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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第二章~王都編~

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英雄の丘とヨシュアの手紙

王都ともあと少しでお別れだな。


王都って楽しいわ。


そうだな。珍しい物が沢山あるしな。


みなさーん。お出かけですわよ。

 

俺達いつか行きたいと思ってたんだ。

 

皆さん、いい子ですわ。

 では、本文へご案内致しますわ。


しゅっぱ~つ。ですわ。




夕方には王都に戻った。

 すぐにガルフをエマルドに紹介する。

 エマルドは大喜びでガルフを歓迎した。

 ガルフはダルーシの店を休業し、身一つで王都に来た。

 エマルドが、ガルフ作品を見たいと言うので、俺の剣とアリューシュの大鎌を見せる。

 エマルドは感動の余り倒れたのだった。


 後日、聞いた話だ。腕は申し分なく、工房の質は爆上がりらしい。

 エマルドは大いに喜んだ。

 だが、問題があった。

 ガルフの報酬より酒代の方が高額になる。と、エマルドが笑っていたらしい。

 酒代を報酬と別にするとは、笑えるエマルドも度量がデカいが、ガルフ恐るべし。

 まぁ、エマルドさんが笑っているうちは大丈夫だろう。


 そして、アジミール王国へ向かう日まで後3日。

 何事も無く、冒険者の日々を過ごしていた。

 魔族の痕跡も綺麗に消えている。

 この所、俺とベイルは朝のカフィが日課になっている。

「アリスト。アジミールは今、どうなんだ」

「今はアジミール全体の治安が悪いらしいぞ」

「やはり、そうなのか。じゃ、それなりに用意だけはしておこうぜ」

「すまないが、先に行きたい所があるのだ」

「どこだい」

「友の墓参りに」

「友、300年前の戦友か。いや、英雄達か」

「ああ、昨日ロニエスに聞いたのだ。この王都に友の墓標があると」

「何だよ、水くせぇな。皆で行こうぜ。先人の英霊には、敬意を払わないと」

「ありがとう、ベイル」

「よし。皆、呼んで来る。でっかい花束を持っていこうぜ」

 良い連中だ。本当に。

 皆も、お参りしたいと言ってくれた。

 全員で「英雄の丘」に向かった。


 町の中央広場に出ると、俺とヨシュアの銅像が立っている。

「この銅像も本人に似ているよな。製作者は凄腕だな」

 ベイルは感心して、マジマジ見ている。

「もしかして、ガルフさんの作品だったりして」

「まさか。ねぇアリューシュは知っている」

 クルーシの問いに考え込むアリューシュ。

「ごめんなさい。ドワーフの作品だという事しか分かりませんわ」

「いいのよ。やっぱりドワーフの作品だったのね。流石、職人ドワーフね」

 たわいのない話をし、花屋で大きな花束を購入した。

そして、町の南に向かう。

 町の外れ、小高い丘の上に「英雄の丘」はあった。

 大きな石碑が立っている。

 石碑に文字が刻んである。

 英雄と名もなき戦士の魂 ここに眠る。

 この大きな石碑は、戦死した多くの魂を安らぎに導いているのだろう。

 自然と涙が零れる。

 石碑を過ぎると、広い敷地に20基の墓標が立ち並んでいた。

 名だたる英雄と呼ばれた者達の墓標だ。

 色とりどりの花が咲き、遠くに海が見える。

 心地よい風が、花の香りを運んでくる。

「綺麗な場所ですわ」

 アリューシュは泣いていた。

「美しく、見晴らしのいい丘だな。友よ」

 墓標一つ一つに祈りを捧げていく。

 ドワーフの英雄ガルフーシ、ドエル、ベガルド。

 エルフの英雄キルノール、フェグリン、エルリース。

大勢の戦友たち。

 クロム。お前もここに居るのか。

「皆と一緒で寂しくは無いよな」

 全ての墓標に祈りを捧げ、最後の墓標。

 ヨシュア、お前もここが良いのか。

「引きこもりのくせに、寂しがり屋だな」

 涙が溢れた。

最後に大きな石碑に花束を供え、全員で祈りを捧げる。

ベイル達3人も泣いていた。


「英雄の丘」から帰り、皆で夕食を取る。

 沈んだ気持ちをベイル達が盛り上げてくれた。

 部屋へ戻り、思い出した。

 ヨシュアの手紙を。

 ベッドに座り、開封する。色褪せた封筒。朽ちかけた封蝋。

 300年前から来た、友の手紙。


 拝啓、アリスト。元気にしているかい。

「拝啓と来たか」

 笑みがこぼれる。


 私は君の秘密にかかわる文献を見つけた。

 エルシアの王国の王城、地下深くに封印されていた。

 その内容は、私が調べ研究した内容と一致する者だった。

 だが、文献はその先が記されていた。

 君は王族に嫌われていた。それもこれが原因なのだろう。

 

 俺の秘密・・・・


 私も驚いた。君も驚くだろう。

 黒い髪の一族。それは、創世の時代。神話に繋がっていた。

 数万年前、天界で争いがおきた。天使と悪魔、天魔大戦だ。

 戦いは長きに渡り、激しさは増していった。

 その影響で、世界が歪み狭間が出来た。それが私達の地上世界だ。

 そして、降り注ぐ魔素と神気で多くの植物と種族が誕生する。

 そして、大戦は終わりを告げ、天使が勝利し悪魔は魔界に封印された。

 世界に混沌と秩序が生まれた。

 ここまでは君も知っているだろう。有名な神話だ。

 だが、これは実際に起こった話なのだ。


 神話が真実だというのか。


 天魔大戦は激しく、多くの天使や悪魔が命を落とした。

 長きに渡る戦いで、歪んだ空間の隙間から、数体の亡骸が零れ落ちた。

 私達の世界に。

 そして通れるはずの無い絶対結界を、傷ついた天使エルファエルと悪魔インドゥーラが地上に落ちてしまった。

 傷つき、存在値の下がった天使と悪魔。

歪んだ空間が絶体結界に一瞬の隙間を作り、そこに落ちたのだろう。


ここまでは、私もたどり着いたのだ。

 この先が重要だ。


 戦いは地上でも続き、2人の魔力、神気で地上は満たされた。

 そして、地上にある全てのものが、影響を受ける。

悪魔の亡骸から魔族や魔物が誕生した。

 天使の亡骸から、エルフ、ドワーフ、が生まれた。

そして、魔力と神気の両方を取り込んだのが人族と獣人だ。

戦いの果て、2人は相打ちとなり絶命する。

その亡骸から、上位魔族と、精霊が生まれた。

そして、天使と悪魔の交わった血からお前達、黒髪の一族が生まれたのだ。

黒髪の一族には隠された秘密がある。


だが、文献は朽ちていて、この先は読めなかった。

私の調査でも、これ以上は分からない。

エルシアの王家だけに伝わる秘文の様だ。

王族は君を嫌っていたのではない。恐れていたのだ。

王族は全て死に絶えてしまった。

だが、これは真実だと私は確信している。


人魔大戦で最初に滅ぼされたのは、黒髪の一族の集落だった。

これも隠された秘密に要因があるのだろう。

魔族はそれを知っていて、最初に狙ったのだ。


滅んだ君の故郷に秘密が隠されているかもしれない。

だが、君の故郷の場所を知る者はもういない。

もしかすると、長寿族のエルフであれば何か知っているかも知れない。

知りたければ、エルフの里に行け。友よ。


アリスト。何があっても、私はお前の友だ。永遠に。


最後に、天才ヨシュアより、と書いてあった。


衝撃の内容だったが、最後はヨシュアらしいな。

俺の秘密。一族の秘密。

世界に影響を及ぼす程のものなのだろうか。

父も母も、何も言わず逝ってしまった。

自分以外で黒髪の人族には出会った事が無い。

エルフの長老は生きているのだろうか。

どうせエルフの国には行くつもりだ。


いずれ真実は分かるだのろう。


ふふふふっ俺にも秘密がある。

 それは・・・・


ベイルの秘密かい。私も知っているよ。


えっ。


秘密って、あれだろ

 クルーシ・・・


わーーわーーー


何だよベイル。


墓参りも終わったから、もう行こう。

 いざ、アジミールへー


クルーシのケーキ食べちゃった事だろ。


なぜ、それを・・・・・


へ~食べちゃったの。

     私のケーキ。

ドキッ!


お仕置き部屋が活躍するね。

 がんばれ~ベイル。

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