過去からのメッセージ
今日はこのベイルがプチ情報をお届けするぜ。
この世界の命あるものは全て魔力を持っているんだ。
だけど全員が魔法を使える程魔力がある訳じゃないんだぜ。
魔力を具現化して、魔法を行使出来る者は一部の者達だ。
魔力があっても少し火が出せるとか、飲み水くらいは出せる位の者もいるぜ。
一番多いのは、魔力は有るが何も出来ない人達だな。
魔力量は人それぞれ違うからな。
例えば、レイラの場合。少しは魔力がある。
そこで魔力消費が少ない身体強化魔法を駆使して戦う。
レイラの場合は最大で1時間くらい持つようだな。
魔力切れを起こすと動けなくなるようだから、滅多に使わない。
俺は使えないんだよな(涙)
いざって時にはクルーシに頼むんだ。
ちょつと情けないけど仕方がない。
レイラ位でも余りいないし、多くは俺と同じだからな。
レイラより、もう少し魔力があると武器や防具に魔力付与も出来るらしい。
長くは持たない様だけど。
まぁ、こんな感じだ。
みんな、俺達の活躍を楽しみにしてくれよ。
じゃあな。
王はゆっくりと辺りを見回した。
「さて、冒険者殿とマクレース公爵。将軍、宰相。それ以外は退出してくれ」
国王の発言に城内がざわついた。
「大丈夫だ。王国最強の将軍がおるであろう」
皆は渋々退出して行った。
謁見の間に8人が残った。王以外は不安な顔をしている。
国王が口を開いた。
「冒険者殿、名を教えてはくれないか」
「アリストと申します」
「アリューシュと申します」
「アリスト殿にアリューシュ殿か」
王はアリューシュを見る。
「アリューシュ殿はエルフの女王アリュシア様の妹君ではないかな」
マクレースと俺は驚いた。
はぁ、アリュシアが女王だと。
300年前、エルフの王は首都陥落時に亡くなられた。
確かにその後はアリュシアがエルフを率いて戦っていたが、あいつ王族だったのか。
「はい。ご存じでしたか」
アリューシュ、お前も王族か。あ、妹だものな。
「我が王国とエルフ族とは建国以来、友好関係を結んでおる。存じ上げて当然なのだよ」
「私は冒険者で御座いますわ。お気づかい無用に御座いますわ」
「そうであるか。この所、隣国との情勢が悪くエルフ国とは疎遠になってしまった。申し訳ない」
「気にかけて下さり、ありがとう御座います。ですが、エルフは強い一族です。心配ご無用ですわ」
「そうであったな。アリューシュ殿、何かあれば王家を頼って欲しい。我らは友であろう」
「はい」
アリューシュは笑顔で頷いた。
「そして、アリスト様」
ん、アリスト様・・・
王と王妃は玉座から降りて、目の前まで来た。
「ご無礼致しましたアリスト様」
王と王妃が平伏する。
全員が驚愕した。
俺も驚いた。
「父上、母上。なにを」
「何をなさっているのです」
「バカな事はおやめください」
などなど。慌てふためいている。
「静まれ」
王の一言で全員が静まる。
「レオニス、お前も平伏するのだ」
王太子のレニオスは困惑しながら従った。
「こちらのお方は、300年前魔王を討伐した英雄アリスト様ですぞ」
全員の時間が一瞬止まり、さらに驚愕が起きる。
「はぁ」
「嘘だろう」
「300年前の英雄」
「そんなバカな事が、本当なのか」
全員が動揺し、疑いの目を向ける。
「皆、落ち着くのじゃ」
王は皆を嗜め、こちらを見る。
「私はカステリオス・ミルガルド、王妃ネモーニ、長子のレオニスで御座います」
「王様、何をなさるのです。お立ち下さい」
「いいえ、アリスト様。我が王家に伝わる始祖ヨシュア王の遺言があります」
ヨシュアの遺言。
「いつの日か黒髪の英雄アリストが訪れる。我が子孫よ、世界を救った英雄の帰還だ。最上の敬意を持ち、協力と礼を尽くせ。と」
ヨシュア。俺が飛ばされた事がわかったのか。
「王家にとって、ヨシュア王のお言葉は絶対で御座います。そしてこの水晶と手紙を渡す様にと」
王は水晶と手紙を差し出した。
「水晶に魔力を込める様にとの事です」
手紙は古びた羊皮紙で封印魔法が掛けてある。
何か重要な内容か。
で、水晶には魔力を込めるのか。
「水晶は試しましたか」
「失礼ながら試しました。しかし、何も起きませんでした」
「そうですか」
水晶に魔力を通してみる。
水晶が光り、水晶の中に人物が浮かび上がる。
覗き込んでいる全員が驚いた。
水晶に懐かしい人物が映っている。
ヨシュア。お前、随分と年をとったな。
水晶の中のヨシュアが話始めた。
「これを見ていると言う事はアリスト、やはり生きていたのだな。嬉しいよ。子孫の者よ、見ているかい。私がヨシュアだ」
「おお、この方がヨシュア王か。こんな事が、こんな魔法が在るとは」
皆が驚いている。
「この水晶はアリスト、君の魔力にしか反応しないのだ。凄いだろう。私は天才大魔導士だからね。だから分かったのだ。戦場の痕跡、君の魔力残滓の流れ、膨大な資料と研究、そして検証。その結果、君は死んではいない。膨大な魔力爆発の時、君は転移の魔法を使ったのだろう。その時に起きた時空の狭間に落ちてしまったのだ。行先は未来。そこまでしかわからなかったがね」
本当だな、お前は天才だ。
「君のおかげで世界は救われた。魔王は倒れ、人々に笑顔が戻ったよ。フフッ。君にお礼が言いたかったのだ。共に戦った全て戦士の思いだ。ありがとう。まだ、多少だが魔族の脅威は残っている。それは問題ないのだが、ここからが重要だ。魔王の死が不確定なのだ。何百年後かに復活する恐れがある」
衝撃的な言葉に全員が凍り付く。
「アリストよ、願わくは、平和な時代に生きて欲しい。地獄の様な戦いの日々を忘れ、幸せになって貰いたい。だが、魔王が復活してしまったら、君しか倒せないだろう。君が魔王復活と同じ時代に居るのかは、分からない。だが、君が時空を超えた意味があるのだろう。その時、君の力でもう一度世界を救ってほしい。君に全てを押し付ける様ですまない。アリスト、私の盟友よ。おっと、もう水晶の容量が限界だ。お別れだ。世界を頼んだ。あ、もし王になりたければこの国をやろう。どうだ。ハハハハッ」
映像は切れ、水晶は光を失った。
全員、俺が本物のアリストと信じた様だ。
「アリスト様、これは」
「王様、間違いなくヨシュアでした」
「魔王復活の兆しはあるのでしょうか」
王の顔は青ざめている。
「わかりません。これはヨシュアの予測でしかありません。しかし、警戒と準備をしておく事に越したことはありません」
「そうですな。そう致しましょう」
そう言うと、王と王妃は難しい顔をしている。
後ろに控える王太子も複雑な表情をしていた。
「カステリオス王よ、いかが致しました」
「いや、その、ヨシュア様の最後のお言葉ですが・・・」
ん、最後の言葉。
(もし王になりたければこの国をやろう)
ああ、あれか。
「私はこの国を貰おうとは思いません。ここは貴方達が作り上げた国。ヨシュアの冗談でしょう」
「おお、そうでありますか」
王も王妃も安堵の表情を浮かべた。
王太子は緊張のあまりか、へたり込んだ。
「カステリオス王。私の事は内密にお願いしたい」
「内密で御座いますか」
「私の存在が知れれば、混乱が起きるかもしれません。それに、私を利用しようとする貴族が出て来るでしょう。面倒です」
「なるほど。お恥ずかしい話ですが、今回の件の様に我が王国の貴族も信用出来ぬ者がいますからな」
「お願い致します」
「承知致しましたぞ。して、アリスト様。今回の件、魔族が関わっている様ですが」
「魔族が護送中の罪人の口封じに現れました。今回は撃退致しましたが、魔族が暗躍している事は間違いありません」
「うむ。皆さまが無事で何よりですが、魔族とは脅威でありますな」
「ですが、今回の件は魔族が手を引いたようです。関わりを示す証拠は出てこないでしょう」
「証拠を消して逃げたのでしょうか」
「魔族は狡猾な種族です。他にも何か仕掛けている可能性が高いです」
「そうですな。警戒を強めましょう。話は変わるのですが、この後晩餐会を開こうと思いますが」
「大変ありがたいのですが私達はこの後、闇奴隷商に騎士達と踏み込む予定ですので」
「なんと、アリスト様とアリューシュ殿が今回の討伐に参戦されますのか」
カステリオスは激怒した。
「ガウス将軍、これはどういう事か」
ガウスは青ざめる。
「これは・・・」
「カステリオス王、良いのです。騎士団長に頼まれました。私達は冒険者なので」
「うむ。そうでありますか。心苦しいですが、お願い致します」
カステリオスは俺達に一礼し、ガウス将軍に頭を下げた」
「将軍。済まなかった」
ほう。部下に素直に謝罪出来るのか。感心、感心。
「後日、お話がありますので拝謁のほどお願い致します」
「承知致しました。いつでもお越し下さい」
こうしてヨシュアの子孫との初対面は終わった。
ヨシュア。老けたな。
仕方あるまい。魔法の研究には膨大な時間がかかるのさ。
あの水晶の魔法は30年の成果だぞ。
褒めろ、天才だと認めやがれ。
真っ黒頭のむっつりスケベが。
カッチーン
お前は変態魔法オタクの引きこもりだろうが。
変態とは心外だー
顔も頭も私の方が数段上てあろうよ。
むっつりスケベ。
はいはい、魔法オタクのよっちゃん。
よっちゃんはやめてくれ~
私の一話目のイメージがぁぁぁぁ




