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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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伯爵邸の魔族

この地下道は、アザードの悪魔のねぐらに続いているのか。

                 いよいよ正体を暴けるな。


腕がなるよ、ぶちかましてやろう。


私の魔法で息の根止めて上げるわ。うふふふ


クルーシがどんどん戦闘狂になっていく。

       どうしよう。


あら、頼もしいですわ。

 アザードの悪魔など、私のデス・サイズ・グリード(大鎌)のサビにしてあげますわ。

  ふふふふふふ


お前の影響か・・・・


がう

(流石、我が主の妹だ)


タマは、分かる雷獣ですわ。

 よ~し、よし。なでなで


ごろにゃ~ん


ちっ!

廃屋に現れた地下通路。最近作られた様に見える。

「地下道かよ。どこに繫がっているんだ」

 ベイルが覗き込む。

「行くか」

 ベイルは行く気満々だ。

「行きましょう。地下迷宮だわ」

 いや、クルーシ、違うぞ。ただの地下道だ。

「地下迷宮、お宝があるかも。楽しみだね」

 だから、ただの地下道だ。レイラ。

「タマ、お願いしますわ」

 タマが最初に地下道に入って行く。

 地下道には血痕が続いていた。

 真新しい通路から、古い地下道に出る。

 古い地下道を進んでいくと、新しく掘られた分岐点が数か所あった。

 町の地下に、こんな地下道が張り巡らされているとは。

 300年前。町の地下に脱出用に通路を掘った貴族がいた、と聞いた事がある。

 エルシアの貴族が治めていた町、アセーナル。それがこの町か。

 その地下道ならば、行く先は領主の屋敷か。

 新しく拡張した通路は何処に繋げたのだ。

 血痕は旧地下道を辿っている。


しばらく行くと、上にいく階段に行き着いた。その先の天井に扉だ。

 階段を上り、扉を押し上げる。

 そこは薄暗い地下牢。

 今は使われてはいない様だが、血だまりと肉片が目に入った。

「食ったか」

 アリューシュとタマが頷く。

「食べましたわね」

「がう」

 タマ、お前は人語を理解しているのか。

「ひどい・・・・」

 クルーシは青ざめ、顔を背ける。

「あまり見るな」

 ベイルがそっと受け止めた。

「アリスト。これは、もしかして・・・」

「レイラ、その通りだ」

「本当に人を食べるのね。魔族は」

「ああ、そうだ。だが、聞いていた人数より少ないな」

「はい、半数位のでしょうか。他の者は何処へ行ったのでしょう」

「それは、アリューシュ。アザードの悪魔に聞けばいい」


地下牢を上がると、屋敷内の廊下に出る。

 人の気配は無い。

「アリスト、ここは何処なんだ」

「おそらく、伯爵邸だ。ベイル」

「おい、伯爵がアザードの悪魔なのか」

 アリューシュが答える。

「正確には、伯爵に成りすました魔族ですわ」

「それじゃ、伯爵はもう・・・」

「伯爵だけではありませんわ。おそらく使用人も」

「食われたのか」

 ベイルは肩をすくめた。

「アリューシュ、クルーシ。魔力感知は最小にしてくれ。相手に気付かれる」

「はい」

 魔族ならば魔力感知にかかれば気付かれてしまう。

 まぁ、それはこちらも同じことだが。

 廊下の両側にいくつか扉があるが、人の反応はない。

 行く先に反応が2つ。

 この先は大広間の様だ。

 通路から覗き見る。

 メイドが食事の用意をしている。

「お姉様、あれは人なの」

 レイラは自分の目を疑った。

「あの首輪は・・・・」

 クルーシも驚いている。

「隷属の首輪か。早く助けよう」

 ベイルが動こうとすると、タマが行く手を遮る。

「ガルルッ」

「おい、タマ。なぜ止めるんだ」

「ベイル、死ぬところだったぞ」

「アリスト、それは・・・・」

 大広間から漂う異様な殺気に青ざめるベイル。

「ほう。この屋敷に侵入者か」

 アリストが大広間に足を踏み入れ、殺気と向き合う。


「お前がアザードの悪魔か」

 吹き抜けの回廊から見下ろす男が2人。

「これから食事なのだよ。礼儀をわきまえたまえ、下郎が」

 バーティス伯爵らしき人物が、不快感をあらわにする。

 アリストは不敵な笑みを浮かべた。

「魔族が礼儀だと、笑わせる。で、本物の伯爵はどうした」

「生意気な人族だ。まぁ、よい。伯爵か、この者が食したよ」

 横にいた執事がニヤリと不気味な笑みを浮かべた。

「老体は余り美味くねぇんだよなぁ」

「お前がアザードの悪魔か」

「町で騒いでいるあれか。俺の事だよ。アザードの悪魔、良い名前だなぁ」

 執事は愉快そうに笑う。

「このバカが我慢できなくてねぇ。少々やり過ぎたか」

 伯爵も不気味に笑った。

「魔族、魔力感知から消えたな。どんなカラクリだ。」

「フフッ。気になるか。いいだろう、教えてやる。これだよ」

 魔石の入った首飾りを見せた。

 あれは以前、盗賊が持っていた物に似ている。

「これは魔力の波動を消す魔道具だ。まだ、未完成なのだよ。魔力を高めてしまうと、消しきれなくてねぇ」

「珍しい物を持っているのだな」

「我が魔族の発明品だよ。我らの技術は素晴らしい。下等な人族には到底、真似の出来ない事だがね。ハハハハハッ」

 伯爵は声高々に笑う。

「なぜ、女性に隷属の首輪をはめて生かしている」

「なに、身の回りの世話をして貰うためだよ。自分でやるのは面倒でね」

「隷属の首輪は何処から入手した」

「悪いが、それは秘密だ」

「食ったのは半数はどだろう。他の者はどうした」

「フン、質問の多い人族だ。だいたい、貴様達は何者だ」

「気にするな、ただの敵だ」

「クククッ。そうか、敵か。ならば、アザードの悪魔を倒しに来たのだろう」

 2人の身体が魔族に変化していく。

「我らを倒して見ろ。下郎」

 回廊から飛び降り、向かって来る魔族共。

「アリューシュ」

 アリストが叫ぶ。

 アリューシュが飛び出し、大鎌で魔族2体を弾き飛ばした。

 魔族は壁を突き抜け吹き飛んだ。

 アリストは恐怖に震えるメイド2人を抱え隣接する部屋に飛び込んだ。

「もう大丈夫だよ。動かないで」

 メイド2人は震えながら頷いた。

 アリストは隷属の首輪に手を添える。

「ディ・スペル」

 隷属の首輪が外れ、床に落ちる。

 メイド達は驚いた顔をし、涙を流す。

「あ、ありがとう・・・御座います」

「ここから早く逃げなさい。冒険者ギルドに行けば保護して貰えるよ」

「はい」

 

メイド2人は急いで屋敷を後にした。


魔族よ~魔族よ~


おい、落ち着けよ、クルーシ。

 俺達、強くなったから倒せるぜ。


そうだよ。私の剣は限界を超えたのよ。


そ、そうね。落ち着きましょう・・・・・ベイル。



何を見ているの。


いや、あのメイドの服装がさ。


服装がなにかしら。


きわどいな。えへへへ・・・・・・( ゜д゜)ハッ!


へ~、ほ~、ふん~。


いや、冗談だよ・・・

 それより魔族だ。気合入れようぜ。


あとで、お部屋にいきましょうね、べ・イ・ル


ひぃ~


何をやっているのだ。


がう

(クルーシは怖い。学習)



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