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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第三章~アジミール王国編~

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魔物と魔族と魔人

皆様、クルーシです。

 ここで王国の大体の配置をご紹介いたします。

 もう少し早くご紹介すればよかったですね。

 反省しています。

 では、ご紹介いたします。


中央大陸レアリム。この大陸の南に人族の王国が集中しています。

 北方面は火山地帯や未開の大森林。それと魔族領ですね。


最西端にミルガルド王国があります。資源豊富な魔法技術最先端の王国ですね。

 東南にアジミール王国。海沿いに王都がある軍事国家です。

 アジミールの北にある国がフシャルド王国です。


ミルガルド王国はこの2つの王国と隣接していました。

 しかし、フシャルド王国は200年前に滅亡し、その跡地は不毛地帯となりました。

 その為、東に向かうにはアジミール王国を通らなければなりません。


アジミール王国の東に最古の国、キルディア帝国が存在します。

 キルディア帝国の隣、最東端の王国。

 北東に1つの王国。

この2王国と隣接するのがエルフの国になります。


今はアジミール王国に入る所ですね。

 この先は、物語が進んだ時にお話しさせて頂きます。


では皆様、冒険を楽しんで下さい。ペコ

 

四方から迫る魔物の群れ。

 南の森林地帯からはブラッド・スネーク、デビル・グース、ライジング・ウルフなど60体以上。

 砂岩地帯からはサンド・ワーム、サンド・スコーピオン、サンド・リザードの40体が迫ってくる。

 空にはデス・ホーク30体が姿を現した。人の倍ほどの鳥型の魔物だ。


「ほう。先行させた2体は難なく倒した様だな」

 デロスはサンド・ワームの上に立ち、アリスト達を眺めた。

「黒髪がいない。だが、異質な魔力を感じる。魔人レンよ、アイツか」

 隣のサンド・ワームに乗るレンに問いかける。

「ああ、グゥゥ。あ、あいつだぁぁ。殺す」

 レンは半人半魔の姿に変貌していた。

 

 アリューシュの目は2体の魔族を捕らえた。

 この300年。どれだけの魔族を葬ってきたと思っているのかしら。

「クルーシ、南側は任せますわ。大きいのをお願いしますわ」

「はい」

 クルーシは周りを見る。

 魔法使い達が頷いた。

「行きます」

 クルーシは高々と杖を掲げた。

「インフェルノ」

 続いて、4人の魔法使いの複合魔法。

「フレイム・スラッシュ・ツイスター」

 巨大な火柱が上がり、魔物達が炎に包まれ舞い上がる。

 続いて巨大な炎の竜巻が2本出現。魔物達を焼き、切り裂き蹂躙していく。

 上空に飛来した魔物も竜巻に巻き込まれていく。

 クルーシ、成長しましたわ。

 アリューシュの魔力が上昇する。

 大鎌を大地に突き立て、両手を天に掲げる。

「ライジング・デス・ストーム」

 アリューシュの広範囲魔法。

 雷鳴が轟、暗雲が渦巻く。強風が無数の竜巻を発生させる。

 砂塵と共に魔物を巻き上げていく。

 地中の巨体、サンド・ワームをも巻き上げる。

 風刃が切り裂き、雷撃が焼き尽くす。


「やはりエルフは侮れん。魔族の大魔法に匹敵する」

 デロスは目の前に展開される魔法を冷めた目で眺めている。

 魔物の半数以上を沈黙させ、魔法は収束していく。

 デロスが魔法を行使しようと魔力を高める。

 消えゆく竜巻を切り裂き、眼前にアリストが現れた。

「な!」

 アリストの剣がデロスの首を狙う。

 デロスの錫杖が辛うじて剣を止めた。

「止めたか」

「貴様、飛行魔法を」

 叫んだデロスの頭上に殺気が迫る。

 とっさに後方に飛び上がるデロス。

 アリューシュの大鎌が、デロスが乗っていたサンド・ワームを斬り裂いた。

「キュシャァァァ」

 両断され、倒れるサンド・ワーム。

 アリストが追撃の剣を振り上げた。

 同時に魔族もどきが急速に迫る。

「コロォス」

 背後から剣の様に長い爪で襲い来る。

 剣で受ける。重い。

「くっ」

 アリストは身体ごと弾かれた。

 空中では衝撃を吸収しきれん。

 魔族もどきの身体は人の倍の大きさだ。皮膚は黒く硬質な外皮を纏っている。

 その手は魔物のような鋭い爪を要し、額から大きな角が一つ生えている。

 背には黒々とした翼が一対。

 顔には血を流した様な模様が浮きだし、真っ赤な目でこちらを睨んでいる。

 デロスは憎しみの表情で、アリストを見た。

 デロスの姿も異形だ。

 真っ赤な目が4つ。耳元まで避けた口。剝きだす2本の牙。

 大きな角が2本。漆黒の翼、獣の様な肌。長い尾を持つ魔族。

「貴様が魔王様を倒したアリストか。黒髪ではないな」

「気にするな。サルザードに聞いたのだろう。俺がアリストだ」

「本物か。だが、信じられん。人族ごときが魔王様を倒すなど」

「貴様が何を思おうが知らん。それより、このまがい物はなんだ」

「まがい物とは酷いではないか。魔人だ」

「魔人だと」

「そうだ。我らが創りだした魔人。こやつは貴様に恨みがある様だぞ」

 デロスは考えるふりをする。

「名は・・・そう、名はレンと言ったか。知っているだろう」

 デロスは挑発的に笑う。

 レンだと。この魔人が元は人なのか。

 唸りを上げ、レンはアリストに向かって突進する。

 アリストが迎え撃つ。

 鋭い爪と剣が打ち合う。


「我慢のきかない魔人だ」

 デロスはアリューシュを4つの目で見る。

「あの魔人、力は最高だ。知能は低いが。まぐれで勝利した人族など敵ではない」

「フン。そんなまがい物、アリスト様の敵ではありませんわ」

 アリューシュはデロスを睨む。

「貴方は私が相手をしてさし上げますわ。下等魔族」

 アリューシュの挑発に表情が一変するデロス。

「下等だと。生意気な。私を舐めるな、エルフ」

 デロスが錫杖を振る。シャリーンと音が響く。

 アリューシュの背後の地中からサンド・ワームが飛び出して来た。

 馬車をも飲み込む大口でアリューシュに迫る。

 デロスが勝ち誇った顔で叫ぶ。

「死ね、エルフ」

 雷撃がサンド・ワームを直撃。

「グシャァァァ」

 黒焦げになり、サンド・ワームは崩れていく。

「あら、焼き過ぎですわね。焦げてしまいましたわ」


「上空は魔法使いに任せろ。各自正面の魔物に全力で向かえ」

 クレイズの指示が飛ぶ。

 数は減らしたが、空からの攻撃は脅威だ。

 デス・ホークに魔法攻撃が集中する。

 無数の火球が上空を覆い、次々と打ち落とされる。

 ブラッド・スネークは鎌首をもたげ、鋭い毒牙を剥きだす。

 巨体とは思えぬ俊敏さで攻撃を避け、毒牙で襲い掛かる。

 団員は防御するも弾かれ、毒牙は岩をも砕いた。

 強力な毒が、岩や大地を腐食させる。

 再び鎌首を掲げ、獰猛な眼光で団員たちを見下ろす。

 ブラッド・スネークの後方からライジング・ウルフが飛び出し、雷撃が走る。

 結界が展開され、雷撃を防いだ。

 クレイズの視界の端にクルーシが映った。

 結界はクルーシか。反応が早い、流石だな。

 毒牙が迫る。

 クレイズがブラッド・スネークの攻撃をかわし頭部に剣を突き立てた。

「キシャァァァ」

 ブラッド・スネークが苦しみ巨体をくねらす。

 ライジング・ウルフが巨体を回避した隙を付き、弓矢の一斉掃射。

 次々に仕留めていく。

 クルーシの杖先に魔力が集中した。

 上空に、石や岩が集まり、大きな円錐形を構成。それを風魔法で回転させる。

「ウイング・ストーン・ディストラクション」

 高速回転の円錐石がブラッド・スネークを貫いた。


別の一画から叫び声が上がった。

「デビル・グースだー」

 巨体から放たれる鍵爪が団員を襲う。

「ぐわぁぁ」

 団員3人が吹き飛ばされる。

「くそっ、次から次に大物か」

 クレイズが向かおうとした時。

「あれは、私らが貰うよ」

「レイラさん」

「悪いな、クレイズさん」

「ベイルさん」

 後ろからレイラとベイルが飛び出して来た。

 2人はデビル・グースに向かって行く。

 クレイズが負傷者を確認すると、クルーシが団員に治癒魔法を施している。

「凄いな、アイツらは。負けられん」


クレイズは魔物の群れに飛び込んでいった。



ようし、魔物は任せておけ。

 その代わり、魔族は頼んだぞ。


魔物は、私の大魔法で丸焼きです。

 うふ、凄いでしょ。褒めてもいいのよ。


凄いよ。これで暴走しなければ最高だよ。


暴走とは、何のことかしら(;'∀')


まぁまぁ、クルーシは凄いでいいんじゃないか。


なにか、適当ですね。ベイル。


いや、そんな事は・・・・・

 ま、魔物がまだ沢山いるぞ。行くぞー。


チィ、逃げられたわ。


あらあら、みなさん張り切っていますわね。

 私も頑張りますわ。

次回も私は目立ちますのよ。うふふふふ

 楽しみにしていて下さいまし。




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