落ち着け俺。そんな事がある訳がない。

       強くなることは良い事だ。頑張れ。


がるるるがう。   バリバリ


お前も魔力操作の修業か。やめておけ。

   電撃が漏れて、みんな感電しているから。


( ゜д゜)ハッ!

がう・・

俺達はアザードの悪魔として捕まった。

 今は牢の中だ。

「お前達に面会だ」

 不意に兵士が現れた。面会、誰だ。

「手短にしろ」

 兵士が去り、残ったのは年配の剣士風の男だ。

「お前達がアザードの悪魔の代わりか」

「誰だ」

 アリストに見据えられ、慌てる剣士風の男。

「おい、睨むなよ。俺はこの町の冒険者ギルドマスターのオルオニスだ」

 ギルドマスターか。

「レオトスから連絡を受けて、な」

 おお、脳筋マスター。やる時はやる男だ。

「よく面会が通りましたね」

「それは、金貨の力だ。後で請求するからな」

 くっ、このオッサンもクセが強そうだ。

「で、何をして欲しい」

「俺達の武器を取り返したくれ」

 ベイルが身を乗り出す。

「武器か。どこにある」

 クルーシがベイルに乗りかかる。潰れるベイル。

「私達を護送した兵士が持って行ってしまいました」

「ふ~ん。護送兵か」

「お姉様はどこに」

 レイラは不安な顔をしている。

まぁ、心配するよな。

「エルフの集められている場所の情報を」

「エルフねぇ」

「王宮の何処かだと思いますよ」

「よし、任せて置け。武器も情報も、直ぐに持ってきてやる」

 自身満々に答えるオルオニス。

「あ、ばら撒く金貨の請求なら、レオトスさんにして下さい」

「レオトスに、か」

「はい。依頼の報酬を貰っていませんので」

 俺は、にっこりと愛想笑いを浮かべた。


アリューシュは王の前に引き出される。

「国王様。エルフで御座います」

 貫禄のある顎髭を蓄えた王は、ゆっくりと頷いた。

「うむ。将軍」

「はっ」

 武骨な風貌の将軍が近づいて来る。

 この将軍は人族ですわね。王は遠すぎて分かりませんわ。

 魔法封じの手枷が邪魔ですわね。

 将軍はアリューシュの前に立つ。

 アゴを掴み、無理やり顔を上げる。

「クッ」

「ほう。中々よい女だ。今宵は可愛がってやろう。ふふふっ」

「ご冗談を。私は面食いなのですわ」

「クックックッ。気の強い女だ」

 将軍は隷属の首輪を取り出した。

「これでお前は、俺の言いなりだ」

 アリューシュに隷属の首輪をはめた。

「今宵が楽しみだ。倉庫に連れて行け」

「はっ」

 アリューシュは兵士に連れられ謁見の間を後にした。


王宮の奥、使われていない古びた建物。

 ここは倉庫かしら。

「大人しくしていろよ」

 兵士がアリューシュを建物内に押し込んだ。

 扉が閉まる。

 小さい窓から、微かに光が届いている。

 薄暗い中、多くの人の気配を感じた。

 目がなれ、多くのエルフが浮かび上がる。

「あなたは、王女様では」

 一人のエルフが声を上げた。

「なに、王女様だと」

「王女様、アリューシュ様か」

 次々に声が上がった。

「あなた達。ご無事でしたか」

 アリューシュの瞳が潤んだ。

「アリューシュさ~ま~」

 一人の女エルフが抱き着いて来る。

「あなた、ルミローネなの」

「ご無事でよかった~」

 魔法剣士ルミローネ。アリューシュお付きの侍女兼戦友だ。

「アリューシュ様がなぜ、こんな場所に」

「皆を助けに来ましたわ」

 皆が驚く。

「なんと、しかし王女様まで捕まってしまっては」

「この首輪は外せない」

「いくら王女様でも無理だ」

 不安の声が上がる。

 アリューシュは自信をもって言い放つ。

「大丈夫ですわ。英雄が来てくれますから」


夕暮れ前に、オルオニスが牢に戻って来た。

 周りに兵士がいないか確認する。

「ロクサーナ、見張っていてくれ」

「はい」

「彼女は」

「副ギルドマスターだ」

「信用出来るのですか」

「問題ない」

 信頼は厚い様だ。

「武器はこの袋に入っている。この空間収納袋、お前の物だろう」

「ああ、そうだ。助かった。この袋、高かったんだ」

 おい、ベイル。喜ぶ所が違うぞ。

「で、エルフだけどな。王宮の奥深くにある、古びた倉庫に集められている」

「よく情報が手に入りましたね」

「ふん。ギルドの力ならば、造作もない。金貨は大量に使ったが」

 結局、金貨が物を言うのだな。

「まぁ、以前から王宮は怪しいのでな。探っていたのさ」

 このマスターは脳筋では無さそうだ。

「西門から入れ。そこが一番近い。門兵は手懐けておいた」

「手回しが良いですね。助かります」

「俺の名を言え。それとな、数日中に開戦に踏み切るらしいぞ」

「そうですか。余り時間もなさそうだ」

「そんな悠長な事を言っている場合ではないぞ。お前達、明日処刑だろう」

「あ、そうでしたね」

「大丈夫か、お前」

「大丈夫ですよ、今夜ここを出ます」

「そんな簡単に言うか。脱獄を」

「はい。そのまま王宮に向かいます」

「乗り込むのか」

「王宮には魔族がいます。間違いなく。騒がしくなるでしょう」

「なに!魔族」

「声が大きいですよ」

「す、すまん。つい・・・」

「なので、町中が混乱しない様、お願い致します」

「それは構わんが、王宮に魔族が居るのは本当か」

 アリストは、満面の笑みで答える。

「はい。いますよ」

 ベイル達も「いたら、どうした」みたいな顔をしている。

「なんだ。そのちょっとそこに虫がいますよ、的な軽い返事は」

「まぁそんな感じなので、王宮は大混乱でしょう」

「魔族に勝てるのか。出来る事はあるか」

「教団が怪しいですね」

「教団には見張りをつけている」

「さすがですね。それと、街中に魔族が紛れているかも」

「それはマズいな。高ランク冒険者を集めておくか」

「気を付けて下さい。魔族に与する人族がいるようです。冒険者にも警戒を」

「人族にそんな者が」

「いるでしょう。欲は尽きない物です」

「残念ながらいるな、それは。うむ、承知した」

 ロクサーナが顔を覗かせた。

「マスター。兵士がきます」

「わかった。では、私はこれで。武運を祈る」

「王宮を壊しても怒らないで下さいね」

「伯爵邸での事は聞いた。やりすぎるなよ」


ちょっと、あきれ顔でルオニスは戻って行った。



早くアリューシュを助けて、暴れようぜ。


お姉様が心配だよ。


アリューシュはキレイだから、余計心配よ。

                タマも心配よね。


がう。


アイツは気高く強い。(性格も)

       大丈夫だとは思うぞ。

         今夜、助けるけどな。

アイツの姉の方が性格が凄いぞ。


何かいいましたか、アリスト。


ドキ!

なぜ、ここにいる。女王なのだからウロウロするな。

  

私もここに出たかったのです。

      妹ばかりズルいのです。


そんな、性格だったっけ、お前。


がう。


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