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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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拘束

何とか、倒したな。

   死ぬかと思ったぜ。


私も、危なかったよ。

 クルーシ、タマ。助かったよ、ありがとうね。


あたりまえじゃない。ね、タマ。


がう。


展開が、面白くなってきた。

      次は何処に行くんだ。


次は、夜の街にくりだそ~


おお、いいね。思いっきり楽しむぞ~!


冗談だ。



やはり、あなたは・・・・・・


えー。これは、罠だー!罠なんだ~


お部屋に、行きましょうか。ベイル


イヤだ~


いつも通りだな。


がう

燃えさかり、崩壊した伯爵邸。

 レオトスが駆け付けると、兵士達がすでに集まっていた。

 俺は逃げた女性から話を聞いて、直ぐ駆け付けたんだぜ。

 こんなに早く兵士が集まるのか。

 兵士の中に兵士長を見つけた。

「ルキオス」

「レオトス。お前も来たのか」

「中に魔族がいると、聞いた」

「魔族だと。バカな事を。中にいるのはアザードの悪魔だ」

「アザードの悪魔だと。いや、魔族が伯爵を」

「レオトス。余計な事を言うな」

「余計な事だと」

「中にいるのはアザードの悪魔だ」

「おまえ・・・」

「アザードの悪魔に、伯爵は殺されたのだ」

 逃げて来た女性は魔族だと言った。嘘ではない怯え方だった。

 アリスト達は何処に行った。何が起きている。

 おかしい。

 ルキオスの態度も、兵士達も何か違和感がある。 

「何故、屋敷の者を助けに行かないのだ。早く踏み込もう」

「もう遅い。もう少し待て」

 何を言っている、ルキオス。どこを見ているのだ。

 ルキオスの視線の先・・・・

 イザース教、司教だ。

 なぜ司教がここに居るのだ。

 その時、雷鳴が轟き屋敷に巨大な雷が落ちた。

「うわ」

 轟音が響きわたる。

 集まった民衆からも悲鳴が上がる。

 雷撃魔法か。あんな凄い魔法、見たことが無いぞ。

 周囲を見渡す。

 司祭がいない。消えた、どこにもいない。

 なんだ、これは。何が起こっている。

 何度か雷鳴が聞こえ、上空に2人の影が見えた。

 あれは、アリストか。もう1人は・・・

 一瞬だったが、角が見えた気がした。

 やはり魔族か。

 ルキオスはニヤ付いた表情で、燃えさかる炎を見ている。

 2人の影が見えなくなり、屋敷の燃える音だけが聞こえる。

「ようし、アザードの悪魔を捕まえろ。屋敷の崩壊には気を付けろ」

 ルキオスが号令を出し、兵士達が屋敷に雪崩込んだ。

「俺も行くぞ」

「レオトス、お前の関わる事ではない。部外者は口をだすな」

「ぐっ」

 レオトスは燃え上がる伯爵邸を見つめた。


「アリスト様」

「アリューシュ。皆、無事か」

「ええ、ベイルとレイラが怪我をしましたが、治癒魔法で完治致しましたわ」

「そうか。良かった」

「魔族は何か話しましたか」

「いや、何も言わなかった」

「そうですか。致し方ありませんわ。これから、どうしましょう」

「教団の神殿に乗り込んでみるか」

「良いですわね、つながりがあれば混乱しているはずですわ」

「ベイル。皆は、行けそうか」

「ああ、問題ない・・・お、なんだ」

 ベイルが話かけた所に、兵士達が雪崩込んできた。

 タマはとっさに小さくなり、アリューシュの影に隠れる。

 アリストとアリューシュは、武器を空間収納に放り込む。

 偉そうな兵士が叫ぶ。

「こいつ等が、アザードの悪魔だ。捕らえろ」

 はぁ。

「おい、アザードの悪魔って・・・え」

 オロオロするベイルに手枷がはめられた。

はぁーーーーー

「おい、これはどう言う事だ」

「黙れ、アザードの悪魔」

 兵士は高圧的だ。

「あそこに魔族が死んでいるだろう」

 兵士はあざけ笑う。

「魔族?何を言っている。お前らが引き込んだ魔物だろうが」

 ベイルは呆れ顔だ。

「おーい、アリスト。こいつら叩き潰していいか~」

「ベイル、兵士は普通の人族だ。ここは大人しく捕まろう」

「はぁ~了解だ~」

「レイラ、クルーシ、暴れるなよ」

「は~い」

 レイラもクルーシも大人しく捕まる。

「おい、この女、エルフだ」

 アリューシュの魔法が解け、エルフ特有の耳が露わになった。

 あ、魔法封じの手枷だ。

 ま、それはそうだよな。忘れていた。

 マズいかな。まぁ、大丈夫か。

 俺の髪の色が黒くなる。

「コイツ黒髪だぜ、見た事がない」

「隊長に報告しよう」 

 兵士達がざわつく。

「アリスト様」

 アリューシュの胸の谷間に、タマが隠れている。

 上々だ。

 ちょっとだけ、うらやましいぞ。タマ。

 とても偉そうな兵士がやって来る。

「ほう。エルフに、黒髪か・・珍しい」

 俺とアリューシュをにやけた顔で見る。

「黒髪はこの国で見かけない。どこから来た」

「過去から来た」

「ふざけた事を」

 本当の事なのだが。

「まぁ、良い。ミルガルドの密偵か何かだろう」

 いや、ただ通過するだけだったのだが。

「どうせ、エルフ以外は死刑だからな」

「おい、あそこに転がっている魔族は、どう説明するのだ」

「ここに魔族などいる訳が無い」

「では、あれは何だ」

「あの、くたばった魔物に人を食わせていたのだろう。アザードの悪魔」

「魔物か。面白いな」

「そうだ、魔物だよ」

 残った魔族の死体は燃やされている。

「証拠隠滅ね」

「何の事だ」

 とても偉そうな兵士はにやりと笑い、部下にに命令する。

「アザードの悪魔を王都に護送する」


外に出ると、民衆の中にレオトスを見つけた。

 レオトスはオロオロしている。

「なんで、アイツ等が捕まっている。どうなってんだよ」

 仕方ない。状況を伝えておくか。

「王都に連行される。全部繋がっているぞー」

 とりあえず、叫んでみた。

「黙れ」

 お~お、怖い兵士だ。

 レオトスの表情が変わった。目が理解した、と言っている。

 頼んだぞ。ギルドマスター、レオトス。

だが、ちょっと不安だ。脳筋ポイよな、あの人。


何故か、捕まっちまったな。


アンタの顔が、悪魔ッぽいからじゃないか。


そうね。うん うん


ひ、ひどい・・・


がう


タマ、慰めてくれるのか。


がう


まぁ、それはどうでもいいとして。


アリスト。お前も酷いな。


いや、まぁ。とりあえず、大人しくしておこう。



タマが何とかしてくれますわ。

            ね、タマ。


がるる


やっぱり、会話が出来るのだな。タマ。


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