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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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不憫なアリューシュ

アザードの悪魔。

 200人以上が犠牲になった最悪の殺人鬼。

 その正体は魔族。


領主に成りすまし、町を支配する。

     あやしい教団、魔族の陰謀。

        囚われたエルフ達。近づく戦争の影。

 

立ち向かうアリスト達。

 王国を巻き込んだ陰謀なのか。


過去の英雄は、再び英雄になるのか。


がう。

タマの出番は増えるのか。


アジミール王国編、この先も目が離せない。


 

瓦礫の中から2体の魔族は立ち上る。

「いきなり、乱暴な女だ」

 上位魔族と下位魔族。

 アリューシュを先頭にベイル達も戦闘態勢だ。

「2体もいるなんて、聞いてないぞ」

「ベイル、あきらめなよ」

「お前は潔いな、レイラ。羨ましいぜ」

「バカ言ってんじゃないよ。あんたがリーダーでしょ」

「2人共、おしゃべりしてないの。集中よ」

 2人の戯言を制するクルーシ。

 よく見る光景だ。

「諦めは付いたか。下郎共」

 上位魔族の視線が動く。

「上ですわ」

 アリューシュの叫びと同時に天井が破られる。

 背後の天井を破り下位魔族が襲い掛かる。

「だはー。3体目はやめてくれー」

 ベイルが身構えるより早く、タマとアリストが飛び出した。

「グハァ」

 下位魔族は吹き飛ぶ。

 壁に衝突し、崩れ落ちる天上。

「タマ。やるな」

「がう」

 下位魔族は立ち上った。ダメージは無い様だ。

「邪魔をしやがって」

「不意打ちか。下等魔族にはお似合いの姑息な手だ」

「貴様、下等種族が」

「黙れ」

 アリストが静かに下位魔族を威圧する。

「グッ」

 アリストの覇気に、動けない下位魔族。

 なんだ、あいつは。本当に人族なのか。

 固まる下位魔軸から、視線を上位魔族に向けるアリスト。

「魔族。何を企む」

「フン。相変わらず質問の多い人族だ」

 上位魔族は両手を広げ、天を仰ぐ。

「これは、バリーゼ様の壮大なご計画だ。我らは従うまで」

 バリーゼ、聞き覚えのある名だ。

「我が名はレミアス。配下のイータにドラスだ。死ぬまで覚えといてくれ」

 下位魔族が2体か。

「なるほど。アザードの悪魔は2体いたのか」

「貴様らも悪魔の餌になれ」

 レミアスが魔法を放つ。

「ヘル・フレア」

 アリストの足元から暗黒の炎が上がる。

「ダーク・ブラスター」

 イータとベラスが同時に魔法を放つ。

 暗黒エネルギーがぶつかり、大爆発が起こる。

 屋敷の大半が吹き飛び、火の手が上がる。

「派手にやるな」

「これを防ぐか。ただの敵では無い様だ」

 球体の魔力障壁が全員を守る。

「これでは町中に知れるぞ」

「構わんよ。この町は我が支配下にある。どうとでもなろう」

「そうか、遠慮はいらないな」

 アリストの攻撃魔法。

「ブレイク・ショット」

 超高密度エネルギー弾がレミアスを襲う。

 レミアスは結界で防ぎ、同時にイータとベラスが動く。


アッリューシュが飛び込む。

 大きな口に鋭い牙を持ち、鎧を纏うイータ。

 振り下ろされた大鎌を、長い爪で受け止めた。


爬虫類の様な皮膚に大きな目と太い尾を持つドラス。

 三俣の鉾を振りかざし、ベイルを襲う。

 タマが雷撃を放つ。

 続けて、クルーシがウインド・スラッシュを放った。

 ドラスは素早い動きで雷撃をかわし、鉾を回転しウインド・スラッシュを弾く。

「がるぅ」

 タマが連続で雷撃を放つ。

 雷撃を避けるドラス。

 そこにベイルとレイラが斬り込んだ。

「うお~」

 ベイルの渾身の一撃を鉾で受け止めるドラス。

 横からレイラの剣が迫る。

 ドラスの太い尾がレイラの剣を弾いた。

「硬い皮膚だよ。弾かれた」

 尾がベイルを襲う。

 クルーシのフレイム・ショット。

 ドラスの尾が魔法を弾く。

「魔法も弾けるの」

「小賢しいエサどもが」

 ドラスは鉾の柄で床を叩く。

 床を雷撃が走り、ベイル達を襲う。

 タマが前に飛び出し、雷撃を吸収。

「雷撃を吸収しやがった」

 驚くドラス。

 こんな事が出来る魔物は雷獣か。

「なぜ、雷獣が人族と居るのだ」

 クルーシが得意げに言い放つ。

「雷獣?これだから魔族は。この子はタマよ」

 ・・・・・

 何を言っているのだ、この女は。

 ドラスの思考は、一瞬停止した。


タマは思う。

 この私を相手にして、雷撃とは笑わせる。

 雷撃で私を上回るのは一人しかいない。

 アリュシアの顔を思い出した。

 黙って出て行った事で、叱られている場面を想像してしまったタマ。 

 勝手に青い顔になる。

「おい、タマ。なんか大丈夫か」

 ベイルに心配せれるタマ。

「がう」

 ちょっと赤くなるタマだった。


アリスト様は問題無いですわね。ベイル達は。

 タマの顔が青くなり、赤くなった。

 ん?何をしているのでしょう。

 まぁ、タマが居るから大丈夫でしょう。

「よそ見か、女」

 イータの爪が迫る。アリューシュは後方に飛んで避た。

 爪は床を難なく切り裂いた。

 アリューシュの雷撃魔法。

「ライジング・ジャベリン」

 無数の雷槍が飛ぶ。

 イータが雷槍を爪で弾き、迫って来る。

 あら、この程度では効かないようですわね。

 振り下ろされた爪を大鎌で受け止めた。

「お前、美味そうだな」

 イータは顔を近づける。ヨダレが垂れた。

 ひぇ~

 アリューシュはドン引き。

 イータが大口を開け、噛みついて来る。

 アリューシュは避ける。

 ヨダレが飛ぶ。

 アリューシュは避ける。

 噛みついて来る。

 ヨダレが飛ぶ。

 もう、ムリですわ~

 アリューシュは蹴りでイータを弾き飛ばした。

 距離を取るアリューシュ。

「ぐふふ。お前は俺が食う」

 ヨダレを垂らし、気持ち悪い顔で舌なめずりをした。


アリューシュは思う。

 なぜ、なぜですの。

 前にもキモイ男を相手にするはめになりましたわ。

 なぜ今回も、私の相手はキモイのでしょうか。

 なぜ、世の中はこんなにも理不尽なのでしょうか。

 腹が立ってきましたわ。

 アリューシュから覇気が湧きたつ。

「あなた、キモイですわ。死になさい」


私、厄払いに行ってきますわ。


どうしたアリューシュ。


この所。運が悪いのですわ。

   精霊の祠に行ってきますわ。


何処にあるのだ。


エルフの森。


遠いな。あと、どのくらいかかるか。


そうでした。この王国にはないのでしょうか。


ない。


がーん。


タマ、エルフの森から精霊神官を連れいて来て下さいまし。


がう

(ムリ)


どーん


私、ハラワタが煮え繰り返してきましたわ。

 私のデス・サイズ・グリード(大鎌)で全てを切り裂いて見せますわ。

 おーほほほほほほっ


アリューシュも最近、壊れてきたな。タマ。


がるる~


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