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魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第二章~王都編~

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エマルドの恩返しと依頼

前回は雨も凄かったわね。


アルテシアも凄かったですわ。


それは、削除してくださ~い。


今回はエマルドの圧も凄かった。


あらあら、親子で似ていますのね。

夜、雨は小降りになっている。

 野営地に結界を張る。魔物も雨も防いでくれる。

 野営の食事は豪華だ。

 流石、大店の商人。野営とは思えない食事だ。

アルテシアは上機嫌で、すっかり皆と仲良くなった。

「素敵なお姉様方と知り合いになれるなんて、とても嬉しいです」

「私達も可愛い妹が出来た気分よ。ね、レイラ」

「そうね。私も嬉しいよ」

「私が一番上のお姉さんになるのかしら。ちょっと複雑ですわ」

 笑いが起き、女子で盛り上がっている。

 食事が終わり、エマルドが黒い飲み物を持ってきた。

 以前、飲ませて貰ったカフィだ。

「アリストさんカフィです。どうぞ」

「ありがとう御座います」

「ベイルさんも、どうぞ。少し苦みがありますが、美味しいですよ」

 一口飲む。香りは良いが、苦い。

 だが、2回目のせいか、何となく癖になる味だ。

 ベイルは渋い顔で俺を見る。

 見ないでくれ。

「どうですか。癖になるでしょう。徐々に民衆にも浸透しますよ」

 笑顔のエマルド。

 確か南の方からの取り寄せとか言っていたな。

 確かに癖になりそうだ。

 カフィを飲みながらたわいもない話をしていると、ベイルが不意に尋ねた。

「エマルドさんはアジミール王国にも行けるのかい」

「はい、アジミールの王様から通行許可書を頂いておりますので」

「おい、アリスト」

 その手があったか。ベイル、たまにはやるヤツだ。

「アリストさん、アジミール王国に御用でもあるのですか」

「エルフの国に行くのに、必要なので」

「エルフの国ですか、何かご事情も御有りなのでしょう」

 エマルドは笑顔で頷く。

「今、アジミール王国との関係が悪化しています。ご存じでしょうか」

「はい」

「普通に入国は出来ませんが、手はあります」

「本当ですか」

「はい。商品の中に隠れて頂きます」

 えっ。

 エマルドは「普通ですよ」みたいな顔で言っている。

「護衛や従者ですと入国時と出国時の人数の違いを咎めらます。捕まってしまいますね」

ベイルが不安そうに尋ねた。

「でもよ、荷物検査とかされるだろう。槍で突いたりするやつ」

 エマルドは笑った。

「はははっ。ベイルさん、大丈夫ですよ。そこは、色々やり様があると言うもの」

「そうなのか」

「はい。我が商会はアジミールでも貴重な鉱石や我が国の特産品を多く扱っております。優遇して頂いておりますので」

「そうか。安心したよ。槍で刺されるのかと思ったぜ」

 バレたら刺されるぞ、ベイル。

まぁ話からして、警備兵を手の内に入れたのだろうけど。

「一つ、懸念があります」

「何でしょうか」

「アリストさんの黒髪です。アジミール王国でも黒い髪は見かけません」

「目立ってしまうと」

「はい。入国規制をしていますから、黒髪を見れば捕まる可能性があります」

「なるほど。でも大丈夫です。髪の毛の色を変える魔法がありますから」

「そんな魔法もあるのですか。そうですか。それならば、問題ありません」

「では、お願いします」

「はい。喜んでお手伝い致します。アリストさんは、2度も命を助けて頂いた恩人ですから」

 エマルドは快く承諾してくれた。

「所で、アリストさん。腕の良い鍛冶職人を知りませんか」

「鍛冶職人ですか」

「はい。実は王国兵士団から武具に注文を受けたのです」

 王国兵士団、平民主体の王国軍。指揮官はガウス将軍だったか。

「武具も扱っているのですね」

 エマルドは慌て答える。

「私はこの国の民です。勿論、武具の扱いは国内のみ。他国へ売ったりは致しませんとも」

「いいえ、疑っているのではありませんよ」

「いや、はははっ。手厳しいですな」

「それで、何故ですか」

「はい。鍛冶職人の長が暴漢に襲われ、重症を負いました」

「襲われた」

「はい。同業者の仕業でしょう。長には済まない事をしてしまいました」

「騎士団は」

「証拠はないのです。暴漢も後日、死体で発見されました」

 証拠隠滅、利権の奪い合いか。

商売も戦争も中身は変わらない。

「工房の質が落ちてしまいました。名工と呼ばれる鍛冶職人は数人しかおりません」

「だから私達に」

「名のある冒険者の方でしたら、私どもの知らない隠れた名工をご存じかも知れないと」

「隠れた名工ですか」

「数日中に稼働しなければ納品期日に間に合いのです」

 商人にしては正当な方だろうか。種族差別も無い様だが。

「粗末な武具では国防を担う兵士の命は守れません」

 話を聞いていたベイルが耳元で囁いた。

「なぁ、ガルフの爺さんはどうだ」

 あのドワーフの爺さんか。

「でも、頑固そうだぞ」

「確かに頑固だが、腕は王国一だぜ」

 2人の話に聞き耳を立てていたエマルドが興奮する。

「ご存じなのですか。名工を」

「はい。ですが本人の意思を確認しなければ」

「そうでしょう。そうでしょう。必要であれば私、土下座でも何でも致します」

 物凄い勢いで迫ってくる。顔が近い。

「ドワーフの職人なのですが」

「おお、ドワーフですか。ドワーフの技術はすばらしい。是非この目で見てみたいものです」

 目がキラッキラッ輝いている。

 うっ・・・ことわり・・づらいな。

「わ、分かりました。王都に戻ったら、本人に聞いてみましょう」

「ありがとう御座います。お願い致します。報酬はいくらでも出します」

 ガルフさんにそんな事言ったら大変な事になるのでは。

「そう、お伝え下さい」

 エマルドは満面の笑みでカフィのお変わりを持ってきた。

 

アジミールに行けそうだな。


正確には密入国だけどね。

 なんか、楽しくなりそう。


レイラの悪い所ですね。

 そんな悪い事、ワクワクしちゃう。


その前に頑固じいさんを連れてこないとな。

 俺が説得するぜ。


酒が10樽位必要じゃないか。


ワシはアル中かー


次回 ガルフ登場?


言う事を聞かない時は、私の大鎌で・・・・・うふっ


怖いよ



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