新しい仲間
無事依頼も完了だな。
しかし、お前は強いな。
当然ですわ。
まぁ一人でも問題長ったけどな。
でも、なんとなく誰かに似ているよな。
誰だっけ。
「レイラ、行ったぞ」
「ベイル、詰が甘いよ」
「うるせー。外皮が硬すぎだ」
手負いのアイアンリザードがレイラに向かって来る。
横に身をかわし、横腹を斬り裂く。
「これで最後ですわ」
動きの鈍ったアイアンリザードをアリューシュの大鎌が両断した。
「アイアンリザードが紙の様だな」
「あら、貴方も簡単に出来ますでしょ。アリスト」
「ハハッ、冗談だろ」
アリューシュは意地悪い笑みを浮かべる。
盗賊の一件以降、俺はAランクに昇格した。
ここ数日は高ランクの依頼を受け、順調に冒険者を満喫している。
アリューシュはレイラ達に話しかけに行った。
なぜ、アイツは馴染んでいるのだろう。
「レイラも動きが良くなりましたわ」
「アリューシュに言われると、なんか嬉しいな」
レイラは少し照れている様だ。
「私は出番が少なくって退屈でした」
クルーシは不満顔でむくれている。
ベイルが慌ててフォローする。
「いやー、クルーシの最初の一撃は凄かったな。アリューシュ」
「え、ええ。凄かったですわ。魔法の威力が上がりましたわね。クルーシ」
「アリューシュに褒めて頂けるのは、嬉しいです」
クルーシの顔が笑顔になった。
しかし、クルーシの不満も解るが、俺は出番なしで見てるだけ、なんだが。
つまらん。早く帰ろう。
「依頼も無事完了したし、魔物を回収して戻ろう」
ベイル達3人で空間収納袋に魔物を詰め始めた。
「やっぱり、便利だよね。空間収納袋。高価だったけど、買ってよかったな」
レイラはウキウキだな。
先の高額報酬で、高価な空間収納袋を購入した。
一番容量の少ない物だが、高価だった。
「そうだな。それもアリストのおかげだな」
ベイルも上機嫌だ。
それを眺める俺の横にアリューシュが立っている。
やはり、違和感が否めない。
「なぁ、なぜお前がいるんだ」
「え」
「なせ、アリューシュがこのパーティーにいるんだ」
「あら、私が居れば高額報酬の依頼を受けられますのよ。Sランクですもの」
なぜドヤ顔してる。
「お前、人族は嫌いなのだろう。ギルドマスターに聞いたよ。それに、今まで単独だったのにどういう心境の変化だ」
「確かに人族は余り好きにはなれませんの。ですが」
「ですが、なんだ」
「気になりますの。ウフフフッ」
「まぁ、少しな」
「そうですわね、私の通名を知っていますかしら」
「死神のアリューシュ」
「私は盗賊討伐の依頼を多く受けていますの。討伐での生き残りは、ほぼいませんの」
「それで、死神と」
「今まで私とパーティーを組んだ仲間達は、全員死んでしまいましたの。エルフも人族も」
「そうか」
「ええ、一度だけではありませんの。何度も。なので、死神と呼ばれるのでしょう」
部隊の仲間が全滅した事は、俺も何度も経験した。
戦場での死は平等だ。生き残るのは運が良かっただけだ。パーティーも同じだろう。
「それはお前のせいではないだろう」
「あら、お優しいですのね。それからは1人で主に盗賊討伐の依頼を受けているのですわ」
「で、心境が変わったのか」
「貴方に興味が出ましたの」
「俺に、か」
「人族とは思えない膨大な魔力量、若さに似合わぬ剣の技量、興味が湧きますわ」
「剣技は鍛錬の結果だろう」
「あら、よほど剣才があったのかしら」
アリューシュは、疑いの笑みを向けて来る。
「それに、魔力量がエルフの私より多いのは何故なのかしら」
先日の戦いで魔力を制限しているのに気付いたか。
こいつは何才だ。300年前の戦いを生き抜いたエルフか。
「通常の鍛錬では魔力量はそんなに増えませんのよ」
ぐっ。確かに言葉には表せない程の過酷な鍛錬をして来たが。
「その黒髪とか」
「そんなに珍しいのか、黒髪が」
「ウフフッ。興味が尽きませんわ。それに・・・」
なんだ。まだ、何かあるのか。
「貴方の選んだパーティーならば、信頼出来る数少ない人族なのでしょ」
「そうだな」
「直ぐに死ぬ事もなそうですし」
満面の笑みを浮かべるアリューシュ。
思わずベイル達をみる。
頑張れ、お前達。
「回収が終わったぞ。一旦戻ろう」
ベイル達が戻って来た。
「そのうち詳しく聞きたいですわ」
アリューシュはにっこり笑う。
こいつの笑顔が怖い。
だが、おれも聞きたい事がある。
そのうち二人で話してみるか。
次回更新は
2日後くらいになります。
宜しくお願いします。




