それぞれの決着
さぁ、決着だ。
魔族だろうが倒して見せるぜ。
私の相手と交換して下さいまし。
それは、遠慮しておきます。
お姉様、ごめん。私もムリ。
私も、ムリです。
アリストさま~
俺の相手は上位魔族だからな・・・手が離せない。
余裕のくせに、酷いですわ。
タマ、貴方しかいませんわ。
がう!(;'∀')
タマが、いませんわ。タマ~
野生の危険察知能力はすごいのね。タマ。
レイラの谷間に隠れるタマで、あった。
アリストの神速の剣技と渡り合うレミアス。
双方距離を取る。
「魔族の割には良い腕だな」
「ふふっ。剣は貴族のたしなみ、と聞いたものでな」
レミアスの頭上に魔法陣が浮かぶ。
「次は魔法で行こうか。ダーク・ソニック」
暗黒エネルギーを纏う真空波が複数、放たれる。
「エアリアル・ハーケン」
大規模な真空の刃がダーク・ソニックを全て弾く。
真空の刃はレミアスの頬をかすめ、燃え上がる屋敷を粉砕した。。
頬から血が流れる。
「この、私の顔にキズを・・・」
「なんだ、不細工を気にしていたのか」
怒りをあらわにするレミアス。
「下郎が、ひき肉にしてくれよう」
ドラスの鉾が空を斬る。
ベイルの戦斧がドラスを捕らえた。
「くっ、戦斧が通らねぇよ!」
全力で戦斧を振り切る。
ドラスは吹き飛び、燃え上がる壁を突き崩した。
微かに残った館が崩れ落ちる。
クルーシのフレイム・バーストが追い打ちをかける。
連続で爆発。黒煙が立ち登る。
瓦礫の中から超高密度魔力砲が撃たれた。
タマが雷撃で迎え撃つ。
衝突し爆発。黒煙の中から姿を現すドラス。
「なかなか」
「ねぇ、アイツ、首から血が出ているよ」
レイラが気付く。下アゴ、首の付近から血が流れていた。
「本当ね。もしかして、あの色の違う皮膚は弱いのでは」
「おお、良い事に気付いたな。レイラ、クルーシ。狙ってみようぜ」
ベイルは戦斧を握る手に力を込める。
「行くぞ」
タマが先陣を切った。
雷撃が無数の矢になりドラスを襲う。
魔力弾で雷撃を相殺する。
ベイルの戦斧が鉾で弾かれた。
「大人しく食われろ!」
ドラスが叫び、背後に魔法陣が出現。
「デス・ウイップ」
魔力で作られた10の黒い鞭がベイル達を襲う。
襲い掛かる鞭を避ける。
鞭が大地を抉り取る。
「何て威力だよ」
ベイルの額に冷たい汗が浮かぶ。
鞭がレイラとベイルを同時に襲う。
タマが背後から襲い掛かる。
「魔物が」
タマが鞭で弾かれ、瓦礫に突っ込む。
レイラは剣で鞭を弾き、間合いを詰めた。
同時にベイルが頭上からの攻撃。
死角から鞭が飛来し、ベイルが巻き取られた。
巻き付けられた鞭が、ベイルを締め上げる。
「ぐあぁぁぁ」
「ベイル!」
助けに行くレイラを、数本の鞭が襲う。
捌き斬れず、協力な一撃を喰らった。
「ウグッ」
吹き飛び、瓦礫の叩き付けれる。
「レイラ!私の仲間を・・・ゆるさない」
クルーシの魔力が膨れ上がる。
掲げた杖が眩い光を放つ。
「ライトニング・ブレード」
光の刃が鞭を切断した。
投げ出され、動けないベイル。
「バカな、俺のデス・ウイップが!」
クルーシの連続攻撃。
「ライトニング・ショット」
10数本の光の矢がドラスを襲う。
爆裂が起きる。
「うがぁぁ」
よろめくドラスにタマの牙が食い込んだ。
超高圧放電。
「ギヤァァァ」
立ち上がったレイラの剣が下あごから頭部を貫いた。
「魔族はキライなのよ」
アリューシュの雷撃魔法。
イータは爪で弾く。
雷撃はイータの周囲に四散し爆発。
イータは薄気味悪い笑いを浮かべている。
不快ですわ。
ですが、あの爪は雷撃と相性が悪い様ですわ。
イータの攻撃が頭上から迫る。
アリューシュは後方に飛び、渾身の一撃。
大鎌を受けたイータの爪が折れた。
「なぁ!」
イータは距離を取った。
「ヘル・フレア」
漆黒の炎がアリューシュを襲う。
アリューシュは飛び上がり回避。
「ストライク・オブ・トロン」
天に雷鳴が轟き、雷神の鉄槌が落ちる。
イータを直撃し、轟音が響きわたる。
「ぐうう」
イータは耐えた。
「これを耐えるのですか」
「この鎧は素晴らしい。魔法では俺を倒せないぞ」
お姉様なら、影も残さず蒸発させていますのに。
情けないですわ。
「ますます怒りが増しましたわ」
アリューシュが踏み込んだ。
イータの爪が水平に走る。
身をかがめてかわし、大鎌を救い上げる。
のけぞり避けるイータ。
返す大鎌で斬り下ろす。
イータは鋭い牙で大鎌を止めた。
「ぐふふふ」
牙からヨダレが垂れ、大鎌に伝わる。
ひぃ~キモイ・・私の相棒が・・・・
デス・サイズ・グリード(大鎌)がまんして下さいまし。
イータの口の中に、大鎌を力いっぱい押し込んだ。
「がはぁ」
「魔法は効かない?体の中はどうかしら」
「ふがぁ」
「ドラゴニック・ライジング」
大鎌を伝い、雷撃がイータの体内を駈け廻る。
「ぎあぁぁぁぁ」
イータは焦げカスとなり、消滅した。
「私の大鎌が、こんなにばっちくなってしまいましたわ」
落ち込むアリューシュだった。
レミアスの魔法攻撃が荒れ狂う。
アリストの剣が全てを斬り裂く。
「剣で魔法を切り裂くとは。貴様は何なのだ」
「言ったろう、ただの敵だ」
アリストが一足飛びで踏み込む。
レミアスの剣が粉砕され、角が一つ斬り飛ばされた。
「ぐわぁぁぁ。私の角が~」
「1本、残っているだろ」
「おのれ~」
レミアスの魔力が上昇する。
「ハイ・フィーヴァ・ルーム」
アリストを結界に閉じ込めた。
「そこからは逃れられまい。超高熱空間で燃え尽きろ」
結界内の温度が上昇する。
「フッ。こんな脆い結界で閉じ込めたつもりか」
アリストの魔力が爆発的に上昇する。
「うおぉぉぉぉ」
飽和した魔力が結界を破壊した。
「信じられん。何なのだ」
一瞬で、レミアスの背後を取る。
残った角を掴み、地面に投げつけた。
「ガハァ」
地面にめり込むレミアス。
上空からレミアスに蹴りを落とし、踏みつける。
「ぐわぁぁぁ」
衝撃で、更に地面にめり込んだ。
「何を企んでいる」
「貴様が知る必要はない」
「そうか」
足に力を込める。
骨の折れる音が響く。
「があぁぁぁ」
「イザール教団と魔族の関係は」
「気になるのか、下郎が」
レミアスの目が泳いだ。
「フン、関係はありそうだな。素直に話せ」
剣で両足を切断。
「ぎゃぁぁぁぁ」
氷の様に冷たい目で見下ろすアリスト。
「消えた死体はどこに行った」
「貴様に言う事などないわー」
頭上に魔法陣が浮かぶ。
「死ねー」
魔法陣から黒い雨が降り注ぐ。
これは、マズい。
アリストは素早く離れる。
「いずれ、貴様らは死に絶えるのだーはははは」
黒い雨が降り注ぎ、レミアスが溶けていく。
「酸の雨か」
レミアスは酸の雨を受け、溶けて消滅した。
後には白い煙が漂っている。
こいつが言っていた魔族の名。
パリーゼ、そうか、300年前に聞いた名だ。
はぁ~キモイのは、もうイヤですわ。
次は、ベイル。お願いですわ。
え~俺かよ。
俺もキモイのはムリ。
仕方ないな。キモイ運がいいのだろ。
そんな運はいりませんわ~
タマ、なんとかして下さいまし。
がるがる
(イヤです)
やはり、お払いに行かなくては・・・・




