戦闘開始
グライムは心配性だ。
あら、仕方ありませんわ。責任者ですもの。
めんどくさ。
とっとと、潰そう。
私の分も残して下さいまし。
めんどくさ。
冒険者ギルトでは、グライムが苦悩していた。
「だー。あいつ、また念話切りやがった」
口調も荒くなっていやがった。
{アリューシュ}
{グライム。どうかしましたの}
{アーセブル城の賊は300人。今、アリストが城に突入すると連絡があった}
{ウフフフ、元気が良い事ですわ}
{笑い事じゃないぞ。急いでくれ}
{もう、お城が見えましてよ}
結界?アリストが張ったのかしら。
{手の空いている冒険者を集めようか}
{あら。大丈夫ですわ。連絡致しますので待機してくださいまし。今来られたら、危険ですもの。ウフ}
{あーそうかい。邪魔なのね}
{あらー。今、大きな火柱が見えましたわ。急がなければ終わってしまいそうですわ}
{・・・・た、頼んだぞ}
{了解ですわ}
あー不安だ。火柱ってなんだよ。アリューシュは暴れるつもりだし。後始末どうしよう。
頭を抱えるグライムだった。
不憫・・・
「インフェルノ」
荒れ果てた大広場に巨大な火柱が上がる。
幾人もの盗賊が火柱に巻き上げられていく。
「ハハハハ。派手にいこうぜ」
「ライジング・メテオ」
結界内上空を黒雲が覆い、雷撃が降り注ぐ。
雷撃に打ち抜かれる盗賊達。
怒号と悲鳴が飛び交う。盗賊達は混乱に陥った。
混乱の中、数人がアリストに気付く。
「何だ、お前。お前がやったのか」
「敵襲だー」
「斬り殺せ」
盗賊達は叫びながら剣を取り、向かって来た。
「貴様等に慈悲はないぞ」
アリストの剣が舞、4人が斬り倒される。
攻撃を回避した者達も状況に気付き、次々と襲い掛かる。
アリストは剣に炎を付与した。
「敵は1人だ。一斉にかかれー」
四方から襲い来る賊を鋭い剣技で一蹴する。
「ぐはぁ」
斬られた者は燃え上がる。
「火葬付きだ。手間が省けるだろう」
立て続けに襲い来る賊の剣や斧を交わし斬り裂いていく。
「フレイム・ショット」
無数の炎の弾が盗賊達を焼き尽くす。
「死にたいヤツはどんどん来い」
アリストの剣に次々と倒れ燃え上がる盗賊達。
場内にいた盗賊達がバラバラと出て来る。
崩れかけたテラスには魔法使いが数人現れた。
「皆、一斉攻撃だ」
「アイシクル・スピア」
「あらあら。この結界、何て大きさなのですわ」
城全体を覆う様に結界が張り巡らせている。
城門の傍らに縛られ蹲っている男を見つけた。
「あら、貴方は何ですの」
「あ、俺はクノッソルで・・す」
こ、こいつは知っている。氷の様に冷たい眼光の女エルフ。
Sランク冒険者、死神のアリューシュだ。
やばい、殺される。
「盗賊のお仲間かしら。何をなさっているの」
クノッソルは飛び起き正座をした。
「アリューシュさんですかい」
声は震えている。
「私をご存じなのかしら」
「はい。盗賊の間では有名でして」
「あら、嬉しいですわ。で、何をなさっているのかしら」
「見ての通り旦那に捕まりました」
「旦那、アリストの事ですかしら」
「アリストと言うお名前ですかい。情報を提供するので殺さないと言ってました」
「あら、仕方ないですわ。運がよろしいですわね」
クノッソルは安堵した。
た、助かったー。
「この結界はアリストが張ったのかしら」
「はい。中の者を逃がさない為だとか。あ、外からは入れる様です」
「器用な結界ですこと。本当に面白いですわね」
アリューシュは笑顔で結界を見上げた。
次は、いよいよ私の出番かしら。
めんどくさ。
ムキー!




