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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第二章~王都編~

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鍛冶師ガルフ

今回はガルフの勧誘だ。

 でも、頑固なんだよな~


どうするんだい。


エマルドさんのお願いですからね。

 何とかしないと。


困ったな。


仕方ありませんわ。最終兵器をだしますわ。

 私の色仕掛けで落として見せましょう。ですわ、うふっ。


ワシはドワーフの女以外、興味無し。じゃが。


チィ、じじいが。


アリューシュ・・・・イメージ、イメージ。


( ゜д゜)ハッ!

 おほほほほほほほ、もう、いやですわね。

 翌日、王都に到着した。

 王都にはカミール商会本店とエマルド一家の本邸がる。

 アルテシアに宿泊先をしつこく聞かれ困ったが。

 アジミール王国に出発するのは20日後。条件は3日以内にガルフを勧誘する事だ。

 

 昨日はギルドに行き、依頼完了の報告と魔物の売却を行った。

 良い報酬額になり、皆大喜びだ。

 夜は、ガルフ勧誘作戦の会議?だ。

 ダルーシには転移で行く事しか決まっていない。

 何故か、俺が説得する事になった。

 おかしい。俺一回しか会っていないのだが

 今は宿屋の食堂で、朝のカフィをベイルと飲んでいる。

 2人共、癖になってしまった。流石だ、エマルド。

 とりあえず、ガルフさんに会いに行かないと。

「ベイル、ガルフさんに会いに行くぞ」

「転移だろ。複数人は無理だろ」

「いいや、余裕で全員いけるよ」

「マジか。転移出来るのも凄いが、複数を同時に転移出来るなんて聞いたことが無いぞ」

 なるほど、だから俺が説得する事になったのか。

「そうか、アリューシュも出来るぞ、たぶん」

「あら、私は3人までですわ。それ以上ですと、歪んだ時空に挟まれて死にますわ」

「アリューシュいたのか」

 しかし、サラっと怖い事を言う。

 ベイルが青ざめているぞ。

「そもそも今の時代、転移を使える者はそれほどいませんのよ。アリスト様」

「そうなのか。魔力の消費量は多いが、あの頃は沢山いたぞ」

「そうですわね。大戦以降、魔法技術は発展致しましたわ。ですが、個々の魔法能力は後退しているかも知れませんわ」

「そうだな」

 あの頃の仲間達は皆、凄かったのだな。英雄と呼ばれていない者も転移を使えていたしな。

「それでは、全員で行くか」

「本当に、大丈夫か。アリスト~」

 びびっちゃたったよ。

「大丈夫だ、ベイル。信用しろ」

「お、おう。じゃ、レイラとクルーシを呼んでくるな」

 

全員が揃い、宿の外に出た。裏路地だ。

 アリューシュが言うには、転移を使えると知られれば有象無象が寄って来るらしい。

 利用する為だそうだ。

なるほど、面倒くさい事だ。

「私、転移何て初めてだよ」

「私もよ。ワクワクしちゃう」

 女子2人は遊び気分だな。まぁいいけど。

 ベイルだけ青ざめている。

「じゃ、行くぞ。転移」


「おーここはダルーシか」

「本当に、一瞬だね」

「なにか、ふわふわした感覚だったわ」

 3人は大はしゃぎだ。

「ここはダルーシの裏路地だ。もうそこがガルフさんの店だよ」

「すげー」

 更に大はしゃぎする3人。

「はいはい、皆さん行きますわよ」

 アリューシュが先にスタスタと向かって行った。

「待ってくれよ。アリスト、ガルフさんは俺が説得するからよ」

 ベイルは慌てて駆け出した。


「ガルフさん、いるかい」

 ベイルが声をかけ、店内に入る。

「何じゃベイルか。今日は何用じゃ」

「今日はガルフさんに話があるんだ」

「話じゃと。武器なら安くはせんぞ」

「違うよ。たぶんいい話だよ」

「いい話じゃと」

 ガルフはメンバー全員を見る。

「ん、そこのエルフの嬢ちゃんは」

「お久しぶりですわ。ガルフ」

「おうおう。アリューシュの嬢ちゃんかい」

「80年ぶりくらいかしら。でも、お嬢ちゃんはおやめくださいまし」

「いや、すまんのう。もう癖になってしもうたわい」

「私の方がお姉さんですのよ」

 笑う2人。

 ポカーンとする3人。

「アリューシュ、知り合いだったのか」

「アリスト様。ガルフは幼い頃からの友人ですのよ。この大鎌もガルフに鍛えて貰った一品ですわ」

「どうりで、素晴らしい出来だと思ったよ」

「どれ、大鎌を見せてみろ」

「あら、無償で見てくれるのかしら」

 アリューシュは大鎌にかけられた布を外し、ガルフに預けた。

 ガルフの顔は真剣だ。

「あなたの自信作ですわ。刃こぼれ一つなくてよ」

「フン。これは使い手が良いのじゃ。何も問題はない」

「あら、褒めて下さるなんて珍しいですわね」

「フン。ワシも褒めるぐらいはするぞ」

「うふふっ」

「レイラ、お前の防具も見てやろう。少し傷んでおるようじゃ」

「本当かい、ガルフさん。ありがとう」

 レイラは喜んで防具を外しガルフに渡した。。

 武具の状態を見ながらガルフは問いかけた。

「で、話は何じゃ」

「実は・・・・・」

 ベイルが勧誘を始めた。


「なるほどのう。それでワシを、か」

「ああ。ガルフさんにとってもいい話だろう。設備も資材も使い放題だぜ」

 ガルフはレイラの防具を補修しながら考え込んでいる。

「カミール商会と言うたのう。悪い噂は聞かんが」

「だろう。良い話じゃねぇか。報酬も言い値で払うってよ」

 ガルフは神妙な顔で答えた。

「金の問題ではないのじゃ」

「ガルフさん」

 ベイルは思う。

 きっと、大量生産では魂を込めた物を作れない。とか、自分が信頼した相手にしか作らない。て、言うのだろうな。

 ベイルは少し感動を覚えた。

 しかし。

「人の言う事を聞くのが嫌なんじゃ」

「はぁ」

「偉そうに命令されると腹が立つんじゃ」

「いやぁ、そこは。さぁ」

「だいたい、好きな時に酒が飲めないだろうが。作りたい時に作る。飲みたい時に飲む。そこは譲れん」

 ダメだ、このじじい。

 いや、気を取り直して。

「あそこの旦那はさぁ、話が分かる人だと思うぜ」

 ベイルを無視して、ガルフは淡々と防具を修復する。

「終わったぞ。傷ついたら、また持ってこい」

「ありがとう。ガルフさん」

 レイラは防具を抱かかえ、深々と頭を下げた。

 見守るベイルはため息を一つ付いた。

「我がまま言う年じゃないだろう。思う存分腕が振るえるんだぜ」

「ベイル、年とはなんじゃい。ワシはまだ若いわ」

 渋い顔のガルフ。

 ベイルは、また思った。

 確か300才超えてたよな。十分じじいだろ、と。

 アリューシュが不敵な笑みを浮かべ、ガルフに近づいた。

「ガルフ。良い事を教えてあげますわ」

「なんじゃ、アリューシュ嬢。アンタの頼みでも聞かんぞ」

「ふふっ。ちょっとお耳を拝借下さいまし」

 アリューシュが耳元で何か囁いた。

 ガルフの表情が変わる。

 いや、変わるというより驚愕している。

 アリューシュは微笑んでいる。

 ガルフの俺を見る目がおかしい。

 神を崇拝するようなつぶらな瞳。


 似合わん。やめてくれ。


「よし、ベイル。その話、受けた」

「おお、本当に受けてくれるのかい」

「本当じゃ。店を閉めるぞ。今すぐ行くのじゃ」

「急に乗り気になったな」

 不思議そうなベイル。

「おっと、その前に、お前らの武器も点検してやろうかの」

 そう言って豪快に笑った。

 無茶苦茶機嫌が良くなったぞ。

「アリューシュ。何を言ったのだ」

「うふっ。ガルフは330才ですの。それで、アリスト様の事を少し」

 アリューシュが意地悪い笑顔を見せる。

「アリスト様のお役に立ちたいそうですわ」


ガルフの爺さんの勧誘も成功したぜ。

 これで、出発を待つばかりだぜ。


アリストが行きたい所があるらしいから、次回はそこにいってくるぜ。

 

 俺達は自由な冒険者だからな。行きたい所へ、みんなで行けばいいだろう。       


少し しんみり しちゃうかもだぜ。

          がまんしてくれよ。

以上、ベイルでした。

  

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