決着
私の出番ですわ。
アリスト、見ていて下さいまし。
私の美しい戦いを。
クッ。目の毒だ。(足に目が行ってしまう)
何か言いました?
いいえ。何も。
??
「おおおおお」
大剣が空を斬り、大地が消し飛んだ。
土煙の中から唸り声を上げ、アリューシュを見据える。
「ちょこまかと逃げやがって。大人しく死んどけや」
「力だけは化け物並みですわね」
「魔力もバケモノ並みだぜ」
サガラスの左手に魔力が貯まる。
「喰らいやがれ」
5本の黒色の高密度魔力弾が放たれる。
アリューシュは後方に飛び、魔力弾を交わす。2つが着弾し、爆発する。
轟音と砂塵が舞う。
真上と左右から3つの魔力弾が迫る。
追跡系ですの。面倒です事。
大鎌で左右の魔力弾を真上に弾く。
上空でぶつかる3つの魔力弾が爆発し、爆炎で視界が曇る。
爆炎を斬り裂きサガラスが迫って来た。
「死ね、アリューシュ」
大剣はアリューシュの髪を数本斬り裂いた。
体を回転させ大剣を交わしたアリューシュの大鎌が、サガラスの左目を斬り裂いた。
「ぐあああ」
左目を抑え、後ずさりするサガラス。
「私を倒すには、まだ足りない・・・ですわ」
「クソが」
「おーい、アリューシュ。まだ戦っているのか」
「あら、アリスト。もう済みましたの」
「ああ、全員無事助け出した。手下共も片付いたぞ」
「仕事が早いですわね」
「て、あの魔族もどきはなんだ」
「サガラスですわ。たぶん・・・」
「マジか。変な物でも食ったか」
「そうみたいですわね」
「グウゥゥゥ。殺す。殺す。殺してやるー」
「獣が吠えてますわ」
「手伝うか、アリューシュ」
「あれは私の獲物ですの」
「はい、はい」
「ぶち殺してやる」
サガラスが動いた瞬間、アリューシュも神速で間合いを詰めた。
常人では見切れぬ速さの斬撃の応酬が繰り広げられる。
アリストは時折向かって来る斬撃波を防御結界で弾く。
女性たちの悲鳴が上がる。
結界で安全なのだが、怖いよな。しかしアリューシュは強いな。
攻防はアリューシュに傾き始めた。
サガラスの全身から血飛沫が舞う。
「俺が負けるはずがねぇー」
サガラスが渾身の一撃を放つ刹那、大鎌がサガラスの胴を斜めに斬り裂いた。
「ガハァッ」
「坊やでは力不足ですわ」
サガラスはよろめき片膝を付く。
「クッ。力が、力が抜けて行く」
傷口から流れる血と共に紫煙が吹き上がる。
「あらあら。まがい物の力なんて、こんな物ですのね」
サガラスの身体は小さくなり、元の身体に戻った。
「ふざけるなよ。俺は狂乱のサガラスさまだー」
サガラスは力を振り絞り向かってくる。
「無限花斬翔」
アリューシュの剣技が美しい舞を見せる。
「ウガァァァ」
神速の連撃でサガラスは鮮血を花びらの様に撒き散らし空を舞う。
「楽しめましたですわ」
大地に落ち、サガラスは絶命した。
大鎌を大地に突き立て、立ち振る舞うアリューシュ。揺らめく黄金の髪が昇り始めた朝日に煌めいる。
美しいな。
「アリスト、どう致しましたの」
ハッ、しまった。また見とれてしまった。
「いや、グライムに連絡をいれて迎えに来てもらおう」
「大丈夫ですわ。朝、騎士団に来る様にグライムには言ってありますから」
「手回しがいいな。それなら迎えが来るまで、のんびり待つか」
「そう致しましょう。皆さま、騎士団が迎えに来ますわ。もう少し、ここで待ちましょう」
女性達から安どの声が上がった。
アルテシアが駆け寄ってくる。
「アリストさん。と」
「あら、可愛いお嬢さん、アリューシュですわ」
「アルテシアと申します。アリストさん、アリューシュさん。助けて頂きありがとう御座います」
助けられた女性達も頭を下げた。
「それと・・・・」
アルテシアが何か言いかけた時、アリューシュがからかう様に言った。
「あら、礼儀正しい子ですわ。アリストの女ですの」
「おい、女って」
頬に手を当て、真っ赤になるアルテシア。
「えぇぇぇぇ、私がアルテシアさんのおんな~」
「アリューシュ、からかうのは辞めてくれ」
アルテシアはまだくねくね照れている。
「アルテシアさん。何か話が・・」
「そうです。アリストさん。お父様は、護衛の皆さんはご無事でしょうか」
「エマルドさんは無事だ」
「ご無事ですのね。良かった。護衛の方々は」
「クレイズと数人は助かった」
「他の方々は・・・」
「すまん。もう少し早く助けられたら」
「そうですか・・・」
アルテシアの瞳から涙が流れる。
アリューシュはアルテシアを抱きしめる。
「冷たいようですけれど、仕方ありませんわ。護衛とはそういう仕事ですもの」
アリューシュの言う通りだが、アルテシア位の年の子には辛い現実だな。
「はい。分かっては、おります」
強い子だな。
「所でアリスト。お腹がすいたのですわ」
「はぁ。お前、後から来たのに何も持ってこなかったのか」
「私は、帰還して直ぐにここに来ましたのよ。持ってくる余裕なんて有りませんの」
「はいはい」
俺とアリューシュのやり取りを見ていた女性達に笑いが起きた。
少しは気持ちが解れた様だ。
「食糧庫探してくるよ」
食事でもして待っていれば迎えが来るだろう。
しばらくして、グライムとユリウス騎士団長が騎士団と共に迎えに来た。
ここまで読んで下さりありがとう御座います。
次回更新は2~3日後になるかと思います。
時間があれば更新できるよう努力します。
お待ち頂けるとありがたいです。
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