城砦都市ロージスへ
いよいよ出発だな。
アジミールとの国境方面は初めて行くぜ。
何が起こるか楽しみだよ。
私もよ。でも国境はどうやって越えるのかしら。
姿を消せる魔法があればいいのに。
その魔法は研究中ですの。
難しいですのよ。
昔、その魔法試して宿屋吹き飛ばしたって聞いたけどな。
そんな古い話、何処で聞いたのですか。
王都の宿屋では、伝説として語り継がれているらしいぞ。
ちょっとした手違いでしたの。おほほほほほっ(;'∀')
はぁ。
期待と不安を抱え、旅立つ一行だった。
アジミール王国へ向かう出発の朝。
国王達が見送りたいと願い出たが、丁重にお断りした。
冒険者の見送りに王族が出向くなど、大騒ぎになる。
ロニエスなど付いて行くと駄々をこね、泣きつかれて大変だった。
なんだかんだあったが、カミール商会本店の倉庫に集まった。
王国軍に武具納品も、無事完了した様子。
城砦の町と国境砦に納品する武器も無事揃ったようだ。
ガルフ、仕事が早い。流石だ。
荷馬車には、武具、鉱石、食料、装飾品などなど、多くの商品が積み込まれている。
「さぁ、こちらが皆さんのお入りになる荷になります」
エマルドが満面の笑みで指す方を見る。
「樽、酒樽か・・・」
全員が顔を見合わせる。
「はい、定番の隠れ蓑ですな」
アルテシアも「なにか?」みたいな顔をしている。
念の為、聞いてみる。
「これは、国境を通る時だけ入れば良いのですよね」
「はい。両国の国境を越える時にお願いします」
全員がイヤそーな声で返事をした。
「はーい」
荷馬車は3台、満載の商品を積んでいる。
エマルド親子、執事と侍女。4人の馬車が1台。
俺達と護衛団の為の馬車が1台の計5台。
護衛団の馬が18頭。俺達の馬が2頭。
御者は護衛団員が務める。
護衛団はクレイズを隊長に30人編成の大所帯だ。
まずは王都イクリオンから城砦の町ロージス。6~7日工程だ。
ロージスには1日間滞在する。棚卸と商談があるとか。
そこから3日で国境の砦に着く。
そして、アジミールへ向かう。
まずは城砦の町ロージスへ。
王都を出た所で、クレイズの護衛団と合流する。
武装集団が王都をうろつくと民衆が不安になるから、という配慮らしい。
「アリスト、ラタールの皆さん。今度も世話になる」
「こちらこそ」
クレイズと軽い挨拶をかわした。
王都を出発し、東南東に向かう街道を行く。
初日は、順調に街道を進んだ。
2日目
平野を抜け木々が増えて来た地点で、魔物と遭遇した。
キル・ペイン・マンティス(カマキリ型)が2体。
人より少し大きい、昆虫型のC+の魔物だ。
「アリスト、オークの借りを少しだけ返す。ゆっくり見物してくれ」
クレイズは笑いながら、部下と共に魔物に向かって行った。
「ベイル、今回は見学だ」
「何でだよ。俺達も参戦しようぜ」
「クレイズさんが、オークの時の借りを返すと言っている」
「返すなら、物でくれ~」
何となく、その気持ち分かってしまう。最近の俺。
クレイズの指揮能力は抜群だった。
魔法で先制攻撃。
水魔法、高圧縮水を細い線にして放つ。
高圧縮された水流は鉄をも切り裂く。
昆虫型の硬い脚を切り取った。
機動力を奪い、爆裂系魔法で視界とダメージを奪う。
カマを振るい、反撃するキル・ペイン・マンティス。
体格の良い戦士がカマを受け止めた。
その戦士を狙うもう1体。
火炎魔法が直撃。続いて剣士、戦士が怒涛の攻撃。
あっさり倒してしまった。
足を失った1体はクレイズ敵ではなかった。瀕死状態。
とどめは、フレイム・ハーストで丸焼きだ。
「良い動きだったろう」
戻って来たグレイスはドヤ顔だ。
どこかで見た顔だ。
な、ベイル。
3日目、
川を渡り、森林地帯を駈ける。
Cランク相当のキラー・ビー6体と遭遇。
馬の頭程ある蜂型の魔物だ。
俺達も参戦し、問題なく倒す。
続いて、巨大ムカデ、ルビアン・ハンドレット2体。
Bランクの魔物だ。
魔物の目がルビーの様に赤く輝き、高額で売れるそうだ。
ここは昆虫型の魔物が多い。
アリューシュとクルーシは魔法攻撃で、あっさり倒して見せた。
クルーシの成長ぶりには驚くほどだ。
この森林に入ってからレイラが大人しい。
どうやら昆虫型は生理的に無理だそうだ。
戦闘中は「キモイ、むり」と言って馬車から出てこない。
困ったものだ。
4日目
最大の難所。強力な、魔物の生息地。
エルーニ渓谷を通過する。
樽はイヤですわ。
あんな狭い所はキライですの。
そんな事より、なんでここは昆虫型が多いのよ。
虫は苦手なんだよ。
強気のレイラでも苦手があるのだな。
だって、カサカサ,にょろにょろ だよ。
ひぃ~キモイ。むりむりむ~り!
顔に似合わず、可愛いな。
な、なに言ってんのよ。(赤面、全開)
私にだって、苦手はあるわよ。
あら、レイラ、肩に黒光りの虫が・・・・
ひやぁ~
あ、倒れた。
あらあら、可愛いです事。うふっ
見た目通り、意地悪だな。
あら、見た目通りとは聞き捨てなりませんわ、ね。
あ、ベイルが呼んでる。
ぴゆぅー。
逃げられましたわ。
仕方ありませんわね。
次回は久々の戦闘ですわ。
楽しみですわね。




