護衛騎士団(摩擦)
さぁ、仕事だぞ。
一生遊んで暮らすには、あと金貨何枚だ?
呆れて、物も言えないよ。
だってよ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴォォォォ!
(魔人が現れた)
ヒィ!
魔人はベイルを引くずり、去って行った。
本当に男は、怠け者ばかりですわ。 チラッ
よし、がんばるぞー・・・・(;'∀')
広場に出ると、騎士団は馬車の用意を整え整列していた。
「バストミル殿、準備をお任せして申し訳ない」
「ベイル殿、これは我らの仕事ですのでお気になさらずに」
バストミルは金髪の精悍な顔立ちの騎士だ。
物腰が柔らかく、横柄な態度は微塵もない。さすが辺境伯爵のご子息だ。
「隊長、なぜ冒険者などと行動を共にするのですか」
「ミカリス、失礼だぞ」
ミカリスと呼ばれた色白の騎士が、蔑んだ目でこちらを見る。
「こんな下賤の輩なぞいなくとも、我らだけで十分です」
「見かけだけの腰抜け騎士より、よっぽどいいぜ」
あ、レイラがキレた。
「キサマ、騎士を侮辱するか。女とて許さんぞ」
「ハン、何かと女、女って。使えない男に限って女差別するのさ」
「レイラ、おやめなさい。貴方の品まで落ちてしまいますわ」
「アリューシュ、だけど」
「私達の為に怒ってくれたのでしょ。もう十分ですわ」
アリューシュになだめられ、レイラは下を向いた。
「ミカリスもいい加減にしろ。辺境伯騎士団の品格を下げる行為だぞ」
「チィ」
ミカリスは舌打ちし、列に戻った。
よほど、冒険者が嫌いらしいな。
「ラタールの翼の皆さん。部下の言動、失礼致しました。謝罪致します」
バストミルは深々と頭を下げた。
「謝罪を受けますわ、隊長さん。今後私の仲間の侮辱は許しませんのよ」
アリューシュの言葉にレイラは感動する。
「お姉さまー。うれしい」
アリューシュに抱き着くレイラ。呼び方が、お姉さまにランクアップした。
そこにマクレース辺境伯爵がバーラダとメイドを連れ合流した。
「皆、ご苦労。では出発しよう」
馬車3台。罪人5名。騎士10名。冒険者5名。御者6名。
辺境伯一行5名の危険な長旅が始まった。
騎士の罪人を載せている為、テーベに寄らず直接王都イクリオンに向かう。
およそ、30日の工程だ。
当然、騎士達とラタールの翼の仲は険悪な感じだ。
先頭に騎士団、中央にマクレース辺境伯爵、最後尾の罪人の馬車と並んでいる。
騎士の6名は馬に乗り、俺達には2頭与えられた。
馬に乗るのは俺とアリューシュだ。
ラタールの翼は最後方の罪人の馬車が警護担当になる。
初日は何事も無く夜を迎えた。
「ねぇアリスト、このメンバー大丈夫か。騎士共の態度が悪すぎるよ」
「レイラ、気持ちは分かるが我慢しよう」
「でもさ、気分悪いぜ」
「何かあれば、私達の力が必要になりますわ。気にしてはいけませんのよ。ね、レイラ」
「わかったよ。お姉さま」
頭をなでなでされるレイラ。
「レイラは、おりこうさんですわ。食事の用意をお手伝い致しましょう」
レイラはすっかりアリューシュに懐柔されている。
やれやれだ。
食事はメイド3人が作ってくれる。
俺達も手伝ったが、メイド達に偏見の目は無い様だ。
3人のメイドは戦闘も出来る様で、罪人に食事を与えるのもメイドの仕事だ。
夜間の見張りは交代制が一般だが、俺達が見張りに着くと、騎士達は交代にこない。
見張りに出たベイルとクルーシが文句を言いに行くのを止めて、俺が結界を張った。
俺の結界があれば、見張りは寝ていても問題ない。
バストミルには事情を話し、今夜はこちらで見張りをすると伝えた。
2人はゆっくり寝むれた様で何よりだ。
昔も騎士という生き物は気位だけは高かった。
翌日、バストミルが謝罪に訪れ、夜の見張り番は交代するようにはなった。
だが、騎士達とベイル達の険悪なムードは変わらない。
マクレース辺境伯は冒険者を好意的に見ている。
貴族には珍しく冒険譚を聞くのが楽しい様で、良く話を聞きに来る。
騎士達との摩擦は、見守っていると言う感じだ。
3日目、
周囲の木々が増え、森林街道に入った。
町を出て、初の魔物に遭遇。
隊の行く手にゴブリン18体が現れた。
まったく。何なんだい、あの騎士達は。
ほんとよねー。あいつ、神経質で根暗なのよ。
流石に、私もイラッとしましたわ。
まぁ俺とは男としての核が違うからな。
大目にみてやれよ。はははは。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
アリストー。魔物がでたよ。
私達の出番だわ。
行きますわよ。
おーい。無視するなよー
いかないで~
いい仲間なんだよな?
たぶん。




