表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

61/82

勝利と雷獣と違いの分かる女

戦いも決着が付きそうだぜ。


魔物もあと少しで全滅だ。


でも、出番がないわ。

 私の華麗な戦いが描かれないなんて・・・・早く終わらせてよー。




錫杖の音が響く。

 上空に現れた魔物が咆哮を上げた。

 巨大な雷撃がアリューシュを襲う。

 アリューシュは辛うじて避ける。

 纏っていた雷を巻きこみ、地上に炸裂する。

 地上の魔物達が一瞬で黒焦げになった。

 私の雷が吸収されてしまいましたわ。何て威力。

「くぁはっはっ。貴様では倒せまい。伝説級だぞ」

 デロスは優位に立ち、勝ち誇っている。

 アリューシュは魔物を凝視した。

「あれは・・・」


魔物が上空から降りてくる。

 雷を纏い、白虎の如く輝く体。首周りの毛は少し長く、王者の風格を要している。

 額に大小の角が2本。力強さを感じさせる太い4つ足。

「雷獣」

 なぜ、こんな場所に雷獣が。

「まさか雷獣が居るとは、な。貴様の運の尽きだ」

 デロスは見下す様な笑みを浮かべた。

「貴方の様な下等魔族が、操れる様な魔物ではないですわね」

「下等か。確かに今は下位魔族だ。だがこの錫杖が私の能力を高めてくれるのだ。そして私は進化をする。上位魔族になるのだよ」

 錫杖が振られた。

「殺れ、雷獣よ」

 雷獣が苦しんでいる。本能が抵抗している様だ。

「どうした、行け、雷獣」

 錫杖を振り、音が大きく響く。

 雷獣が空を蹴り向かって来る。

 咆哮を上げ雷撃の刃を放った。

 アリューシュは3重の魔法障壁を展開。

 2枚が破壊され、3枚目の魔法障壁が辛うじて雷撃の刃を止める。

 雷獣の鋭い牙がアリューシュを襲う。

 アリューシュは叫んだ。

「止まりなさい」

 雷獣の牙はアリューシュの眼前で止まった。

 やはり、この子は。

「何故動かない。そのエルフを殺れ」

 デロスは錫杖を激しく振る。

 雷獣は苦しんで、悲痛な唸りを上げている。

「可哀そうに。今、解放して差し上げますわ」

 アリューシュの覇気が膨れ上がる。

 雷撃魔法。

「ドラゴニック・ライジング」

 デロスが魔法で相殺を狙う。

「ダーク・ブラスト」

 アリューシュの魔法の威力に、ダーク・ブラストが押されていく。

「バカな、先ほどとは威力が違い過ぎる」

 デロスは全魔力を注ぎ込む。

「うおぉぉぉぉぉ」

 デロス眼前で大爆発を起こした。

「ぐぉ」

 爆炎に飲まれるデロスの前に、アリューシュが現れた。

 雷を纏った大鎌が迫る。

 錫杖で受けるデロス。

 大鎌の一閃が錫杖をへし折った。

 衝撃で吹き飛ぶデロス。

「錫杖がー」

 アリューシュが叫ぶ。

「タマ!」

 雷獣がデロスを襲い、首筋に喰らいつく。

 放電。

「ぎゃぁぁぁぁ」

「終わりですの、下等魔族」

 アリューシュの大鎌がデロスを両断した。

 左右に分断され、落ちていく。

 アリューシュは大きく息を吐いた。

「ムキになり、魔力を使い過ぎましたわ。反省ですわね」

 アリューシュは周囲を確認した。

 魔物はクレイズやベイル達がほぼ倒している。

 後方では、アリストの最強魔法が炸裂した。

「あの魔法はアブソリュート・ゼロ。美しい」

うっとりと見つめるアリューシュだった。



「アリスト様、素晴らしい魔法でしたわ」

 アリューシュが満面の笑みで駆け寄って来た。

「そいつは何だ」

 アリューシュの横で、デカい2本角の白虎がゴロゴロと喉を鳴らし甘えている。

「タマですわ」

 タマ・・・それがこの雷獣の名前なのか。

 この素晴らしい姿。相手を委縮させる様な王者風格。

 それがタマだと。イメージが湧かない。

「いや、そうでは無くて、なぜ伝説級の魔物がお前の横で甘えている」

「この子は、お姉様のペットですわ」

 ペット!

「私の為に、お姉様が送り出してくれたのでしょうか。嬉しいですわね」

「雷獣がアリュシアのペット。従魔では無くペットなのか」

「はい。ペットですわ。お姉様の2つ名は雷帝ですのよ。雷獣がなついても不思議ではありませんわ」

 雷獣も驚きだが、雷帝も驚きだ。

 確かにアイツは雷撃魔法を好んで使っていた。

 今や、雷帝の称号で呼ばれているのか。

 ん、待てよ。

「なぜ、その・・タマか、タマだと分かったのだ」

 アリューシュは当然の様に言う。

「他の雷獣とは全然違いますわ。一目でわかりましたわ」

 アリストは記憶をたどった。

 今まで遭遇した雷獣。それとタマ。違いが分からん。

「何処が違うのか、分からないな」

「何を言っているのですか。目が全然違いますわ」

 アリューシュは、少し怒っている。

 目か。いや、いくら見ても違いが分からん。

「目の何処が違うのかな」

 恐る恐る聞いてみる。

「タマの目は、カワイイ二重ですわ。直ぐに分かりますでしょう」

 アリューシュに睨まれた。

「あ、ああ。そうだな。カワイイ二重だ」

 分からん。


皆と合流すると、大パニックになった。

 クレイズは腰を抜かし、団員は逃げ惑う。ベイル達は3人で抱き合い震える。

 馬は死んだふりをし、エマルドは気絶した。

 まぁ、予想は出来たが・・・・予想以上だった。

 アルテシアだけは瞳を輝かせ「カワイイ」とモフモフしていた。

 大物になる予感がする。

 皆を落ち着かせるのに苦労した。

 護衛団員の負傷者は半数に及び、重傷者は10名、死者は出ていない。

 重傷者を治療する為にも、早く国境に行かないと。

 明日はいよいよアジミール王国だ。



大陸の東、エルフに国。首都エーリエ。

「エスカーニ」

「はっ。アリュシア様、いかが致しましたでしょうか」

「タマが居ないのです。知りませんか」

「見かけませんが、もしや」

「もしや、なんでしょう」

「常におそばを離れないタマがいないとなれば、妹君の所に・・・・」

「これは、行きましたね。タマも、仕方の無い子です事」

「ここ、100年程お会いになっておりませんので」

「はぁ~当分帰って来ませんね」


西の空を見上げ、微笑むアリュシアだった。



タマ、可愛いですわ。

 も~う、たまりませんわ。もふもふ


タマだけに、タマりませんわ。とは、ダジャレ攻撃か。


( ゜д゜)ハッ!

   ・・・・・・ハズカシイ・・ですわ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ