表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王を倒した英雄~300年後に飛ばされ世界を統べる~  作者: 乱丸
第一章~始まりの冒険者編~

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

21/82

アリューシュの告白

アリストとアリューシュが加われば、鬼に金棒だぜ。

 

おい、ベイル。楽しようとしてないか。


い、いや。気のせいだ。そんな事は微塵も考えてないぜ(汗)

 

怪しいな。

 アリューシュの加入を期に、全員で住める一軒家を借りる事にした。

 別々で宿を借りるより、安上がりだし連携も密になり計画も立てやすい為だ。

今日の依頼は、ドランに向かう街道沿いに出たロングホーンの群れの討伐だ。

 単体ならばCランクだが、群れとなるとBランクに格上げされる。

 ラタールの翼は、難なく討伐を完了させた。

 皆、出会った頃に比べ格段に強くなった。

 ベイルは上機嫌だ。ロングホーンの肉は高級食材なので報酬も良いからだな。

 食事屋でいつもより豪華な食事をし、一軒家に帰宅する。

 大きめのリビングで戦闘の反省や課題、明日の方針など雑談を交えながら話すのが日課になっている。

 会議?雑談会?が終わり夜も更けて来た頃、扉がノックされた。

「アリスト、起きているかしら」

「起きているよ」

「入りますわよ」

 扉を開けてアリューシュが入って来た。

「どうした」

「机に向かって、歴史書。調べものかしら」

「ああ、少しな。で、何か用か」

「あらあら、こんなにいい女が夜訪ねて来たというのに冷たいですのね」

「自分で言うか」

 アリューシュは微笑みながら、ソファーに座った。

「歴史に興味があるのかしら」

「すこしな。で、何の用だ」

「確かめたい事がありますの」

 無言でアリューシュを見る。

「私、300年前に見た光景が忘れられませんの」

 アリューシュの瞳が遠くを、いや、過去の記憶を見ている。

「300年前・・・人魔大戦か」

 アリューシュは頷き、話を続けた。

「エルフの首都エファーリアが陥落した日、私はまだ40才の戦士見習いでしたの。エルフの英雄が戦場に出ている隙を付き、攻め入った魔族に町は蹂躙されましたわ。激しい魔族の攻撃に戦士たちは次々と倒れ、町は燃え上がり地獄の様な光景が広がっていました」

エルフの40才は、人族での10才位か。

「戦場に出た私は数体の魔族と対し、力及ばず倒れましたわ。魔族の剣が頭上に迫り死を覚悟したその時、1人の若者が私の前に現れましたの。彼は魔族を次々と倒していきました。漆黒の髪を持つ彼は、動けない私を戦場から連れ出し命を救って下さいましたの」

 あの時王の命令を聞かず、もっと早く助けに行けたら。

 そんな思いが蘇る。

「残念ながら、首都は陥落してしまいましたが、彼は圧倒的な力で多くの同胞を救って下さいましたわ。怪我の癒えた私は後方に配属され彼と会う事は出来ませんでしたの」

 アリューシュの瞳は潤みだした。

「助けて頂いた感謝を伝える事も出来ずにいた私に、名前だけが伝わりましたの。そして彼は長い戦いの末、魔王を討ち倒し真の英雄となりましたわ。ですが、彼の消息は分からなくなりましたの」

「そうか」

「彼の名はアリスト。貴方と同じ名前ですわ」

 俺を見つめるアリューシュ。

「先の戦いの折り、貴方を初めて見た時に重なりましたの。私をお救い下さった黒髪の若者とあなたが」

「300年前の話だ。人族は生きられない」

「ええ、不思議な事ですわ。ですがこの数日、貴方を見ていましたの。その黒い髪。魔力の波動、剣技。どれも300年前、見て感じた英雄アリストその者ですわ」

 そうか、あの時助けたエルフの少女か。朧気だが覚えている。

「300年前、確かに俺はエファーリアにいた。だが、救援に向かったのは俺を含めて3人だった。もっと早く行動を起こせれば、多くの命を救えた。すまない」

「それでは・・・・やはり」

 アリューシュは涙を流す。

「気に病む事は御座いません。エルフの民は貴方様に感謝しております」

アリューシュは深々と頭を下げる。

「俺は魔王を倒した。だが、魔王の魔力暴走の爆発に巻き込まれて死んだと思ったよ。現実は違った。この時代に飛ばされた様だ。お前の言う通り、300年前のアリストは俺だ」

「私の命を救って頂き、感謝致します」

「感謝はいらない。あの大戦では、皆が必死に戦っていただけだ」

「ありがとう御座います。この再会を精霊の女神アメルトシア様に感謝致しますわ」

「自分でも信じられないのに、簡単に信じるな。疑わないのか」

「疑いませんのよ。私は確信致しましたの」

 あの目、完全に信じ込んでいるな。

 

エルフに対しての罪悪感が、真実を話す事にためらいを与えていた。

 だが、これで俺も胸のつかえが少し降りたようだ。

 アリューシュに感謝しないといけないな。




やはり、英雄アリスト様でしたのね。

 私、一生ついて行きます。


勘弁してくれ。

 俺は自由に生きるのだ。


それは無理ですわ。貴方様は真の英雄ですから。

 運命がそれを許しませんわ。


大袈裟な。

 俺は自由を楽しみたい。

ん・・・自由ってどう楽しむのだ。 

  

私が手取り足取り、教えてあげるわ。フフフフ。


なせ、アニスがここに居らっしゃるのかしら。


いいじゃない。私もここに出たいもの。


あらあら。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ